『古代人類ミステリー(2) インドネシア・謎の小型原人』を見た。
インドネシア、東端の島・フロレス(Flores)島。この孤島で1万8千年前の人骨が発見された。この骨は成人女性のものであるにも関わらず、推定された身長は約1メートル。
この原人と我々の祖先のホモ・サピエンスは、2万年~4万年もの長い間、共存していた可能性がある。ネアンデルタール人滅亡後も、ヒトは孤独ではなかったことになる。
数ヶ月前にNational Geographicで取り上げられていたホモ・フロレシエンシス(フロレス原人)。雑誌で取り上げられていた人物が登場し、詳しく説明してくれてわかりやすかった。
内容としてフロレス原人に好意的(?)な論調で、知能程度、社会生活等思っていたよりずっと高い評価をしていた。発見者の意見に沿ったとは言わないけれど、影響を強く受けた感じ。
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島嶼化という考え方がある。島など他の地域との交流ができない環境におかれると、小さな島では「ウサギより大きな哺乳類」が「小型化」する傾向が知られている。食料が限られているから、捕食動物がいなければ、小さい方が生き残りに有利なためと考えられている。一方で「ウサギより小さな動物」は「大型化」する。エネルギー効率がいいのだ。これまで、人類に島嶼化をあてはめた例はなかった。文化によって淘汰圧を乗り越えるとされてきたのだ。「ウサギより大きな哺乳類」だったフロレス原人(の先祖)は、人類もまた、他の動物と同じ進化の道をたどる可能性を示している。
彼らの脳。ごく初期のヒトと同じくらいの大きさしかないのに、石器類が同じ地層から発見されている。彼らの作であるとすると、脳は小さいけれど、「頭はいい」と言えるのか。
原人が島嶼化により、新しい種と考えられるほど進化した。
番組では原人は話すことができたとしていた。どの程度の言語能力だったのだろう。子孫のフロレス原人は言葉は使えたのだろうか。それとも使えなくなってしまったのか。いずれにしても、どんな方法で石器を作る技術を世代を超えて伝承したのか。興味は尽きない。
ホモ・フロレシエンシスの科学的評価はどれくらいで下るのだろう。できたら、僕が生きている間にお願いしたいな。
第1回放送の感想はこちらです。