<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



やっぱり儲かっている会社の感覚というのは一般庶民とは異なっているのか。
日本映画の上位20位のうち、東宝配給の映画が13作品も占めているというのだから、東宝の収益、いかようなものだろうか。
想像するに、巨額であろう。

しかも、東宝、東映、松竹、日活、大映など、並み居る映画メジャーのうち、経営基盤がしっかりしているのも東宝のみ。
なんといっても東宝はあの阪急阪神ホールディングスの一員であり、創業者も阪急電鉄の小林一三。
つまり、東宝映画はもともと東京宝塚という名前のとおり、宝塚歌劇と親戚にあたる存在で、最近は我が阪神タイガースまでも身内に加えるという凄いコングロマリットなのだ。

で、何が言いたいのかというと、映画の入場料引き下げ中止の決定について文句を言いたいのだ。

TOHOシネマズは映画料金引き下げの試験を都内のいくつかの劇場で実施。
客数が伸びたら来年度から全劇場の鑑賞料金を引き下げるという、ある種のマーケティングを行なっていたのだ.
が、結果は芳しくなく、料金値下げが映画の入場者数増に繋がらない、という結論をだしたのだという。

その値引き、わずかに300円。

通常大人1800円の入場料を1500円に値下げしただけの試験を実施していて「入場者が増えない」とは、何事か!
当たり前ではないか、と私のような貧乏庶民は思うのである。

映画大好きな私はいくら仕事で多忙でも、必ず月に最低1度は劇場に足を運んで映画を見ている。
しかし、ファンにとってもその入場券1800円は決して安いものではない。
それが1500円になったとて同じ事。
東京、大阪のサラリーマンの2~3回分のランチ費用と変わらない。

で、どうせ値引きするのなら1200円とか思い切って1000円ぐらいにしてもらわないと、値下げの恩恵は感じられない。
いっそのこと昔の大毎地下劇場(大阪西梅田にあった名画座)よろしく600円から800円で好きなだけ映画館に滞在できるというアイデアなら、さらに善なのである。

だから映画が300円くらい安くなってもほとんど意味はなく、どうしても安価で見たい人は月に一度の「映画の日」にでかけて1000円で見るか、劇場の会員になってレディースデイ(男は不可)だとか、メンバーズデイで映画を見ることになるのだ。

TOHOシネマズは私が最も利用する映画館だが、こんなマヌケなマーケティングをしているようなら、そのうち客は離れるぞ、と言いたくなるのも、人情なのだ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )