イナバウアーはエビ反りの技ではない。
毎日新聞が、荒川静香選手の得意技としているこの技のことを特集していた。
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前のエントリにも書いたが、イナバウアーはいまから半世紀ほど前、西ドイツ(当時)代表のIna Bauer選手が披露したことから名前が付いた。
Ina Bauer選手はご存命で現在65歳。
'57~'59年西ドイツ選手権三連覇。
引退後女優に転身。現在はデュッセルドルフ近郊でジュニアの競技会「イナ・バウアー杯」を開催とのこと。
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元祖イナバウアーは足を前後にずらして、足先を180度に開き横に移動する足技。ジャンプやスピンのつなぎとして使う選手が多く、まず得点にならない。トリノ五輪でも女子2位のサーシャ・コーエン選手(米国)、男子3位のジェフリー・バトル選手(カナダ)らが取り入れたが、荒川選手のイナバウアーが目立ち、あまり気付かれなかった。
…取り入れていたかもしれない。でも、記憶にない。
荒川選手は高校時代、「ただ滑るより、反った方がきれいじゃないかな」と思い、背中を反らせる練習をして、今のように頭が下になる状態まで曲がるようになったそうだ。どこかのTVインタビューで、本人は「調子に乗って背中を反らせたいたらできた。」と、言っていた。
あそこまでいったら独自性が強く見た目も美しいと思ったら、演技全体を評価する「つなぎ」「振り付けの独創性」「スケーティング技術」などの得点がアップしているらしい。そうだろうね。。。
昨日Theater on Iceに荒川選手は出場。演技はオリンピックのエギジビションと同じものだったようだ。観客のインタビューでも、イナバウアーを見に来た人が多かった。
…これが今年の下半期ならば、イナバウアーは間違いなく流行語大賞だ。