今日、友人からのお誘いで福岡シンフォニーホールの「川畠成道ヴァイオリン・リサイタル」に行ってきました。
数奇な運命をたどった視覚に障害を持つ天才ヴァイオリニストとして、名前は知っていましたが演奏会は初めて。小さな楽器から流れでる「生命の響き」で、観客はまさに魂を洗われる・・・というような素晴らしい演奏でした。
8歳のとき、アメリカ旅行の途中に発熱。そのときの薬害で失明。10歳で父親にバイオリンの手ほどきを受け始め、2年後には日本学生音楽コンクールに入賞。桐朋学園音楽大学卒業後は、英国王立音楽院で学び主席卒業。世界の数々の賞を受け、英国をベースに音楽活動をし、CDの売り上げはトップクラス。
とにかくホームページを見てください。数奇な運命を乗り越えていく意志の強さ、家族一致の協力。恵まれた資質と才能。胸が詰まりながらも、いつの間にかこちらが元気づけられるようなHPです。(写真はホームページよりお借りしました。)
オーケストラの中のヴァイオリンでなく、ソリストの弾くヴァイオリンの甘美な音。超絶ともいえる技巧。詩的で繊細な演奏。そして、アンコール曲にはそれぞれ肉声の解説がつきました。弓の使い方で変わる5通りの演奏法と、それに合わせた編曲で「さくら」が演奏されました。日本の精神性を深くたたえた桜、かわいい桜、華やかな桜、散りゆく桜・・・と、演奏法によってこんなにも違うメロディーになることに、改めて驚き心を打たれました。音楽を愛し、ヴァイオリンを愛し、観客を愛する誠実な人柄までがまっすぐに伝わり、演奏者と観客の距離が近づいたように思います。
来春も、やはり「スプリングツアー」があり、福岡会場も予定されているとのこと。これは絶対に見逃せない。来年が楽しみです。