読売新聞に小学校の英語教育の是非が、日教組の教研集会でも論議になったことが取り上げられた。
日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会の外国語教育分科会で、中央教育審議会で検討中の小学校への英語教育の導入を巡り、現場の教師から賛否の声が上がっている。どうも、賛成意見、現状追認意見、反対意見と3派にどうも分かれているようだ。
賛成意見
不慣れな、L1でない英語で自分の考えを相手に伝えようとする努力を重視し、コミュニケーション能力を高めることに通じると考える。
現実追認意見
(大阪の先生) 府内の9割以上の小学校が英語をとり入れている実態を考え、是非を議論する段階はもう過ぎているとの考え。
反対意見
(金沢市の先生) 同市は昨年度から英語教育の構造改革特区に認定された。石川県教組金沢支部のアンケート結果をふまえて、教師にも生徒にも負担が大きく、双方とも疲れ切っていると言う意見。
・「英語を教える補助教員との打ち合わせ時間がない」
・「評価が難しい」
・「十分な授業が出来ない」
効果に懐疑的。
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分科会に参加した別の教員の意見。
「中学入学時点で既に英語が嫌いという子どもが増えた」との意見もあったそうだ。
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増えた増えたと言っても、そもそもいつの、どこのサンプルと比較しているかを述べない限り主観的なイメージととられるだけだ。もちろん教研集会での意見なのだから具体的な調査をしているとは思うが、こんな報道のされ方では発言・発表の信憑性が疑われる。
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現状報告会だからやむを得ないかもしれないが、改善のヒントがいくつか見えている。これを英語学習(授業とは言わないよ)がよりよい方向に向かうヒントとするか、できないいいわけとするかは先生方の考え方に左右される。
「補助教員との打ち合わせ時間がない」ならば、それをもってできない理由にするか、それとも、時間に余裕を持たせるために人を採るのが当たり前だと主張するか。
「評価が難しい」ならば、それをもってできない理由にするか、専門的な研修を受けさせろ。時間をよこせと主張するか。
「十分な授業ができない」ならば、それをもってできない理由にするか、できるように方策を出さない行政の落ち度を攻めるか。
このままでは、忙しい忙しいと言っているだけだととられてしまう。
確かに小学校の先生の勤務状態はまともではない。それを改善しなければ、英語学習どころではないのはわかる。これを世間にわかってもらえる方策をどのようにとるか。それができなければ通常の教育活動にも支障があることをきちんと広報しなければどうにもならないのだ。
どうするべきなのか。このままではおそらく日教組の中だけの意見交換にしかならず、英語教育・英語学習援助にプラスにはならないだろう。