聖体は至聖なる秘跡である
礼拝 聖体は、ホスチアの陰に、実際に、真実に、実体的においでになる天主にして人なる私たちの主イエズス・キリストである。
ホスチアの中においでになる主の神性を礼拝しよう。聖体は天主である。限りなく完全な霊、天地の創造主、万物の支配者である。
聖体の中においでになる主の人性を礼拝しよう。主のご肉身、御血、聖心、ご霊魂を礼拝しよう。
聖体の中に主が人としてまことに生きておいでになることを確信しよう。主は単に記念あるいは象徴としておいでになるのではなく、ペルソナ的にまことにおいでになる。
主が、あなたの天主、あなたの救い主、あなたの目的、あなたのいっさいであることを告白しよう。そしてあなたが主の被造物、主の従者、主のしもべであることを認めよう。ベトレヘムでのマリアとヨゼフとにならって、また天にある天使らにならって主を礼拝しよう。主の実在を信じ、主の権力に服し、主のみ旨に自己をゆだねることを約束し、自己を全く主にささげ、永久に主に忠実であり主を愛することを誓わねばならない。
感謝 聖体はあなたにとって限りないあわれみの主である。聖体はあなたの大恩人であって、あなたはすべてのたまものを聖体から受けている。あなたが悪魔の手のとりことならないように、また少しの危害も受けないように、あなたを守りたもうのは主である。主はあなたを愛し、あなたを守護し、あなたが主を愛さないときにも、無数の恩恵をあなたに与えつづけてくださる。ああ主の慈愛のいかに深いことよ。
聖体は、あなたのために生まれ、あなたのためにおなくなりになった救い主である。主が聖体をお定めになったのは、主のご生涯とご死去との功徳と効果とをすべてあなたに与えられるためであった。主は聖体の中において、へりくだられ、また必ずお受けになる迫害もいとわず、この方法によってあなたのもとに来られ、あなたに御身を与えて、どのようにあなたをいつくしみになっているかをお示しになったのである。
主に感謝しよう。ご慈愛を祝福し、聖体の中で、あなたにすべてを与えられたことを感謝しよう。いとも熱き愛のほのおに焼きつくされた聖心、あなたのために開かれた聖心を仰いで、聖母、聖ヨゼフ、天国の天使聖人らといっしょに主を愛し、主に感謝しよう。
償い 聖体はいとも恐るべき御稜威の主にましますと同時に、また愛すべき御あわれみの主である。まことに聖にして聖そのものにまします主のみ前にひれ伏し、あなたが罪と汚れに満ち満ちていることをけんそんに告白しよう。主に対する愛のために、過去の罪科をすべて忌み嫌おう。また、罪の償いとして日々の労働と、苦痛と、わずらいとをおささげしよう。
イエズスは償いの供物として、聖体の中においでになり、カルワリオ山上の犠牲を継続し、ミサ聖祭をもってその功徳を全世界に分けてくださる。だから、この祭りをあなたとあなたの家族とあなたの同胞との罪のためにささげ、あらゆる罪人のために祈ろう。
主はこのようにあわれみに満ちておられるのに、聖体の中にあってどのようにそむかれ、あなどられていられるだろうか。いかなる汚聖が現在実際に行なわれているだろうか。あなたはすべてこれらの事がらを思い出して、傷つけられた主の聖心を慰めるために心のかぎり主をお愛ししなければならない。主のみそばにいて、主をお愛し申しあげることを告げよう。
しかし、主に対する人間の忘恩を少しでも少なくするため、なによりもまず第一に、かりにどんなに軽い小罪であっても、罪であることを知っているかぎり決してこれを犯さないと決心し、このことを主に約束しよう。そして、カルワリオ山で聖母がおしのぎになった御悲しみを主にささげ、また主の祭壇が人々から忘れられていることを嘆く天使らに、心を合わせるようにしよう。
祈願 聖体はお恵みに富み、御あわれみに豊かな主である。だからあなたは聖体に向かって、あらゆる善の源なる最善の父に向かうようにふるまうのである。主は、ひたすらあなたを愛しておられるから、あなたを造り、あなたを守って、いつでも必要な助けを与えようとその機会を待っておいでになる。そしてあなたの肉体についても、また霊魂についても、精神についても、あなたについても、またあなたの親しい者についても、いっさいをあなたのためにはからい、万事についていとも尊い配慮をめぐらされる。なぜなら、主はあなたの永遠の救霊のために流された尊い御血をお思いになられるからである。
これをもってイエズスを通じて、またイエズスのみ名によって天主に祈ろう。祭壇の上においでになる主は天主と人との仲介者、天主のみ前にあなたのために祈りたもう弁護者にてましますのである。
次に善をなしつつガリレアの地を行きめぐり、すべての悩む者をお恵みになった主の聖心に御あわれみを願い、信仰をもって熱心に祈ろう。あなた自身は、きょうから恩恵の御助けによって救霊を全うするために力を惜しまないことを約束し、その実行をまじめに計画しよう。まことの祈りとはこのようなものである。
あなたの愛している者、および、あなたの祈らなければならない人々のためにも、熱心に主の御慈悲を願おう。煉獄にいる霊魂も忘れないように。イエズスをあがめ、イエズスを慰めるために主にささげた尊い一時間の終わりには、あなたは必ず主の聖心に対して大いなる力をもつようになるであろう。
最後に聖時間の免償を得るために、教皇のご意向に従い、五度ずつ主禱文と天使祝詞とを唱えよう。そしてひれ伏して主の掩祝を願い、この一時間を主とともに過ごして強められ、あたためられたあなたの霊魂をたいせつに胸にしまって退出しよう。
実行 聖体のみ前に出たときには必ず深い尊敬の念を抱くように。