4月に撒いた種から半年、ふーわふわの綿が採れました。
熟してはじけた綿の実をほぐすときは、遠い子供の頃の記憶を呼び起こします。
それは、お祭りの綿あめ屋さん。盥のような金属の入れ物の中で、縁に沿って割り箸をぐるぐる回していくと、お箸の先の綿がどんどん大きく、ふーわふわになっていくのです。
特別に複雑な機械というでもなく、入れ物とベルトで繋がっている足踏みを踏むだけの簡単なものでした。
盃1杯のザラメから、まさに魔法のように紡ぎだされるふわふわの綿あめは、子供の心をときめかすのに十分でした。あの不思議さがちょうどこの綿の実をほぐす感覚に似ており、目を輝かせて見た綿あめの遠い思い出に浸ります。
綿の花は朝は白。次の日には薄いピン色。そして花がしぼんで濃いピンク色になります。