映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

いちごの唄

2020年11月22日 | 映画(あ行)

大事な存在をなくした2人

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峯田和伸のバンド「銀杏BOYS」の楽曲からインスパイアされた
岡田惠和によるオリジナルストーリー。

 

冷凍食品の製造工場で働く笹沢コウタには中学時代に伸二という親友がいました。
コウタと伸二は密かに同じクラスの「あーちゃん」を「天の川の女神」と崇拝していたのです。

ところがある日、事故が起きて伸二はあーちゃんをかばい、
身代わりになって亡くなってしまったのです。

それから10年。
コウタ(古舘佑太郎)は偶然にあーちゃん(石橋静河)と再開します。
伸二の死を背負いながら生きてきた2人。
これまで会話を交わしたことはほとんどなかったのですが、
年に一度、伸二の命日に会うことを約束します。
そうして幾度か会うことを繰り返すうちに、コウタは彼女に惹かれていくのですが、
あーちゃんは自分のコトを語ろうとしません・・・。

 

少し頭のネジが緩んでいるようにも思えるくらいにノーテンキなコウタなのですが、
なんだかほのぼのします。
彼の家族もいかにも温かい家族。
こういう家に育つとこうなる、という良い見本みたいなものですね。

一方、伸二も千日(あーちゃん)も、実はなかなか事情は複雑。
それだから逆にコウタに惹かれるのかもしれません。

勝手に「女神」のようにあがめられていまい、実は悩みだらけ、
うまくいかないことだらけの千日はいらだってしまうのです。
そうした気持ちを吐露するシーンもなかなか見物。

中学生で亡くなってしまった1人の男子を思いながら、
今を生きる2人の心境は複雑なのです。

峯田和伸さんのビートルズ愛も伝わる作品。
彼自身も、ラーメン屋さんの店長役で出演していますが、いい味出てる~! 
岡田惠和さんの脚本、やっぱりいいなあ・・・♡

<WOWOW視聴にて>

「いちごの唄」

2018年/日本/114分

監督:菅原伸太郎

原作:岡田惠和、峯田和伸

脚本:岡田惠和

出演:古舘佑太郎、石橋静河、和久井映見、光石研、泉澤祐希、清原果耶、岸井ゆきの、峯田和伸

 

ほのぼの+苦み度★★★★☆

満足度★★★★☆



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