大根34本、引っこ抜いて、畑の根菜類はみんな収穫完了だぁ。残すは、ラストスパート、最後のおがり(成長)に期待をかける白菜、キャベツと山形青菜だけだぜ。ふー、ここまで来たか!
大根ってやつは、図体でけえが、育ちはいたって素直なんだ。葉っぱの付け根掴んて、エイっ!の一言で、へへぇぇ、参りましてございます、とお縄に着く。ニンジンも同様、すんなりするり、抵抗など一切なく地上に全身を表す。
ところがだ。牛蒡となると、こいつ、姿形はスリムで、いかにも華奢で柔わだが、収穫となると、頑強に不服従を貫く。傷つけぬよう、注意して周囲を1尺以上掘り下げても、一向に先端部分は現れぬ。さらに1掘り、2掘り、おっと、固い心土にぶつかった。どうだ、これなら?40センチ。根の首を引っ掴んでぐっぐと力をこめる。が、ミリとも動かぬ。さらに両手でどうぁぁぁぁ!揺すってみるも、まったく動じる気配なし。なんと、強情な奴じゃ。たかだか直径2センチの根に、これほどの頑なさが宿っているのだ!さらに、一掘り、向かい側からも、掘る、掘る、掘る。まだかぁぁぁぁ?まだ、先端は現れぬかぁぁぁ?
ええいっ、小癪な!どうせ土に隠れた部分など大したものではないわ、いらん、いらん!そんな性悪の先っぽなど、だれが食うものか。どうせ、筋っぽくて味もえぐいに決まってる。いや、そう決めた、俺が。ざくっと一刺しし、スコップの先端をグイと持ち上げる。牛蒡めたまらず、途中で折れた。
もう、いい。これで、いい!これ多分、全体の4/5はあるさ。いや、9/10か?いや、それは身勝手な判断だが、先に行けば細くなるわけだし、50センチが手に入れば御の字というものだ。最後まで掘り上げるとのこだわりを捨てれば後は早い。ぽきぽき折りながらすべて収穫を終えた。ふー、手間取らせやがって。
同じ悩みは長芋でだ。去年は手のひら形の山芋植えて、なかなかの豊作だったから、これはいけるぜ!って調子に乗ったものなぁ。長芋だってなんとかなんじゃね?と、欲をかいたのが、今日の不幸を招いた元凶だ。牛蒡と同じ、いや、違う。長芋の奴は、およそ根性なしなんだ。ちょっとスコップの刃が当たっても、いてててて!と、か弱い女の子装って折れやがる。あたった、と思ってスコップさらに入れれば、ぱきっと切断。ばらばら死体の掘り起こし作業になっちまった。
今日の気づき!気短か男にゃ牛蒡や長芋は、無理!
だが、待てよ。長芋じゃなく手のひら芋なら行けるんじゃないか?牛蒡にも短い品種がうるらしいぞ。そうか、まず今年はこの折れた牛蒡とぶち切れの長芋で我慢して、来年を待つとするか。