こんなばかげたことが許されるか ! ! !
共同ニュースによれば、駒大苫小牧高校の野球部員ら14名が飲酒、喫煙で補導されたそうである。
夏の甲子園で連覇を果たし、今春の選抜大会への出場が決まっている駒大苫小牧高校(北海道苫小牧市)の野球部員を含む14人が市内の居酒屋で飲酒や喫煙をして警察に補導されていたことが2日、分かった。
同校では昨年夏の優勝後にも、当時の野球部長が部員に暴力を振るったことが発覚、部長が解任処分されている。
1日の卒業式の後、野球部員を含む計14人が市内の居酒屋で飲酒、喫煙していた。野球部員の中には昨年夏の優勝のときのベンチ入りメンバー5人もいた。
この件について、日本高校野球連盟の山口雅生事務局長は以下のように述べている。
「北海道高野連からの正式な報告が届き次第、高野連としての対応を決めたい」
【ニュースからわかったこと、感じたこと】
補導されたのは、
①3月1日に卒業式を終えた、駒大苫小牧高校の野球部員ら14名である。
②「野球部員をを含む14人」と言っているのに、野球部だけが部活動名称が表沙汰になっている。
【ニュースに対する疑問】
①昨年の夏の大会、場合によってはその後の国体、までは野球部員として現役選手登録をしていたかもしれないが、少なくとも卒業時後まで野球部員なのか。
②これは、①ともとも関連するが、今春の選抜大会への出場を決めたのは、今回補導された野球部員ではない。
さて、今回のことで以下のことが懸念される。
1.今春の選抜大会の出場を辞退させられるのではないか。
2.野球部関係者が監督不行届などと譴責処分を受けるのではないか。
ここまでは3日午前中にメモをしたことである。
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ここからは、4日に書いたことである。
3日午後から事態は急展開した。
1.駒大苫小牧高校の野球部責任教諭(部長)と監督が辞任。
…校長がこれを受理。
2.校長も辞任を申し出た。
…おそらく学校の法人のしかるべき方へであろう。
3.同校は春の選抜大会出場辞退。
…何で?
3.に関してはおかしいと思う。1.2.についても行き過ぎだ。これは野球部関係者であるからではなく、同校とは何にも関係ない、埼玉県の高等学校教諭の感想である。
まず、高野連の規則では、現役引退後も、卒業式日まで野球部員だそうだ。従って駒大苫小牧高校の「野球部員を含む14人」という表記は間違いではないらしい。まず彼らの行状を考えよう。彼らは不届きである。未成年の分際で、(自宅や友達の家でこそこそ飲酒をしたり喫煙をしたりしていることは、自分の教師としての経験でも、現在の高校生ならかなりあることはわかっている。これだって、法律違反。)堂々と居酒屋なんかで打ち上をするのは、だめである。
法律に違反している。日本は法治国家である。
いいたいことはいろいろあるだろう。世間には君たちよりもず~っとずるく、うまく立ち回っている高校生は山ほどいる。3年間頑張った君たちの努力は称賛に値する。だから、やっちゃったのだろう。でも、法律違反なのである。
判断ミスである。想像力不足である。
未成年の飲酒喫煙については別に社会が許しているわけではない。苦々しく思っていることを知らない、軽視したのは判断ミスだ。ばれないと思ったか、ばれたらどうなるか想像できなかったのだろう。ただ、これは野球部だからできないわけではなく、いまの高校生ならば、困ったことだが、普通である。
これらを大人が注意しないのは、バカな未成年を注意して災いが自分にかかってくるのがいやだからであり、許しているわけではない。やってはダメっぽいのではなく、ダメなのだ。
自分たちは自分たちが思っていた以上に顔がしれていることもわからなかったのかもしれない。ひょっとすると、居酒屋で盛り上がりすぎで他の客とトラブルになったのかもしれない。お店も未成年であればお酒を出したりしてはいけないわけだし、この点について居酒屋の店長が、「(未成年とはわからずに)お酒を出してしまった。申し訳なかった」と言っているように、規則上も、公になったら大人社会の建前上もダメなのである。
大バカもん。
しかしながら、、、、、
バカは誰なのか。責めは誰が負うべきか。
責められるべきは卒業生である野球部員らであって、その責めがどのような形であっても、現在の同校在校生諸君に不利益として降りかかることは断じてあってはいけない。法治国家は基本的には罪刑法治主義である。「個人の責任は個人に」である。
なぜ、現在の生徒がいやな思いをしなければならないのか。
高野連は法治国家の基本線を越えることが許されるはずがない。高野連の規則による処分であれ、現在の生徒諸君に不利益を被らせる権利など高野連にはないはずだ。また、存在そのものが出場辞退をさせるような圧力を感じさせるのであれば気味が悪い。
まず、卒業生の非行であって、現役の学生でもましてや現役の野球部員の非行ではない。これは明確に区分するべきことだ。一度卒業したら、それが、1日前のであろうと、5年10年前であろうと、「卒業生」なのである。
駒大苫小牧高校の野球部責任教師(部長)と監督が辞任。校長がこれを受理したそうであるが、こんなことをして何になるのか。何か解決するか?
