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【ブラントミュラー枢機卿 バーク枢機卿 イニゲス枢機卿 サラ枢機卿 陳日君枢機卿】教皇フランシスコに提出された「Dubia」(質問)に関するキリストの信者への告知

2023年10月24日 | カトリック・ニュースなど

【参考資料】教皇フランシスコに提出された「Dubia」(質問)に関するキリストの信者への告知

Notification to Christ’s Faithful (can. 212 § 3) Regarding Dubia Submitted to Pope Francis

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教皇フランシスコに提出された「Dubia」(質問)に関するキリストの信者への告知(教会法212条3項)

キリストにおける兄弟姉妹の皆さま、

私たち聖なる枢機卿会のメンバーは、「教会の善益に関し、自己の意見を教会の牧者に表明する」(教会法212条3項)全信徒の義務に従って、また何よりもまして「個別的に…特に普遍教会の日常的な関心事について、ローマ教皇を援助する」(教会法349条)べきである、枢機卿の責任に従って、次の司教シノドス――これは、教会の不変の教理と規律に公然と反しており、信徒やその他の善意の人々の間に大きな混乱と誤謬への転落をこれまで生み出しましたし、また生み出し続けています――の挙行に関わる高い地位にある高位聖職者のさまざまな宣言を考慮して、ローマ教皇に深い懸念を表明しました。

2023年7月10日付の私たちの書簡によって、私たちは、教会の教理と規律を「responsa」(回答)によって明らかにする機会を長上に提供するために、長上への「dubia」(複数の質問)の提出という実績ある慣行を用いて、教皇フランシスコに五つの「dubia」(下の部分を参照)を提出しました。教皇フランシスコは、2023年7月11日付の書簡によって、私たちの書簡に回答されました。

教皇の書簡を読むと、これは「Responsa ad dubia」(質問に対する回答)の慣例に従っておらず、私たちは、教会の永代にわたる教理と規律に基づく明確な回答を引き出すために、「dubia」を再作成しました。2023年8月21日付の書簡によって、私たちはローマ教皇に再作成した「dubia」(日本語訳)を提出しました。現在までのところ、私たちは再作成された「dubia」に対する回答を受け取っていません。

「dubia」のテーマの重大性、特に司教シノドスの総会が間近に迫っていることを考慮すると、私たちは、信徒の皆さんにお知らせすることが私たちの義務であると判断します(教会法212条3項)。それは、皆さんが、混乱、誤謬、落胆に陥ることなく、むしろ、福音がこれまで以上に明確に教えられ、これまで以上に忠実に守られるよう、普遍教会、特にローマ教皇のために祈ることができるようにするためです。

キリストにおいて、
ヴァルター・ブラントミュラー枢機卿
レイモンド・レオ・バーク枢機卿
フアン・サンドヴァル・イニゲス枢機卿
ロベール・サラ枢機卿
ジョゼフ陳日君枢機卿

2023年10月2日、ローマにて

同封物:2

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「質問事項」(DUBIA)

1 文化的・人類学的な流行の変化に応じて天主の啓示を再解釈すべきだという主張についての質問(Dubium)。

数人の司教の発言は訂正も撤回もされていませんが、私たちは次のことを問います。教会において、天主の啓示は私たちの時代の文化的変化と、この変化が促す新しい人間学的展望に従って再解釈されるべきなのでしょうか、それとも、天主の啓示は永遠に拘束力を持ち、不変であり、それゆえ、矛盾してはならないものなのでしょうか。第二バチカン公会議の宣言に従えば、啓示を垂れる天主に「信仰の服従」(「啓示憲章」[Dei Verbum]5条)をするのが当然であること、また、すべての人の救いのために啓示されたものは「完全に、代々にわたって」生き生きと留まらなければならず、かつ「あらゆる世代に伝達され」(7条)なければならないこと、また、信仰は「永久に一度だけ伝えられ」(8条)ているがゆえに、【信仰に関する】理解の進歩は、事や言葉の真理のいかなる変化も意味しないこと、また、教導権は天主の言葉に優越するものではなく、伝えられてきたものだけを教えること(10条)を述べています。


