妹から、久しぶりのランチと午後の講演会に誘われました。講演者が田中均さんと聞いて興味が湧き二つ返事です。
田中氏はアジア大洋州局長時代に史上初の日朝首脳会談を実現に導いて以来、テレビでよく見る顔になりました。外務省で36年。外務審議官を最後に民間で活躍されています。
外務官は10年先を見て政策の計画を立てるが、政治家は自分のポジションや足元を見て計画する····そこに外務官の挫折を感じたと深い苦悩が見えました。
★テーマは『世界は何処へ行く そして日本は?』
日中は戦争を経験し、日本とは体制が違うし人権軽視も相容れなく、容易に国内感情に火がつきやすい。しかし歴史的、経済的、文化的にも深い交流を持つ隣国関係である。
日米の統合的抑止力の強化はわかる。しかし強化すればするほど相手国も強化してくるし日本の安全保障環境をよくする結果にはならない。
抑止力が真に機能するためには「専守防衛」の枠をはみ出していかざるを得なくなる。
厳しい安全保障に備えていくために日米の軍事力の統合は必要だと思う。その上で、専守防衛の基本概念は維持し、その精神は守っていくとするならある程度明確な歯止めは必要だ。無制限に攻撃武器に拡大するのではなく、反撃能力の武器を特定するとか、反撃能力を使う判断基準の議論を深めていくことが重要だ。
大切なのは、同時平行して進めるべき中国との外交活性化。
対中関係で、日米ですべての利益が一致するわけではないので、日本は自らの国益に従った独自の対中外交をやるべきだ。日米の軍事的な統合的抑止力強化だけでは片肺飛行で、同時平行して多面的な外交努力で対中関係を活性化させることが重要だ。
東アジアでの経済連携、東支那海の共同資源開発など、日中間で協力する案件は多い。民間でも文化的交流、青年交流など再活性化させる。
日米安保体制の一体化を行いつつ、多面的な外交努力で対中関係を活性化させることが日本の安全保障を確保する王道だ。繊細で多様な外交努力、そのためのはっきりものが言える強い外務官を熱望されました。
穏やかで分かりやすい講演会でしたが、隣の席の女性の、最初から最後まで2時間も止むことのないイビキに閉口しました。前後左右の席の人は集中できず相当迷惑だったと思います。イビキで講演者の語尾が肯定なのか否定なのか聞き取りにくくて。昼寝は自宅でしてほしいものです。
ずっと居眠りしていても、講演会に足を運ぶという行為で自分を納得させているのかも。それを何か哀しくも感じました。なんか客観的にみて自分にもその潜在性があるのではとドキリ・・・。
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ランチはデパート最上階の密にならないレストランで。12時前にお店に入る、これがコツです。お店を出るときは行列ができていました。
鯛茶漬けと天婦羅セット。一人分ずつの釜焚きご飯が美味しくて、お茶漬けは少しにしました。