映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

本能寺ホテル

2017年12月01日 | 映画(は行)
タイムトラベル版、ゆきて帰りし物語



* * * * * * * * * *

会社が倒産し、失業した繭子(綾瀬はるか)は、
ちょうどその時付き合っていた恭一からプロポーズされ、婚約します。
恭一の両親の金婚式の祝賀会のため、京都を訪れますが、
予約していたホテルが手違いで泊まれず、
やむなく行き当たりばったりで見つけた路地裏の「本能寺ホテル」にチェックイン。
ところが、エレベーターに乗り、降りると
そこは戦国時代の本能寺で、
繭子はそこで森蘭丸(濱田岳)や、織田信長(堤真一)と出会います。
わけが分からぬまま、繭子は安土桃山時代と現代のホテルを行き来。
信長の人となりを知るにつけ、
なんとか「本能寺の変」から信長を救いたいと思うようになりますが・・・。



幼稚園、小中高、大学、そして就職、結婚。
これまでその「あたりまえ」と思っていた道を何も考えずに辿ってきたけれども、
本当にそれでいいのかと、繭子は思います。
こうした背景は、「本能寺の変」へのタイムトラベルのための
ほんの前提と捉えるのが普通なのかもしれません。
でも私には繭子のこうした思いこそが重要な気がします。
というのも、近頃若干学んでいる「ファンタジー」の図式にピッタリなもので・・・。



つまりこれ、「ゆきて帰りし物語」なんです。
繭子が非日常・無意識の世界へ旅をして、何かを掴んで帰ってくる、という。
だから彼女の行き先は戦国時代でなくてナルニア国でも、エルフの里でも、
どこでも良かった。
たまたま、本能寺だった・・・と。



という風に、私は繭子の精神性に重きを置いてみたので、
時代考証がどうのこうのは全然気になりませんでした。
とは言え、森蘭丸に濱田岳というのは意表をついていてナイスです。
濱田岳さんは深刻な場面でもどこかユーモラスを感じさせて、いいですよね~。
「わろてんか」に彼が出ていなかったら全然つまらない、と私は常々思っています。
イケメンだけが朝ドラを持たせているわけじゃない!!
(もちろんイケメンも好きだけど)



堤真一の信長もまずまず・・・。
でも一番違和感があったのが高嶋政宏の明智光秀でしょうか。
全然イメージが違う・・・。
そういう力任せの武将という感じではないなあ・・・
まあ、ワタシ的には。



てなわけで、ラストシーンのホテルの支配人(風間杜夫)は、
エレベーターで戦国時代とか江戸時代とかではなくて、
南極とか、どこか遠い星とかに行っちゃったかもしれませんね。

本能寺ホテル DVDスタンダード・エディション
綾瀬はるか,堤真一,濱田岳,平山浩行,田口浩正
ポニーキャニオン



<WOWOW視聴にて>
「本能寺ホテル」
2017年/日本/119分
監督:鈴木雅之
出演:綾瀬はるか、堤真一、濱田岳、平山浩行、風間杜夫、高嶋政宏
ファンタジー度★★★★☆
満足度★★★☆☆


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