今度の旅行の目的は、この美術館賞と熊野古道で、兵庫県立美術館には初日に行きました。
アムステルダム国立博物館の大規模な改修にあわせて計画されたというこの展覧会は、世界を巡りますが、日本では神戸のみの開催です。
オランダ17世紀絵画の名品と工芸作品93点を8つのテーマに分けて分かりやすく展示してありました。
フェルメールの「恋文」は、過去国内の展覧会で見たフェルメールの絵では8枚目になります。
画面の両端を大きく切り取った部分に手前の部屋を描き、真ん中の3分の1のスペースに開いたドアから奥の部屋を覗く感じで描かれています。
左上から差し込んだ光で、二人の表情と「恋文」の物語の一コマがいっそう際立って見えます。
手紙と背景の絵の海に浮かぶ船がこの絵の謎解きだとか。当時は場面の面白さだけでなく、隠された道徳的なメッセージの意味を解くのも、絵を鑑賞する楽しみだったそうです。
レンブラントの「青年期の自画像」は最も早く描かれた自画像のひとつで、顔面を覆う明暗には、光と影の描写に対する関心がすでに見えています。
髪の毛を絵筆で引っかいた表現には、思わず手で触りたくなるほどのリアルさがありました。
常設展示室では、金山平三、小磯良平、劉生、ロダン・・・など国内外の絵と彫刻が展示され、兵庫県立美術館の収蔵品の秀逸さと多さに驚きました。
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三日目は、 和歌山から、橋本、極楽寺経由で急勾配を一気に高野山へ。標高1000m。木々も空気もさながら霊場にふさわしい厳かさの中で、雨傘をさしての観光になりました。が、高野山には雨のうっとうしさを打ち消す神秘さがありました。
参道のはっとするほどの紅葉に、みんな息を呑み写真の撮りまくり!
世界遺産への年来の希望が叶えられたし、生マグロに舌鼓をうち、よくしゃべり、よく笑った気のおけない仲間との旅でした。