ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

手抜きで悪いか!

2017-05-10 10:40:02 | 農業

 肥料撒いて堆肥散らしたら、田んぼのうない方だ。まっ、耕耘とも言うが、田んぼについちゃこの、うなうがよく感じ出てるよな。僕だけの受け止め方かもしれないが、うなう、てのは土の塊をひっくり返すって感じが強くて、とことんさらさらな畑にする、耕す、あるいは耕耘とは、ニュアンスが違う気がするんだよな。そうなんだ、田んぼは、掘っくり返すだけ、細かく砕いちゃぁ、わかんねえ!こっちの言葉でダメ!ってことなのさ。水の回りが悪くなるから。

 さて、そのうない方の前に、せにゃならぬ大事な仕事がある。畦の補修だ。1年間田を作り、一冬雪の下に埋もれて、畦はネズミ穴でぼろぼろ。畦の土もしまりがなくなって、そのまま水を入れたら、周囲からだだ漏りのざる漏れになっちまう。いっくら丁寧に代を掻いたって、畦からもれちゃぁたまらない。水漏れせぬようしっかり手直しするわけだが、昔は畦塗りと言って、どろどろの田土を鍬で張りつけて壁にした。

 今じゃこんな重労働する人はまったくいない。周囲に畦シートって薄い黒ビニールを敷き込んで水漏れを防ぐと同時に雑草がおがるのを防いでいる。大きな田んぼの場合、トラクターに畦塗り機械ってやつを取り付けて、ぺったんぺったん叩いて畦を作り直して行く。これだと、きれいに仕上がるし楽だし言うこと無しだが、そんな高級アタッチメント、うちみたいな貧農が持っているわけもなし、頼むとすりゃあ、頭も下げにゃならん、金もかかる。そんなのはまっぴらだ。

 じゃ、どうする?田んぼのうない方を始める前に畦にトラクターの前輪を乗せてぐるっと2周回するのさ。トラクターの前部てのはやたら重いからね、これでネズミ穴もつぶれるし、畦の土もしまる。傾きながら走らせるってのはちょっと怖いけどね。それと、何年もやっていると畦がどんどん低くなってくる。畦の高さが水張りの高さより下になると今度はオーバーフローの心配が出てくる。そこは、田んぼの土をスコップを使ってかさ上げしてしのぐ、とまあ、こんな手抜きを続けてもう10年近くになるが、さしたる支障は生じていない。省ける手は大いに省けばいいのさ、周囲の目なんて気にせずに。

 もちろん、これだけで水漏れを防止できるわけはない。我が家の場合、畦波シートってやつをぐるりと差し込んで畦からの水漏出を防いでいる。このシート差し込みてのが一苦労なんだが、そいつは代掻き後の重労働だ。まずはうない方。作業は一つ一つ、やっつけていくしかないってことよ。

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