苦しみの玄義 第5玄義黙想
2020年9月5日(初土)御聖体降福式にて
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父
『苦しみの玄義 第5玄義:この一連を捧げて、主が十字架に釘付けにせられ、死し給いたるを黙想し、聖母の御取り次ぎによりて、救霊の恵みを乞い願わん。』
御聖体の内に真に在しまし給うイエズス様の聖心の御前で、初土の信心を行ないましょう。マリア様に対して犯される、汚れなき御心に対して犯される罪を償う為に、ロザリオの15の玄義の1つを黙想致しましょう。
特に9月の初土曜日ですから、9月にはイエズス様の十字架の称讃、聖母の七つの御悲しみの祝日をふまえて、苦しみの玄義の第5、「主が十字架に付けられ給う、そして私たちの為に死し給う」玄義を黙想致しましょう。
つい最近アメリカでは、左翼の暴徒によって、色々な歴史的な像が壊されたのみならず、それは時として、教会でマリア様やイエズス様の御像さえも破壊され、壊されたり、乱暴な扱いを色々な所で受けました。教会は火を付けられて放火されたり、フランスでも同様です。
フランスでは、イスラム教のマホメットを少しでも悪く言うだけで大きな騒ぎがありますが、しかしその反面、教会では天主の御母の御像や、私たちの為に人となられたイエズス様の御像が壊されたり、侮辱を受けたりしています。それに対して何もなされていません。
この十字架の元に佇むマリア様、十字架に付けられたイエズス様を黙想致しましょう。
十字架の上に付けられるイエズスの聖心、人類に大きく開かれようとするイエズス様の聖心、そこから御血と御水を流して、私たちを浄めようとする聖心。
御恵みを、無限の功徳を、イエズス様と共に、イエズス様を御捧げしながら、十字架の元で立ち留まりながら、イエズス様の聖心と共に、無限の功徳を勝ち得て、共償者となられた聖母マリア。
二人の御心は、天主聖父の御旨を果たそうという愛から、人類を救いたい、天国に導きたい、罪の赦しを得たい、永遠の地獄の火から守りたい、幸せを、本当の幸せを与えたい、その為に、どのような苦しみも厭わない、愛の炎で燃えておられました。
イエズス様の聖心とマリア様の御心は、私たちの心も「真似するように」と招いておられます。その招きに応じる事ができるように、たくさんの御恵みを与え続けておられます。多くの霊魂を救う事ができるように、悲しみから救う事ができるように、苦しみから救い出す事ができるように、私たちを使おうと、私たちに呼びかけておられます。
イエズス様とマリア様と共に、この世の贖いと救いの為に、共に力を尽くし、遂には共に永遠の勝利を分かち合う事を望まれておられます。私たちは御聖体の前で招かれました。
イエズス様とマリア様の無限の功徳によって、罪人の回心を乞い願いましょう。
罪を犯そうとしていた人が、天主の御旨よりも、天主の掟よりも、自分の望みを果たしたいと思っていた人々が、それを放棄して、天主の為に十字架を捧げる事ができますように、天主の御旨に従う為に、十字架のいけにえを捧げる事ができる勇気を持つ事ができますように。
イエズス様の十字架の元には、本当の幸せと、安らぎと、良心の喜びがあります。
それを離れたところでは、たとえ自分の思い通りにやっていても、自分の欲望を果てしなく満たそうとしていたとしても、虚しさと、孤独と、不幸と、悲しみがいつも付きまといます。
御聖体の内に真に在し給うイエズス様の聖心、御身を愛する為に、日々の祈りと十字架を御捧げする事ができるように、助けて下さい。