ともかく終わった!田植え、実は全然終わっちゃいない。ただ、田植え機で満遍なく走り終えた、ってだけのこと。お後にどんな惨状が広がっているか、なんてことは敢えて振り返らない。まずは、終わった!まずは、良かった!で昨日は切り上げた。
見るまでもないことなんだ。わかってる。きちんと田んぼに植えこまれず、田植え機からぽとんぽとんと落とされただけの苗がずらーっと連なってるってこと。あるいは、植え爪で差し込まれたものの、浅すぎて辛うじて土に乗ってゆらゆらしてる苗たちも多いことを。
そんな置き去り苗たちをしっかりと田んぼに差し込んで自立を促してやらにゃいかん。これって、捕植って言うか?まっ、手助けして植わるの補ってやるわけだから、やっぱり捕植か。欠けた箇所に新たに植えるって作業ないわけじゃないからな。でも、今年の苗作りは今までにない上出来だったから、欠株はずいぶん少ない。たまにぽつりぽつりと空いているだけだ。大変じゃあるが、なんとか1日で済ませてしまいたい。よしっ、頑張るぞ!
なのに、朝から、どしゃ降り。ずぶぬれになってでもするか?そりゃちょっと勘弁だ。だらだらと天気待ちしてたら、おおっ、上がった。小雨だけど、こんなもんは雨とは見なさぬ。さっ、覚悟を決めて田んぼに出よう。
我が家では一番広い田、ここにはモチとヒトメボレが植わっている。端っこの8列が満月モチ、間違ってヒトメボレ苗で捕植しないよう、何度も何度も列を、8列な、8列と確認しながら植える、いや、立てる。畦沿いに1列、ほぼ完全にお寝んね状態。ずっと腰を屈めたまま20メートルを直進。田植え機を回転させた箇所はまっさらなので、そこは持ち込んだ苗を植える。
続いてヒトメボレ。ここも寝たまんまがすくなくないが、深植えし過ぎて完全に水没している苗列も多い。田植え機、フロートが曲がって傾いてたからな、どうしても右側1列は深く差し込まれちまうんだ。って、機械のせいにしたが、代掻きが下手で田面が均一になってないってことも大きな理由だ。他の箇所じゃ土が現れるほど浅いのに、深い所じゃ水深5cm近くあったりするんだもの、穂先まで沈んでて当然だ。面倒この上ないが、溺れている株を1本1本引っ張り出してやる。こんなことやってるの、日本中で俺くらいのもんだろな。水没したままにしておくと、活着する前に腐ってしまうから仕方ない。
寝てるものを起こし、ゆらゆらするやつを差し込み、溺れてるのを引っ張り出し、なんてほぼ全部の株に手を掛けてるようなもんだ。まったく、これって捕植か?それでも、以前のおんぼろ田植え機の時よりもはるかにましなんだ。あの頃は、すぐに苗が詰まって欠所があちこち、止まらぬ機械から勝手に溢れ出た苗が山盛り、それを拾っては植え、ほとんど手植え作業だった。
腰を屈めつつ前進、立ち上がって周囲を見回しつつさらに進んで負傷苗を救護、昼食挟んで4時過ぎにこの難物1枚を完了できた。コシヒカリの田は神さんが昨日の夕方から頑張ってくれたから、残りは中くらいの番屋(地主さんの屋号)1枚コシヒカリ、二人で一気に終わらせた。
最初の除草機押しまで10日間、田んぼの仕事は水の管理だけ。ちょっとは楽できる、なんてことはあり得ない!恵みの雨は、雑草の強力な援軍でもある。一気に草、草、草との戦いの日々の始まりだ。