新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

「彰子」の成長

2024年12月17日 | テレビ番組
入内前から『仰せのままに』としか口を開かなかった中宮彰子。まひろと出会ってから少しずつ自分の心を開くようになります。
内裏の火事がきっかけで天皇と心を通わすと、それからの彰子は意思を持った女性として人格的にも成長していき、見上愛さんの演技が冴えました。三条天皇夫妻の空気感が番組のなかでも大きな存在感を放ちました。 

最終回で道長が亡くなったとき、彰子が弟・関白頼道に放ったひと言と表情に私の心は凍りつきました
頼道から「天皇に側室を」という進言を聞いた彰子は、『他家を外戚としてはならぬ。お上の后も我らが妹、東宮の亡き后も我が妹。東宮には皇子がおられる。それで十分なはず。我が家を守り抜くのだ』と。
道長の横暴を疎んじていた彰子に、まるで道長が乗り移ったような言葉でした。あの彰子がここまで変われるんだ・・・・・。この場面は私の頭の中の永久保存版としてしばらくは消えそうにもありません。見上さんの演技力全開!

資料によれば道長は痛みに苦しみながら悲惨な最期を迎えますが、ドラマではまひろが毎日一節ずつの創作物語を聞かせた美しい終焉になっており、脚本家の力量がしのばれます。

ラストシーンは、再び乙丸を連れて旅に出たまひろ。その側を武士集団が駆け抜ていく・・・・。確実な武士の起こりをひらめかせた場面でした。
いつも大河ドラマの最終回は拍子抜けすることが多いのですが、今回はとても満足しました。

そうそう、藤原行成が廊下で倒れる場面がありましたが、あれは史実で道長とまさに同年同日に亡くなったのです。
道長は政治的にも行成に何度も救われ、道長に心底つき従った行成の偶然の一致に胸がざわつきました。まさにドラマです。

おやつはシュトーレンです。

ブランデーを少しかけると、ぐんと美味しさが増します。



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