映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

繕い裁つ人

2015年11月10日 | 映画(た行)
美しいけれど・・・



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池辺葵さんの同名コミックの映画化。
神戸の街を見渡す坂の上に「南洋裁店」があります。
初代の祖母から店を受け継いだ2代目店主、市江(中谷美紀)。
彼女は祖母から受けついだ方針をひたすら守り、
常連客のために作った服の直しと、
祖母がデザインし作ったパターンをそのまま利用した服をいくつか作るだけ。
デパートのアパレル部門担当の藤井(三浦貴大)が何度もやってきては、
ブランド化を勧めるのですが、キッパリと断る市江。
でも藤井が何度も気安く訪ねてくるものだから、
市江はちょっぴり彼が気になってきます。
彼は、本当は市江自身が人に着てもらいたいデザインがあるのではないか?
というのですが。



「しあわせのパン」や「ぶどうの涙」。
決してきらびやかではない仕事を地道に自分の信じる通りに続けていく。
仕事=生活。
そういう三島有紀子監督の雰囲気がここにも色濃く現れています。
その雰囲気は良い。
う~ん、だけれども、
前2作にしても本作にしても、なんだかイマイチ主人公に感情移入できないんだなあ・・・。
あまりにも生き方が美しすぎて、
現代人の抱えている苦労や悩みを置き去りにしている気がする・・・。



この仕立て屋さんで服を作ったら一体いくらかかるのでしょう? 
完全オーダーメイドだし、相当高そうな気がする。
しかも本当にその年に一度の「夜会」でしか着ることがなさそうな服で・・・。
作中でも言っていたけれど、
今は上等の服1着をいつまでも大事に着るという時代ではないですよね。
確かにそれは大事なことだけれど、
流行もあるし、少しくらいの直しでは済まないくらい体型も変わっていくことも多いし。
直しだけでも相当お金がかかりそうだし、
どう見ても庶民向けのお店ではない。
だから近所の人のたまり場になっている、というのがそもそも納得出来ない。
この店に入り浸りの藤井のことも、
こんなに暇でいいワケ???と心配になってしまうし。



雰囲気だけは確かに良いのだけれど、
身近に感じられず、どうにも納得行かない作品なのでした。

「繕い裁つ人」
2015年/日本/104分
監督:三島有紀子
原作:池辺葵
出演:中谷美紀、三浦貴大、片桐はいり、黒木華、杉咲花

クラシック度★★★☆☆
満足度★★.5

ヴィジット

2015年11月09日 | 映画(あ行)
ヘンゼルとグレーテル?



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M・ナイト・シャマラン監督作品となると、どうしてつい期待してしまうのでしょう。
つまりは「シックス・センス」の衝撃があまりにも強かったのですね。
しかし、これまでにその「シックス・センス」を凌ぐ作品は、
はっきり言ってありません。
本作もまた然り・・・。



休暇を利用し、初めて会う祖父母の家で
一週間を過ごすことになる姉弟のストーリー。
母は、駆け落ちのため家を出て、これまで一度も実家に帰ったことがなかったのです。
だから15歳姉ベッカも、13歳弟タイラーも、祖父母には一度もあったことがない。
まあ、そこがミソというわけです。



初めて出会った祖父母はいかにも温かく良い人に思えました。
しかし、姉弟は次第に何か異様な雰囲気を祖父母に感じ始めます。
人目を忍ぶように納屋に出入りする祖父。
夜中に素裸で壁を引っ掻いている祖母・・・。
その異様さは日に日にエスカレートしていき・・・。
シャマラン監督作品なので、ついいろいろとこの結末を予想してしまいます。
もしかするとこの祖父母はとっくに亡くなっていて・・・とか。
しかし、確かに意外な結末ではありましたが、
ちょっとつまらなくもあります。
やっぱり「シックス・センス」の大どんでん返しには及びませんね。



でもこの姉弟はなかなか良かった。
映画監督志望のベッカはこの事件の一連をビデオ撮影。
つまりこの映画自体が彼女の撮った映像なのです。
ゆれるビデオ映像がリアルな臨場感を生み出します。
が、まあ、この手はやや使い古されていますけどね。
ラップが得意なタイラーくんも魅力的。
最後はと~ってもカワイソウでしたが。
本作はこの二人の魅力でだいぶ救われています。
そうそう、あのオーブンの掃除をさせられるベッカのシーンにはハラハラさせられました。
祖母は奥まで入って拭けという。
イヤ、ダメだよそれ、危険だよ~!!
と私たちはつい思わされますね・・・!
私にはこの二人がヘンゼルとグレーテルに思えてきました。


「ヴィジット」
2015年/アメリカ/94分
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:キャスリン・ハーン、ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー、エド・オフセンボールド、オリビア・デヨング

