恐れてたんだ!こうなんじゃないかと!!いやいや、予想をはるかに超える最悪の事態になった。
子どもミュージカル公演前日、熱38度です。なんか、熱っぽくて。声がでません。ふらふらです。ぞくぞくと早退を申し出る部員が続出。えっ、おまえも?うそっ、おまえもか?家からも、インフルエンザでした、との電話連絡。そんな、勘弁してくれよ!どうなるんだ、明日?
そして、ついに、致命的な連絡。二日前にダウンした主役の部員、熱下がらず、声は出ず、頭はふらふら。結局、公演前日5時の時点で、欠場者5名が確定。もう、最終決断しかない。子どもミュージカルはできない。キャンセルか?そうはいかない。だって、依頼は障害者施設の年に一度の学園祭なんだもの。東京からも入所者のご家族などたくさんの人たちが楽しみに来てくれることになっている。きっちり組み込まれたスケジュールに穴空けるわけにいかんでしょ。
で、最後の手段!子どもミュージカルの代わりに演歌ショー『夢芝居』でどうでしょうか?おそるおそるのお伺い。結構ですとのご返事にほっと一安堵。でも、時間がねえ、短いんだ、どうする30分の不足分を。
まずは、倒れた二人に代役を立てて急遽稽古。まっ、短いシーンなので、今晩一晩でせりふ入るでしょう。これにダンスを何曲かプラスして、後はMCで引き延ばす。うーん!苦しい。しかし、これしかない。これ以上休むなよと念押しし、解散。
さてさて、今日会場に着いてみたら、ダウン者は5人から8人に激増しているじゃないか!しかも、わざわざ代役立てて稽古したそのシーンの中心役者が今度はアウトだ。ああ、もうダメ!諦めよう!謝っちゃおう!って弱気になったけど、そうなるとコント一つ分まるまる10分は空いてしまう。しかも、踊りの方も一年生だけ二人なんて舞台もできて、これじゃあまりに素寒貧だ。ええい、こうなりゃ勢いだ!三人のシーン全員交代だ。本番まで後1時間半。新たに、おまえ代役やれ!細かい動きどうでもいいから、話しの筋だけ合わせろ!って無茶だよね!無謀だよね!あんまりだよね!
でも、これが嫌なんて言わず、無理!なんて首振らず、やっちゃうものね。凄い!三年生の心意気だね。自信だね。
本番は、とちったっていい、かんだっていい、間空いたっていい、ともかくつなげてくれ!そんな願いも心配もまったく不要。この、三人すべて代役のシーン、見事やり遂げちまったからね。なんか本役よりも元気あっていいくらい?いやそれは言い過ぎだけど。でも、たいしたものだった。向こうの園長さんからも、とってもユニークな生徒さんですね、なんてお目にとまってしまったくらいだもの。
と言うことで、ぎりぎり引っ張り、延ばした1時間10分。これにダンスを二曲プラスして、さらに10分。踊り終えたら盛大なアンコール!初めての経験に気をよくしてもう一曲はウォンビーロング。無事1時間半の舞台に仕上がった。
結果的に、この会場では、子どもミュージカルより演歌ショーで良かったようだ。1時間15分もストーリー追ってもらうのちょっと無理のようだったから。フィナーレの『お祭りマンボ』なんて手拍子に包まれておお盛り上がりだった。立ち上がって一緒に踊り出す園生もいたしね。とってもいい雰囲気だった。
それにして、こんな綱渡り、もうたくさん!もう、勘弁!!レパートリーが二つあって本当によかった。それと、ささっと、代役つとまる部員たちの度胸と力にまこと感心!改めて、高校生の偉大さに、参った!!今日の公演もさまざま発見のあった素敵な半日だった。