2 いま広がっている同性の結合を祝福することが、啓示および教導権と一致するとされる主張(カトリック教会のカテキズム2357条)についての質問(Dubium)。

聖書で確認された、天主の啓示――これを教会は「天主の命令と聖霊の援助によって、…天主の言葉を敬虔に聞き、聖く保存し、忠実に説明する」(「啓示憲章」10条)のですが――によると、「初めに」天主は人をご自身の像にしたがって創造され、男と女を創造され、彼らが増えるように祝福されました(創世記1章27-28節参照)。このことについて使徒パウロが教えているのは、性別を否定することは創造主を否定することの結果であること(ローマ1章24-32節)です。そこでこう問います。教会は、啓示された教理を裏切ることなく、この「原理」から逸脱し、「真理の輝き」103条が教えたことに反して、それを単なる理想とみなし、"同性の結合"のような客観的に罪深い状況を「可能な善」として受け入れることができるでしょうか?

3 シノダリティーは「教会の構成要素」(使徒的憲章「エピスコパーリス・コムーニオ」[Episcopalis Communio]6条)であり、教会はその本質からしてシノドス的であるという主張についての質問(Dubium)。

司教シノドスは司教団を代表するものではなく教皇の諮問機関に過ぎない――何故なら司教たちは信仰の証人として、真理の告白を委任することはできないからです――ことを考えて、私たちは次のことを問います。シノダリティーは、教会の創立者【イエズス・キリスト】が意志した教会の構成秩序を歪めることなく、教会の永続する統治における最高の規定基準でありうるのでしょうか。主の意志によれば、教会の最高かつ完全な権威は、教皇がその職責の力によって、また、その長であるローマ教皇とともにある司教団によって、行使され(「教会憲章」22条)ます

4 「教会の神学は変わった」、したがって女性に司祭叙階を授けることができるという説を牧者や神学者が支持していることについての質問(Dubium)。

第二バチカン公会議によって教会の神学とミサの意味が変わったとする、訂正も撤回もされていない一部の高位聖職者の発言の後で、第二バチカン公会議の次の発言がまだ有効であるのか否かを問います。すなわち、(信徒の共通司祭職と役務的または位階的司祭職が)本質的に異なるものであって、程度においてのみ異なるものではない」(「教会憲章」10条)、また、「いけにえをささげ、罪を赦すという叙階の聖なる権能」(「プレスビテロールム・オルディニス」[Presbyterorum Ordinis]2条)の力により、司祭は、仲介者キリストの名とそのペルソナにおいて行動し、キリストを通して、信徒の霊的犠牲が完全なものとされる、ということの有効性です。

さらに問うべきことは、聖ヨハネ・パウロ二世の使徒的書簡「オルディナーチオ・サチェルドターリス」(Ordinatio Sacerdotalis)の教えは、女性に司祭叙階を授けることは不可能であることを決定的に保持すべき真理として教えていますが、これはまだ有効であるのでしょうか。なお有効ならば、この教えはもはや変更されることなく、司牧者や神学者の自由な議論の対象でもありません。

5 「赦しを得るのは人間の権利である」という声明と、告解の秘跡で痛悔が必要な条件ではなく【司祭は告解で無条件に】すべての人に常に赦しを与える義務があるとする教皇の主張についての質問(Dubium)。

トリエント公会議の教えによれば、もう罪を犯さないという意向をもって犯した罪を憎むことからなる悔悛者の痛悔(第十四総会第四章:DH1676)が、秘跡としての告解が有効であるために必要です。この条件が満たされていないことが明らかな場合、司祭は赦しを延期しなければならないと、トリエント公会議は教えています。ここで私たちの質問はこれです。このトリエント公会議の教えは、今でも有効であるのでしょうか。

2023年7月10日、バチカン市にて

Walter Card. BRANDMÜLLER           Raymond Leo Card. BURKE
Juan Card. SANDOVAL ÍÑIGUEZ        Robert Card. SARAH
Joseph Card. ZEN ZE-KIUN, S.D.B.

ヴァルター・ブラントミュラー枢機卿   レイモンド・レオ・バーク枢機卿
フアン・サンドヴァル・イニゲス枢機卿  ロベール・サラ枢機卿
ジョゼフ陳日君枢機卿(サレジオ会)



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