難波のOCATの近くに宿を取ったので、翌日は関西空港まで50分足らずで到着。前回来たときは団体ツアー客でごった返していた空港も、サーチャージの高騰や不況のせいか人が少なくなった…というのが実感でした。そんな状況だから、これから米国に赴任する息子とも難なく会えて無事見送ることができました。
そのあとはJRで大阪から金沢へ。降り立った金沢の駅はすっかり様変わりし、それでも城下町らしい落ち着きは残っていました。
加賀百万石の栄華を今に伝える兼六園と金沢城址。途中の茶店でお抹茶をのんだり、噴水のそばで治部そばを食べたり、利家とまつを偲びながらゆっくり散策しました。
そこで思ったのが、この清らかな豊かな水はいったいどこから・・・?小高い丘だから水源はありません。茶店で尋ねると、なんと10キロも離れた犀川の上流から用水路を通って園内に運び、池泉や渓流や滝を作ったのだとか。土地の高低差を利用した噴水には驚かされました。百万石の殿さまは、なんと壮大な計画をしたのでしょう!
前日、園内に1本だけあるサンザシの実が、この冷え込みで真っ赤に色づいたとのニュースを目にしていました。散策の終わりになってやっと発見。初めて見る2センチぐらいの姫リンゴのような形の実でした。
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兼六園に隣接して石川県立美術館があります。リニューアルオープンを記念して、「国宝 土佐日記の世界」が公開されていました。
展示の『土佐日記』は、紀貫之の自筆原本を藤原定家が書写したもので、貫之の自筆本の内容を伝えるものでは現存する最古のものだとか。土佐日記を収めた蒔絵箱は、和歌を極めたからこそできる意匠で、依頼主の藩主の精神性の高さがしのばれました。両方とも国宝です。
「寸松庵色紙」伝紀貫之筆もあり、仮名をする人には垂涎の書でしょう。流れるような筆の貫之と老熟した書風の定家。当時の読み書きのできる人の知的水準の高さを思い知らされました。
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知人から情報を得ていた加賀料理「大名茶屋」はホテルのすぐそばにあり、夕食には念願の会席料理を食べました。地酒「菊姫」は、冷酒でとても美味しいものでした。やはりお米がいいからでしょう。
加賀料理は決して高級料理というわけではなく、地元の食材をおいしく食べるために工夫されてきた郷土料理のようです。ただ、出される器が九谷焼、創作陶器、蒔絵を施した漆器などで、惜しげもなく使われている所がさすが「加賀料理」なんだと思いました。
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金沢駅前のインターネットで取ったホテルで、ツインの部屋が全部詰まっているということで、なんとジュニアスイートに格上げされました!50平米ほどのゆったりした部屋は、もちろん満足度120%!何ともラッキーな旅を演出してくれました