田んぼと畑に堆肥宅配便が届いた。トラックに乗せる堆肥運搬用コンテナの修理で遅くなった、ってお詫び。いえいえ、連休中に届けてもらえば御の字てもんだよ。世間が旅だ遊びだって浮き立つ中、ここらの農家はみんな田んぼ仕事の真っ盛りだ。東京で役者修行してる卒業生がブログで「ゴールデンウィーク、んなもんクソくらえ!だ」と叫んでいた。彼はアルバイトに追われ、こちらは堆肥撒き、世の中連休だから忙しいって人間もたくさんいるってことだよ。
さっ、キャリー引っ張り出して、いざ、いざ、撒きまするぞ堆肥!まる1日?あるいは2日にわたる肉体労働だ。体力、保てているのか、それとも積年老化の進行か、この作業してみりゃ一発でわかる。
フォークを突き刺し、グイっとすくい上げキャリーの荷台に放り込む。おっ、意外と楽じゃん!よしよし、トレーニングの成果ありってことだな。山盛り積み上げて、田んぼの端に運びキャリーを止めて、ばらまいて歩く。1回の停止で、ほぼ10メートル×5メートルの区画に満遍なく撒き広げて行く。終われば、エンジン始動して次の区画へ。
リコイルスターターのロープをエイっ!と引いて、あちゃちゃ、ロープ切れた!お、おい、そりゃないだろう!こんなこと初めてだぞ。これがなけりゃ、エンジンはかからない。
なーに、構造は簡単さ。カバー外して切れたロープ結わくか、新しいロープを巻き付けりゃいいんだろ、機械屋さん呼ぶほどのことじゃねえさ。えー、まずスパナだな。止めてあるネジ3つを外す。ありゃ、スパナがネジに引っ掛からない!キャリーの本体部分が邪魔してるんだ。いろいろ角度を変えて試みるも、外せたのは上の1個だけ。
さて、どうする?これを外すにゃ前方から突っ込む形のスパナがいるぞ。たしか以前買ったのがあったはず、とまたまた小屋に走り、持ってくるが、サイズが合わない。大きすぎて空回りするばかり。と、なると、買ってくるしかないな。横から差し込むんじゃなくて、前から回せるやつ、何て言うんだ?後で調べたらY型ボックスレンチだってさ。高畠の町まで車走らせてコメリで購入、ロープを付け替える必要もありかと、これも一緒に買って、急ぎ帰宅。
ねっ、これなら楽々回せるだろ。よしっ、カバー外せた。けど、切れたロープの片割れが見つからない?ええーっ、どうなってるの?ここに引っ掛けるのか?何度も試してみるが簡単に外れて、とてもエンジンに初動の勢いを与えるどろこじゃない。うーん、わからんぞ!どうなってんだ?
そうだ、管理機も同じリコイルスターターだった。こっち外してみりゃ構造がわかるに違いない。うん、発想の転換、頭老化しちゃいねえぞ。
はぁ、はぁ、はあ、カバーと思った部分にロープを巻き付けるって仕組みなのね、わかった。さっそく田んぼに取って返してはずしたカバーを裏返せば、
なんだよ、ここにブチ切れロープの片割れ潜んでるじゃないか!了解!リコイルスターターの全機構、解明!新しいロープを取り付けた方が確実なようだけど、ちょっと技術が必要かな?ここは、無精して切れた部分を固く結わいて、なんとかならんか?
簡易結束部分のこぶが邪魔してリコイル部に入らない。余分なロープがだらーっ、みっともねぇ!いいさ、いいさ、エンジンかかりゃいいんだよ。えいやっ、とロープを引いて、おおっ!見事始動!直りましたぜ。やってみるもんだねぇ、なんでも。昔と違って時間はあるんだ、ああだこうだ、試してみることだ。そうそう、金は無いんだしな。
ネジとの格闘、高畠への行き帰り、その他もろもろ合わせて2時間のロス。そろそろ12時近く、昼飯か?そんな、まださっぱり撒いちゃいねえぜ。こりゃ意地でも1枚は終わらせねえと。
結局2時間半かけて、家の前1反歩堆肥散布を終了した。疲れた!本日ノルマ完了!だって、体は使わなかったが頭はたっぷり使い果たしたからね。