校長も辞任を申し出たそうだが、これは殺人事件や交通死亡事故事案なのか?たかが野球ではないか。高校野球が教育の一環との考えもあるがやり過ぎである。一環は所詮一環であり、全部ではない。この学校における野球部のプレゼンスがどの程度かはわからないが、こんなことで校長が辞めるのが当然のようになってはいけないだろう。高野連の存在そのものが校長に辞任を決断させたとしたら、おかしいのではないか。もちろんご本人がいやになっちゃったからやめるのは結構だが、やはりやり過ぎである。
でも、まあ、ここまでは個人の判断である。
3.はどう考えても間違いだ。
文部科学省の見解では、児童生徒は卒業・修了の学年の最終日まではそれぞれ当該学校の児童・生徒である。幼稚園児は卒園の年度末、小学6年生、中学3年生、高校3年生もそれぞれ年度末までは、卒業・修了した学校の児童・生徒である。
確かにそれはそうである。
小中は義務教育であり、在籍がとぎれることは許されない。
中高は義務教育~非義務教育ではあるが、身分保障が続いていないと、やはり不都合が出る。中学卒業後高校入学まで身分無しだと、JRも学割がきかないとか、映画が大人料金だとか世の中が当たり前のように思っていることが実は当たり前でなくなる。
でも、これはあくまでも身分保障をしてあげるための見解であり、社会の優しさである。卒業式の後も高校生であると考えるものがいるか?いないだろう。
卒業後も高校生だから、年度末までは卒業生の非行について、出身校に何らかの管理責任が及ぶのであれば問題である。法律上管理責任があるから責任を負えというのならそれを受けることを厭うわけではない。精神論として母校に迷惑をかけないとか、卒業生に誇りを持ってもらえるように教師が教育活動に勤しむのは当然でもある。だが、100歩、1000歩、10000歩譲っても、何で現在の生徒が不利益を被るのか。
これでは負の連鎖ではないか。
繰り返しになるが、責めを負うべきはバカをやった卒業生であり、現在の生徒ではない。こんなばかげた話はない。人権蹂躙である。駒大苫小牧高校野球部は出場辞退をする必要はない。
高校野球において、野球が技術だけではない。全人格的なものであるとか恐ろしげな意見も聞くが、野球は野球である。そんなことをえらそうに要求できるほど大人も立派ではない。
阿吽の呼吸、落としどころとして出場辞退では、どうしようもないだろう。高野連としても出場を取り消す決定を出して、自分が傷を負わずに済んで大助かりだろう。でも、こんなのおかしい。
なによりも現在の生徒がかわいそうであり、不利益を被らせる権利は誰にもないはずだ。
後輩が迷惑を受けることを知って、バカをやった卒業生に反省をさせるとでも言うのか。冗談ではない。関係ない生徒に責めを負わすな。
非常に不快なことである。