新聞1ページを使って『総額90億円とも言われる11台のストラディヴァリウスとベルリン・フィルトップメンンバーが集結!』と、記事と写真が出ました。すごい企画があるものだと、一瞬目が点に!!
弦楽器総勢11台、総額にして90億円と言われる人類の文化遺産・ストラディヴァリウスのコンサートです。ヴァイオリン7台、地球上にわずか10台しか存在しないヴィオラが2台、チェロ2台がこのコンサートのために集められたということです。
ベルリン・フィルの事務局から、ストラディヴァリウス奏者として、正式に称号を冠され、これにコントラバスとチェンバロが加わって13名によるアンサンブルです。
こんなすごい企画は一生に一度のチャンスだと思い、真夜中にネットで手配してチケットを手に入れることができました。ベルリン・フィルと名器の組み合わせにしては、安かったのがうれしいです。
「ヴィヴァルディ:二つのチェロのための協奏曲 ト短調」では、最初から独奏チェロやデュエットなど、ストラディヴァリウスのチェロの美しさが、素人の私にもはっきり分かりました。
「バーバー:弦楽のためのアダージョ」は、映画「プラトーン」にも使われた私の好きな曲です。私の葬送曲はこれに変えよう…と決めました。(写真はasahi event web からお借りしました。)
アンコールでは、ステージと観客の距離がぐんと近まりました。日本語を丸暗記したのではなく、自分の言葉として解説しているのがよく伝わり観客は大感激!チャイコフスキー、モーツァルト、そして「これぞストラディヴァリウス」とばかりに、ヴィヴァルディ四季より『夏』第3楽章で、その魅力を存分に味わいました。なるほどストラディヴァリウスには、魂があり感情がある・・・と心から思いました。
珍しく午後のコンサートでしたが、満席に近く、翌日、翌々日は東京公演が詰まっているようです。見逃さなかった素晴らしいチャンスに感謝します。
帰宅した後、手持ちのCDでヴィヴァルディ四季「夏」第3楽章を聴いてみました。CDのときはこれはこれで素晴らしいと思っていたのが、今日のコンサートの後は、とても色あせて聴こえました。やはりストラディヴァリウスは違う!!
付録 ストラディヴァリウスで思い出したことがあるので…。30数年前に、ヴァイオリニストの辻久子さんがご自分の家を売って2500万円ともいわれるストラディヴァリウスを買ったことが話題になりました。千住真理子さんは、手記の中で億ションがいくつか買えるほどのお金でストラディヴァリウスを買ったそうです。諏訪内晶子さんのコンサートもストラディヴァリウスでした。これは日本音楽財団の貸与ですが、名前は「ドルフィン」。ストラディヴァリウスのヴァイオリンの中でも「ドルフィン」と「アラード」と「メシア」が特にすばらしいものだそうです。