凶悪なのは猿よりも・・・
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最近私は、この手のSFアクション超大作というような作品を
あまり見なくなってきているのですが、
このシリーズはずっと見てきているので、やはり見なければ、と。
「猿の惑星」創世記(ジェネシス)→新世紀(ライジング)→聖戦記(グレート・ウォー)
に続く第4弾です。
300年後の地球。
人類は退化し、高い知能と言語を得た猿たちが地球の新たな支配者として君臨していて、
中でもプロキシマス・シーザーは宗教的カリスマ性と強大な軍団を率いることで
巨大な帝国「キングダム」を築こうとしていました。
本作の主人公ノアは、そんな帝国からは少し離れた
山岳部の小さな集落に暮らしています。
彼らはワシを飼い慣らして生活する部族で、ノアは族長の息子なのでした。
ところが突然プロキシマス配下の一団が襲撃し、
父は殺され、他の村人はさらわれてしまいます。
ノアは村人を取り戻すため、プロキシマスの元へ向かうことに。
そんな中でノアは、年老いたオランウータンや、
人間の女性ノヴァと出会い同行することに。
人間は知性に欠け、言葉も話さないはずなのですが、
ノアはノヴァの目に知性のきらめきを感じます・・・。
ノアの部族は言ってみれば少数民族。
プロキシマスらからみれば取るに足らない貧しい田舎者。
ノアの村の一族は奴隷のように使役するために捕られ、連行されたのです。
猿の社会でも結局このように格差が生じているのも興味深いですね。
けれどノアの部族は自然と共に生きる誇り高い一族。
こうした設定がステキなのです。
そしてかつて人間が築いた都会の街並みは多くが崩れ去り緑に覆われて、
廃墟というよりもむしろ美しい光景を生み出しています。
そうした地上の様子がなんとも興味深い。
そして、ノアと旅の道連れになるノヴァは、実はしっかりとした知性を持つ「人間」。
始めはそのことを隠していましたが、次第に正体を現していきます。
彼女は何かの意図を持って、プロキシマスの元へ行こうとしている。
彼女の秘密とは一体何・・・?
と言うことなのですが、う~む、
結局一番凶悪のは「人間」なんだな、と私は思ったのでした。
ノアの村が無性に懐かしく居心地良く思えてしまいます。
それにしても今さらですが猿の表現が素晴らしいです。
今はもう特殊メイクではなくて、「パフォーマンスキャプチャー」なんですね。
猿の顔の表情、口元、なんの違和感もなく、感情が表現されます。
ストーリー、映像共に、思いのほか満足できました!
余談ではありますが、これまで創世記、新世紀、聖戦記と、
ステキに文字数をそろえ・韻を踏む題名で来たのに、
ここでいきなり「キングダム」になってしまったのは、いかにも残念。
なんとかそろえられなかったのかあ・・・。
<TOHOシネマズ札幌にて>
「猿の惑星 キングダム」
2024年/アメリカ/145分
監督:ウェス・ボール
出演:オーウェン・ティーブ、フレイヤ・アーラン、ケビン・デュランド、
ピーター・メイロン、ウィリアム・H・メイシー
人類衰退度★★★★☆
自然回復度★★★★★
満足度★★★★☆
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