恐怖度★★★★☆
驚き度★★★☆☆
満足度★★★☆☆


「見上げた空の色 ウエザ・リポート」宇江佐真理

2015年11月08日 | 本(エッセイ)
宇江佐真理さんを偲んで

ウエザ・リポート 見上げた空の色 (文春文庫 う 11-20)
宇江佐 真理
文藝春秋


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この記事は、本当ならもう2・3日後にアップする予定だったのですが、
その矢先、宇江佐真理さんの訃報が飛び込んできました。
この本を読んで、著者の病のことを初めて知ったのですが
ほとんど、その直後にこんなことになるとは・・・
66歳だったそうです。
残念です。
謹んでご冥福を祈ります。


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髪結い伊三次捕物余話シリーズなどで人気の時代小説作家によるエッセイ集第二弾。
函館在住の主婦でもある筆者の日々のあれこれ。


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「笑顔千両」に続く宇江佐真理さんのエッセイ集。
函館在住で小説を書き続けている著者に、いつも勝手ながら親しみを感じさせていただいています。
本作で興味深かったのは、

「国語に100点はない」
著者の文章が高校入試の問題に使われたそうです。
試みに著者自身が問題を解いてみれば、
「明確な答えが出せなかった。」というのです。
「作者本人にもわからないものがどうして生徒たちに分かるだろうか。」
・・・というわけで、以来問題集への掲載依頼は断り続けているとのこと。
そうですよねー。
本は大好きでも国語の時間が好きにはなれなかった私。
言いたいことはよくわかります!!


「ぶつかることもまた、良し」
著者は結婚前の10年ほど会社勤めをされていたそうなのですが、
その時のこと。
「人間的に優れた上司は半分ほどで、
他の半分はなんでこんな者が会社の役付になっているのかと
首を傾げたくなるものばかりだった。
―――ここは利口に立ち回り、自分の周りに波風を建てずに過ごすのが
得策だったかもしれないが、私はそうできない人間だった。
意固地になって反発することが多く、
ずい分、上司にも周りにも迷惑をかけたと思う」
などとあります。
なんでしょうねえ、きっぷの良い江戸の女将さんって言う感じ。
この歯切れの良さが魅力です。


さてさて、ところが本巻の巻末にショッキングなことが!!
「私の乳癌リポート」ということで、
著者の闘病記が描かれています。
乳癌は早期発見できれば割と寛解率が高いのですが、
著者の場合、真の病巣が見つかる前に骨とリンパ節に移転していたということで、
寛解は無理のようなのです。
気丈にもこれらのことを淡々と記述してあります。
けれど幸い抗癌剤が効き、一時は股関節の不調で歩くのも困難だったのが、
一応普通の生活を送れるようになっているとのこと。
けれど、副作用のひどい抗癌剤は使用しないこととし、
病とともに生きる決意をされているようです。
どうかお体を大切に。
私ももっとずっと宇江佐さんの本を読み続けたいです。


そうそう、今度函館へ行ったら、
宇江佐さんおススメ「ラッキーピエロ」のハンバーガー、
「ハセガワストア」のやきとり弁当をぜひ食べますね。

「見上げた空の色 ウエザ・リポート」宇江佐真理 文春文庫
満足度★★★★☆

・・・ということで、なんともショックでした。

ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密

2015年11月06日 | 映画(な行)
これにて打ち止めで正解



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ナイト・ミュージアム、シリーズ第3弾。
まあ、面白かったのは確かですが、
どうにも感想を述べようにも言葉が見つからない。



いつものアメリカ自然史博物館。
例によって夜ごと展示物が動き出すのですが、
この展示物に命を吹き込んだエジプト王の石版が魔力を失いつつあるのです。
石版の謎を解く鍵が大英博物館にあると知り、
仲間たちや息子ニッキーを連れ、ラリーはロンドンへ・・・。



博物館の展示物が勝手に動き出す・・・という設定が
もうなんの新鮮味もないのです。
しかも登場するのは以前からのおなじみメンバーばかり。
で今回はロンドンの大英博物館へ場所を移すというところで
ややみるべきところはありましたが・・・



ストーリー的には確かに3部作でケリはつきました。
しかし、特になくても良かったかなあ・・・とも思えてしまいます。
そうそう、ただひとつ、故ロビン・ウィリアムズがラリーに別れを告げるシーン、
ここはさすがにちょっと切なかったですね。
それは同時に私達と彼との惜別のシーンでもあるわけだから・・・。

ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密 [DVD]
ベン・スティラー,ロビン・ウィリアムズ,オーウェン・ウィルソン,ダン・スティーヴンス,レベル・ウィルソン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


「ナイト・ミュージアム エジプト王の秘密」
2014年/アメリカ/97分
監督:ショーン・レビ
出演:ベン・スティラー、オーウェン・ウィルソン、ダン・スティーブンス、ベン・キングスレー

