ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

見たことあるぞ!この舞台『東おんなに京おんな』

2017-11-24 08:35:11 | 劇評

 ありゃ、なんじゃこの装置、懐かしい!菜の花座の舞台みてえじゃねえか。マンションのリビング、周囲は切り揃えたように9尺高のパネルで囲まれてる。なんか芸がないなぁ、今時こんなリアルってありかい?まっ、凹凸はあって奥にキッチンがカウンター?越しに覗けるとか、上に上がる階段、うん?マンションで2階あり?が見えてたり、ベランダに通じるサッシ戸が設けられていたり、さすがに菜の花座ごときレベルは超えてるんだが、うーん、プロとしちゃどうか?もっと圧倒して欲しいし、驚かせてくれよ。

 プロとしてってことでこれまた既視感があったのは、役者二人がけっこうセリフ、カミカミだったこと。ほれ、菜の花座やシニアじゃおなじみの光景だ。ここまでとちってるのってプロの舞台じゃ初めてだな。一緒に見てたシニア連中が、あっ、プロであれならシニアだってカミカミOKなんだぁ、って、それ違うから。困るぜ、プロが悪い見本見せてくれちゃ。

 見たことあるある感の頂点は、2本の電話、元夫と義母の浮気相手、に同時に出て、あっちと話し、こっちに怒鳴るってシーン。これ、書いてんのよねぇ、僕も。独り芝居で。憧れの男性ともう飽き飽きして別れたい男と二人から同時に電話、携帯と家電がかかって、こっちにぶりっ子、こっちに冷たい女で話す、そのうちに混乱するって設定。大まかに言ってほぼ同じ。『東おんなに京おんな』じゃ、相手二人はどっちも身勝手な不倫男、二つの電話に怒りをぶつけるうちに激高して本音を叩きつけるって、組み立ては悪くなかった。でも、義母の浮気相手はともかく、元夫とはいつでも連絡取れるのだから、どうしてもここで切るわけにいかないって必然性はちょい不足。無理やり感はあったなぁ。その点、僕の芝居は、・・・おっと、自慢すんじゃねえよ。

 話の筋も、夫の不倫が許せず離婚した女のところに、やはり不倫された?夫の母親が飛び込んできて奇妙な同居生活が始まるってもの。二人の気質は正反対、ぶつかり合う二人がいつの間にか、女二人通じ合って行くってものだ。まっ、見えてるちゃ見えてるんだ、先が。不倫したのは義父ではなくて義母の方だった、とか、元妻は分かれた夫に未練を感じているとか、ここらも、多分、だろうなって、悪慣れしてる客にゃ察しがつくのさ。

 それと、タイトルの『東おんなに京おんな』、これ完全にフェイクだから。義母の方は、言葉も行動も完全に大阪のおばちゃんだし、女の方は、地方出の優等生?あっ、もしかして、東、てのは、東北ってことかい?なんて突っ込みたくなるくらい、東風じゃない。て、言うか、東おんなって今時共通イメージ成り立つんかい?

 ほんじゃ、先々見通せて飽きて眠ってたか?ってえと、そうでもない。けっこう楽しませてもらった。義母のキャラクターを示すエピソード、同じ階の住人とたった3日で近しくなる、とか、街のお祭りにくり出すとか、よく出来ていて大いに笑いを誘ったし、釣りを上手に使いこなして、ラストも心温まる情景を見せてくれた。演出もややどぎつくて、これも僕の好みだったし、て、言うか、なんかおめえの演出ってこんなだぜ、って見せつけられてるようで、ちょい恥ずかしかったけど。

 それにしても、客、入らんなぁ!またまた、200以下だぜ。こういうじっくりと対話で見せる舞台って、時代遅れなんだろうかねぇ。観客の高齢化も不安だなぁ。テレビや映画、さらにはゲームの世界じゃ、もっと刺激的でスピード感あふれるものが当たり前になっちまってるからなぁ、若い奴らにゃ、言葉のやりとりなんてまどろっこしいのかもしれない。でもなぁ、人間のリアルって、言葉のやり取り、心の機微の通わせ合いなんだからさぁ。

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2 コメント

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勝新の舞台でも (指田文夫)
2022-08-10 07:44:20
同じ題名の劇がありました。
相当にひどい劇で、彼がアドリブで演じているところもあり、いつまで経っても終わりそうもないので、途中で終わりでした。
最後は、彼が出てきて一人で歌って終わりでした。
前に、CSで見て、こういう芝居だったのかと思いました。
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ありそうな・・・ (taowatarukaze)
2022-08-10 17:02:47
このタイトル、このテーマ、有りそうですね、他にも。どうしても門切り型になってしまいそうです。
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