映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ポテチ

2012年12月26日 | 映画(は行)
食べてみたら意外と美味しくて気に入った。塩味ポテチ。



            * * * * * * * * *
 
伊坂幸太郎氏の中編集「フィッシュストーリー」に収められた一作の映画化。
私、井坂幸太郎ファンですが、
なぜか映画化作品を見ていなかったような・・・。
別に避けていたわけでもないのですが、
本で読んでいたので、あえて見るまでもないか、
とそういうことだったかと思います。



今村は、空き巣を生業とする青年。
彼は同じ街で同じ年同じ日に生まれた野球選手・尾崎の大ファンなのです。
けれどその尾崎はこの頃振るわず、なりをひそめています。
尾崎とは直接あって話したこともないけれど・・・、
家族や恋人を巻き込んで、二人は不思議な絆でつながっていきます。


今作は68分と、大変コンパクトに出来上がっていますが、
その中に、まさしく伊坂幸太郎エッセンス凝縮。
今村の鋭いのかバカなのかよくわからない茫洋とした感じ。
(けれど密かにとても悩んでいる!!)。
人の心がわからないという黒澤の、独特の存在感。
普通だけど熱い若菜。
それぞれ大好きです。



塩味のポテチとコンソメ味のポテチ。
コンソメ味を食べたかったのだけれど、
間違って塩味を渡されて、
食べてみたらこれが意外と美味しくて気に入った。
・・・そこで泣けてしまう今村の心境とは・・・?



いいですね。
張り巡らされた伏線の中で、笑いがありちょっぴり悲しみもあって、
とても満足感のある作品でした。

「ポテチ」
2012年/日本/68分
監督:中村義洋
原作:伊坂幸太郎
出演:濱田岳、木村文乃、大森南朋、石田えり、中林大樹


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4 コメント

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これも (こに)
2012-12-27 17:29:34
未鑑賞だったのですね!
意外でした。
自分も辛いだろうに母をを思い遣る今村の心模様、濱田クンがはまり役でしたね。
濱田クンの「みなさん、さようなら」の公開も楽しみです。
(^_^)
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遅すぎる発見 (たんぽぽ)
2012-12-28 20:59:12
>こにさま
見ていない作品はまだまだ山のようにありますねえ。
こんなにせっせと見ていても見きれないほど、映画はたくさん作られているというわけで・・・ありがたいことです。
封切り時にすぐ見ないと、上映時間帯が夜だけになってしまったり、あっという間に終わってしまったり、タイミングも難しいですよね。まあ、後でレンタルで見れば良いのですが、それも忘れていたりして。
まあ、忘れた頃に密かに自分だけ新しい発見のような気がするのも悪くないです。
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こんばんは (IHURU)
2013-05-14 22:28:12
この映画、たんぽぽさんのレビューで知り、気になってレンタルしました。レンタルして大正解!
とても爽快な気分になれました。ありがとうございます♪

もともと原作は読んでいたのですが、いい仕上がりでしたね~。
これに限らず、中村監督は伊坂さんの映画化、巧いなぁ・・・と。「アヒ鴨」とかももし未見でしたら、最高ですよ!

ではでは。
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どういたしまして (たんぽぽ)
2013-05-15 19:42:21
>IHURUさま
楽しんでいただいて、幸いです。
アヒ鴨ですか。確か、私が一番初めに読んだ伊坂作品だったと思います。すごく好きでした。
本当になぜか本は読んでも映画は見ていなかったので、
これからの楽しみがまた増えました!!
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