満足度★★.5

「論理爆弾」 有栖川有栖

2015年11月05日 | 本(ミステリ)
孤立した村の連続殺人。舞台は整ったけれど。

論理爆弾 (講談社文庫)
有栖川 有栖
講談社


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すべての探偵行為を禁止する法律が成立した日本で、
探偵を目指す17歳の空閑純は、
失踪した母親が消息を絶った九州の深影村を訪れる。
そこで母の手がかりを見つけた矢先に隣村でテロが起き、
村に通じるトンネルが破壊される。
孤立した村で連続殺人事件が発生し、
純は探偵として恐るべき狂気と対峙する!
「探偵ソラ」シリーズ第三作。


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「探偵ソラ」シリーズ第3弾。
実のところ前作「真夜中の探偵」はあまり興味深い印象がなく、
本作も読むのを迷ったのですが、
でもまあ、見届けようという気になりました。


北海道が独立し、日本とは戦時下となっているという、
今とは違う「日本」という設定が、面白くはありますが、
この壮大なバックボーンと探偵になりたいという一人の少女を組み合わせるのが
なかなか、うまく噛み合っていない印象はあります。


本作ではソラこと空閑純が母の行方を探るため、
九州のとある寂れた村を訪れます。
しかし、村に通じるトンネルが、テロ行為により破壊され、村は孤立。
その村で不可思議な連続殺人事件が起こるのです。
探偵志望としては、見過ごすわけに行きません。
親しくなった村人の力も借りて、それとなく事件現場を見て歩くソラでしたが・・・。
いつしか彼女自身の身にも危機が迫る。


有栖川有栖氏の実験的試みのような作品であるため・・・ではありますが、
本格ミステリとしてはやや反則?
けれどまあ、ソラの一途さ一生懸命さに免じて、
ま、いいか、って感じです。
本作まともに決着させようとすれば壮大な物語になりそうですが、
続きは出るのでしょうか?  
ちと、厳しそうな気もする・・・。

「論理爆弾」有栖川有栖 講談社文庫
満足度★★★☆☆

メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮

2015年11月04日 | 映画(ま行)
迷宮を迷走



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前作、「メイズ・ランナー」で、ようやく迷路の外に出たトーマスたち。
しかし、そこもまた、自由な世界ではなかった・・・。


彼らを巨大迷路に送り込んでいたのはWCKD(ウィケッド)という組織でした。
とりあえずそこからは逃れた彼ら。
迷路はほかにも幾つもあり、それぞれから脱出してきた若者たちがここの施設に集まっています。
しかしトーマスは、この場所もまたWCKDの組織であり、
自分たちが謎の人体実験の材料にされていることを知ります。
仲間とともにこの施設からの脱出を図ったトーマス。
しかし外界は、すべてが崩壊した砂漠の世界だった・・・!



この崩壊した瓦礫の山の街の風景はちょっといいですね。
しか~し、なあんだ、要するにこれはゾンビの物語だったのかあ・・・
(これって、もしかしてネタばらし?)
私は数年前の作品、ウィル・スミスの「アイ・アム・レジェンド」を思い出しました。
人類はほぼ滅亡し、崩壊した文明。
無人と化した廃墟の町をゾンビたちが跋扈する・・・。



そして、何やらモヤモヤとした疑問が湧き上がってきます。
WCKDも、ライト・アームも、人類がゾンビと戦い生き抜くことを命題としているらしいのに、
なぜ敵対しているのか。
この伝染病らしいゾンビ化現象の正体は?
地球の砂漠化とゾンビ化現象の関連は? 
そしてWCKDの真の目的は?
いろいろとわからないことばかり。
つまり、本作においての迷宮とは、これらすべての混沌とした謎のことを指しているわけです。
・・・が、その謎自体がなんだかストレスで、
どうにもすっきりしません。
前作「メイズ・ランナー」はとにかく迷路からの脱出という明確な到達点があって、
それに至る人物関係、友情やら反目やらがとてもうまく描かれていました。
分かりやすく、スリルに富んでいる。
でも本作、まあ、スリルはありますが、なんだかよくわからない。
おまけにゾンビが出てきた辺りから興ざめ。
なんだかなあ~、という感じです。
しかし、次作も見なければ宙ぶらりんのままでしょうし。
実のところもうどうでも良くなってしまった。



それにしても、あの巨大な迷路をいくつも作る技術・労力があるのなら、
「進撃の巨人」なみに巨大な城塞を築いて、
人々はその中に住めばいいと思ったりしますが・・・。


「メイズ・ランナー2 砂漠の迷宮」
2015年/アメリカ/132分
監督:ウェス・ボール
出演:ディラン・オブライエン、カヤ・スコデラーリオ、トーマス・ブロディ=サングスター、キー・ホン・リー、パトリシア・クラークソン

崩壊した文明度★★★★☆
満足度★★☆☆☆

ソロモンの偽証 後篇 裁判

2015年11月02日 | 映画(さ行)
涙の意味は?



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さて、いよいよ後篇は子供たちの校内裁判が開廷します。
告発状により、柏木卓也殺害の嫌疑をかけられた大出。
検事として藤野が、弁護人として神原が立ちます。
いよいよ、明日から開廷というその日、
藤野は神原にある疑惑を覚えます。
テレビのニュースで初めて柏木の死を知ったという神原は、
それ以前に柏木の葬儀に来ていたのではなかったか。
謎を抱えたまま、裁判に突入しますが・・・。



悲惨な家族環境という過去を背負った神原くんが、
なぜにこんなにも他校の「裁判」に熱心になるのか。
実はここが大きなポイントだったわけです。
現れてくる真相に確かに驚きはあったものの、
それぞれの子供達と家族の心理が丁寧に描写された前篇のほうが
見応えがあったように思います。



後篇は、教科書的決着に向かわなければならないというところで、
やや、類型的になってしまったきらいが。
でも、人のことを「偽善者」と非難した柏木くんは、
やはり救いようのない孤独を抱え、
また、人を傷つけることも厭わないという、
決して強くはない人物であったというのも苦いですね。





前篇で凄みのあった樹理は、後篇でもやはり一筋縄ではいかない。

そう、ここの時点ではそれでいい。
でも、その明らかなウソの証言で、藤野が流す涙の意味を
私はちょっと測りかねたのですが・・・。
こんなにがんばったのに、真実を話してもらえない悔しさなのか。
彼女に信頼してもらえなかったことの自分の至らなさを情けなく思ったのか。
ここでも真実を話せない彼女の心の闇を思ったのか。
あんなにも樹理をかばっていた松子の死を改めて哀れに思ったのか・・・。



まあ、涙の意味は時として自分にもよくわからないことはあります。
ここはこんなふうに私たちの想像にまかせるよ、
というシーンなのかもしれません。

ソロモンの偽証 後篇・裁判 [DVD]
藤野涼子,板垣瑞生,石井杏奈,清水尋也,富田望生
松竹


「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

2015年/日本/146分
監督:成島出
原作:宮部みゆき
出演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生
青春度★★★★☆
満足度★★★.5

ソロモンの偽証 前篇・事件

2015年11月01日 | 映画(さ行)
凛とした少女の眼差しで



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宮部みゆき作品の映画化。
私は読んでいそうで読んでいなかったという・・・。
単行本も映画もあまりにも宣伝が仰々しかったために、
天邪鬼な私は敬遠していたというのが正直なところですが、
いやいや、意地を張らずにさっさと見ればよかった。
思ったよりも浮ついたところがなく、
グイグイと惹きつけられる力作でした!!



バブル経済の終焉期、1990年12月25日のクリスマスの朝。
中二の藤野涼子(藤野涼子)が、
同じクラスの柏木卓也が屋上から転落死しているのを発見します。
警察の調べでは自殺ということになったのですが、
同校生徒の大出俊次による殺人であると、
犯人を名指しした告発状が届きます。
なんとかうやむやにしようとする学校。
センセーショナルに報道しようとするマスコミ。
そんな中でまた一人の少女の死。
藤野涼子は「偽善者」であることをやめようと決意し、
事の真相を探るため、学校内裁判を開廷することに・・・。



藤野涼子の原動力は単なる正義感ではなく、
かつて柏木卓也からつきつけられた「偽善者」という言葉に、
揺さぶられていたから。
二度と同じ後悔はしない、という真っ直ぐな思いに
突き進む少女がなんともステキです。
そして彼女に賛同していく級友たちや、
心意気あっぱれな北尾先生(松重豊)も!!



前田航基くんの存在には癒やされましたねえ・・・。
なんか彼がいると深刻な場面でも癒やされる・・・。
こんな子がクラスに一人は必要です!
気の毒ではあるけれど、ちょっと危ない感じの森内先生(黒木華)とか、
すごくいい人なんだけど、いい人過ぎて
学校のリーダーには不向きと思わせる校長(小日向文世)・・・
ベテラン陣の配置でぐんと引き締まる。



何にしても一番怖いのはあの心に闇を抱えた少女だし、
逆に天使?とも思えるお人好しの天真爛漫少女の死はショッキングで悲しい。
なんとも後編が楽しみであります。

ソロモンの偽証 前篇・事件 [DVD]
藤野涼子,板垣瑞生,石井杏奈,清水尋也,前田航基
松竹


「ソロモンの偽証 前編・事件」
2015年/日本/121分
監督:成島出
原作:宮部みゆき
出演:藤野涼子、前田航基、佐々木蔵之介、永作博美、黒木華、松重豊

少女の凛々しさ★★★★★
それぞれの個性★★★★☆
満足度★★★★☆