高校生のとき、英語を教えていただいた先生のこと。
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英語の授業で指名され、黒板に変な英文を書くと、先生からこんなコメントが帰ってくる。
「〇〇クンは、大事なコトがわかってない!!!
ドン!
先生が黒板をたたく。
「いいか、諸君、英語は動詞で決まるんだ。
ドン!!
『来るぞ、来るぞ』と、僕たちみんな気がついている。いつものセリフだと。
「動詞をちゃんと使えないぃ、英文わぁ、、
ドン!!!
どうし(動詞)ようもない。
真面目な顔で、その先生は言い放つ。
初めて聞いた時、笑っていいのか、いけないのか、わからなかった。先生は言った。
「ここは笑うところだ、諸君。
こんなこともあった。
「諸君、『東京行きの電車』はFor Tokyoであって、To Tokyoではない。東京のfor(フォー:「ほう」)へ行くからだ。アンダスタン?
確かに覚えやすいのだが、発音面では問題のある教え方だと思う。
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僕は生業として英語教師をしている。気がつくと、先生の話しをしながら、動詞の大切さを話していることがある。もちろん知識豊富で、楽しい授業をしてくれた立派な先生だった。でも、こんな話しの方が、思い出に残っている。先生の姿が、僕の教え方の一部になっている。
不思議な気がする。
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一部フィクションを含みます。