2020年4月4日(初土)御受難の主日後の土曜日のミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教
聖母の汚れなき御心聖堂にようこそ。
今日は2020年4月4日、御受難の主日の後の土曜日のミサをしております。
今日は初土曜日ですから、このミサの直後に、初土の信心を御聖体の前で致しましょう。短い御聖体降福式があります。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
愛する兄弟の皆さん、今日福音で、ユダヤの人々がイエズス・キリストを、「ダヴィドの子にホザンナ!」そして枝を持って、王として迎え受ける様子が読まれました。
ラザロを死者から復活させた事、それによって大奇跡を行ない、多くのユダヤ人たちが、イエズス・キリストを「真のメシアだ」と信じた事、そして旧約の預言をまた1つ成就させながら、エルサレム中が、イエズス・キリストを、「王だ!」として、歓迎して受け入れた事。
これを以って、イエズス・キリストの殺害の計画は、ますます本物になっていきます。
イエズス・キリストは、真に王です。それは大天使聖ガブリエルがマリア様に預言された通りです、「ダヴィドの座を、王座を、永遠に、永久に支配する。」
ちょうどイエズス様がお生まれになった時に、3人の博士がはるばる、異邦人を代表して、東の国からやって来て、イエズス・キリストに王として、そして救い主として、真の天主として、礼拝と讃美とを捧げました。
こんどは、イエズス様の御死去の直前、天主の御摂理によって、イエズス様は全ユダヤから、ユダヤ中から、エルサレムに集まって来た、過越の為に集まって来たユダヤ人たちから、王として大歓迎を受け、預言を成就させるべきでした。
イエズス様は弟子たちに命令して、雌ロバと、そしてその子供、子ロバを持って来させます。
教父たちによると、「雌ロバ」はもちろん、長い間、人の軛の下に働いた動物で、「ユダヤ人」を表しています。また生まれたばかりの、何の軛(くびき)を受けていないこの「子ロバ」は、「異邦人」の象徴でした。
イエズス様は、この「異邦人」を象徴するこのロバに、誰も乗った事のないこのロバの上に、王としてお乗りになります。
その軛は布であり、服であり、とても優しいものでした。イエズス様の軛は軽く、そして快いものであるからです。この子ロバは何と幸せなロバでしょうか。
イエズス様は、真の王として明日宣言されます。たとえこの事によって、イエズス・キリストの死を決定的になすものとされようと。
ポンシオ・ピラトは、ローマ権威を以って、イエズス様を宣言しました、「ナザレトのイエズス、ユダヤの王」と。
私たちもこれを宣言します。イエズス・キリストこそ、私たちの真の王、全ての人々の王、私たちの心と、そして知性と、そして愛と、全てを支配する王。
この私たちも、このユダヤの子たちと心を合わせて、イエズス様を王として宣言する事ができますように、いつも、終わりなく、宣言する事ができますように。
真の王イエズス・キリストを、私たちも王として迎え入れましょう。
特にマリア様に、その御恵みを乞い求めましょう。
「ダヴィドの子にホザンナ!」
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。