<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





自分自身で沖縄をドライブするのも初めて沖縄を訪れたとき以来。
ここ近年は、沖縄にある代理店の人に空港やゆいレールの駅まで迎えに来てもらって移動していたので、ホントにひさしぶりの運転だった。

そこで気づいたのだが、国道58号線は沖縄本島を南北に貫く大動脈なのだが、ほんとに大動脈よろしく那覇市内や浦添市内では、かなり混雑するのには驚いた。
失礼かもしれないが、沖縄でこんなに混雑するとは思わなかったのだ。
正直言って私の父の故郷の岡山県の岡山市近郊や、たまに金毘羅参りにで通過する香川県の高松市なんかよりも、よほど混雑する国道なのであった。
車がなかなか進まないくらいの混雑だ。
しかも、風景は完全に大都会。
初めて訪れた時の沖縄らしい風景はどこへやら。
本土とほとんど変わらない景色が展開し、私はかなり残念に思っていたのだった。

なお、国道58号線は沖縄本島を貫いているばかりではなく、海の上も走っており、奄美大島や種子島も南北に貫き、終点は鹿児島市なんだという。
将来は奄美諸島に橋でもかける壮大な計画でもあるのだろうか。

ともかく関空からの初発で那覇についたのは午前10時過ぎ。
レンタカーを借りて移動を開始し、時刻はすでに11時を過ぎている。
腹は減ってきているし、かといって恩納村までは2時間ほどかかると聞いていたものだから、お昼すぎの約束に間に合わなかったら大変だ。
と、私は北に進みながら、適当な昼ごはん場所を探しながらのドライブとなった。

沖縄に来たのだから、沖縄そばを食べたかった。
ところが沿道には大阪や東京でも同じミニのチェーン店が点在している。
何が悲しくて沖縄まで来て吉野家の牛丼を食べたいと思うのか。
さらに天下一品のラーメン店まである。
しかも看板が立っていて「京都白河、創業昭和46年」と書かれており、ここまできてコッテリラーメンを食べる気にはさすがにならない。

思えば二十数年前、初めて沖縄に来た時は食べ物が口に合わず苦労した思い出があるが、知らないあいだに本土の毒気に汚染されていたのであった。
で、そういえば5年前に来た時は那覇市内で「お、これでも食べましょう」と那覇市内で札幌らーめんの店に連れていかれたことを思い出した。
恐るべし、日本文化。

ともかく、何かせっかくだから沖縄のもの、とばかりに先を急いでいると、普天間基地の横を通過。

「話題の普天間や、写真写真」
大阪に帰ってから中学生の娘に社会の勉強よろしく普天間基地の写真を見せてやろうと思ってカメラを探したのだが、アホなことに、カメラはトランクの中に入っていて取れなかったのだった。

やがて北谷町まで来たときに「沖縄食堂」の看板が目に止まった。
止まったのだが、自動車を止めるタイミングを逸して通過してしまった。
次の信号で慌てて左折して、食堂のあるあたりまで戻ろうとしたら、そこになんと、結構大きな沖縄そばのお店があったのであった。

「おおおお!ここに入らずして、どこで食べる」

私は沖縄食堂の件はすっかり忘れて、その店「そば屋鶴小」に入った。

「いらっしゃいませ」

と迎えてくれた店の女の子は沖縄の伝統衣装をまとっており、沖縄に来た、という感じがした。
なかなかいいではないか。
ランチの時間にはまだちょっと早いのか、店の中には数人の年配の人たちや、米軍関係者と思われる白人のカップルが食事をしていた。

私はメニューから豚の角煮がたくさん乗った三枚肉そばとポーク玉子おにぎりと注文。
「ポークおにぎり、甘いソースが入っていますが、大丈夫ですか?」
と店の人に訊かれたが、
「大丈夫です」
と答えた。
実際、ちょっと甘みのあるトロリとしたソースがポークと卵と一緒に挟まれ、のり巻きされた不思議なおにぎりなのであったが、これも実に美味しく平らげた。
元来沖縄そばは大好きなので、まったく問題ない味なのであった。

食べ終わり、勘定をしようと席を立ったら、入り口から4人ほどのアメリカ人が入ってきた。

「Hello! May I help you? 」

と声をかける店の女の子の英語の発音は非常に整ったアメリカンイングリッシュだった。
やっぱり基地関係者が大きな顧客になっているのだな、と痛烈に関心するとともに、自然にバイリンガルの沖縄に、ある意味別の可能性を感じたのであった。

で、私が勘定をすると、

「Thank you!」

と笑顔で言われた。
バンコクではアラブ人に、大阪でのある交流会ではブラジル人に、広島の平和記念館ではオーストラリア人に、と間違えられた実績のある私なので、アメリカ人に間違えられても仕方がない、と思った。

運転を再開し、読谷村を通過して恩納村に入った。
二十数年前に建設工事で訪れたリゾートホテルが豪華に営業をしている横を通過。
「懐かしい~」
と思った。
そして、訪問先にたどり着くには時間の余裕が少しあるので、以前も訪れた真栄田岬に行って見ることにした。

真栄田岬は恩納村のリゾートエリアを望める風光明媚な場所で、今はどうなっているのだろうと思って行ってみると、昔よりも整理されたのか、綺麗な駐車場や展望エリアが設置され、そこから眺める景色はエメラルド色に輝く、昔と変わらない、めちゃくちゃ綺麗な沖縄の海が輝いていたのであった。

つづく



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )