関西空港に行く用事ができて好機到来、今開催の「コロー」展を見ることができました。日曜美術館でも解説していたコローの銀灰色のあの「モルトフォンテーヌの想い出」をぜひ見たいと思っていました。
神戸市立博物館は、正面にドリス式の円柱が建つ昭和初期の名建築で、天井は低く部屋も狭いけれど、落ち着いて鑑賞できる美術館です。
19世紀半ばに活躍したコローは、風景を描くことに一生をささげた画家。かたや印象派が台頭する時期でもあります。コローは柔らかい北フランスの光になじむような独自の銀灰色の表現を生み出し、その霧に煙るような抒情的な雰囲気はコローのイメージになっています。
6章にわかれた展示構成はとてもわかりやすく、流れに沿ってコローの画家人生を追いかけているような感じでした。写真は≪モルトフォンテーヌの想い出≫。ほかに≪青い服の婦人≫≪真珠の女≫などコローの油彩78点と、コローの絵と対比して展示されたモネやシスレー、シニャックなど22点があります。展示数100点は絵画鑑賞にちょうどいい数だと思います。
本や画像で見ていた絵と目の当たりに見る絵とがこんなにも印象が違うものかと驚きました。今回のコローの絵で特にその感を強くしました。自然や風景をいとおしみ、それを両手ですくい上げて画面に描いたような描き方です。自然に対する画家の愛情と敬意が伝わってくる細かいタッチと柔らかい色で、やはり本物は素晴らしいと実感しました。
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美術館を出たのがちょうど夕食時。三宮のアーケードを歩きながら目に入ったのが「神戸ミュンヘン大使館」のちょっと風格ある建物。黒ビールが頭をよぎりさっそく入りました。
このビルの地下で、ドイツビールと同じ製法で地ビールを作っているというサッポロビールのお店でした。お勧めの麦芽100%の「神戸大使館ビール」は濃い色のほんとうにおいしいビールでした。黒ビールもしかり!料理のメニューもおいしく、料金もリーズナブルでベストチョイスの夕食でした。(後日パソコンで検索したら、おいしくて結構有名なお店でした。ラッキー!)
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福岡を11時に飛び立った飛行機には、何と懐かしいプロペラが付いていました。まだ今でもあるんですね~。快晴の空をゆっくり飛ぶプロペラ機は、まるで遊覧飛行のように地上がはっきりと手に取るように分かりました。仁徳天皇陵が、今まで見た航空写真のどんなものより素晴らしくはっきりと確認できたのは、この時間のこのプロペラ機のおかげでした。
写真は「巨大古墳見てある記」よりお借りしましたが、眼の奥にある古墳は、驚きも合わせて一番美しい記憶です。仁徳天皇陵の下にちょうど衛星みたいにくっついている古墳があり、それは仁徳天皇の子、履中天皇の陵だとか。
飛行機を降りて気がついた時には、二人とも携帯の電池マークがSOS!あわててショップに飛び込んで充電しました。家できちんと充電してきたはずなのに、なぜなのか未だに「?」です。100円で通話約20分の充電に10分かかります。3時間後には更にもう一度充電するはめになりました。以後ご用心、ご用心!