<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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一日の仕事が終わって、今宵の宿として予約していたのは、なんとリゾートホテルなのであった。

リゾートホテルというと、私はタイのホアヒンの一泊50ドルのリゾートホテルと、ミャンマーのグウェサンビーチにある、これまた一泊50ドルのリゾートホテルの経験しかない。
ホアヒンのリゾートホテルもグウェサンビーチのホテルも立派で、ホアヒンのホテルはビーチまでは歩いて5分の距離だったものの設備も良く、ナイトバザールまでも歩いてすぐで、夜中にハンバーガーを食べたくなったら向かいにバーガーキングがあったのでとても便利なところなのであった。
また、グウェサンビーチのホテルはコテージになっていて、正面玄関を出ると、そこはもうすでに天然のビーチになっているようなところで、夜の3時間ほどしか電気が通じないことを除けばボンヤリするにはベストだし、近くの村へ行くとシーフードレストランで伊勢エビのでっかい料理を500円程度で食べられるという、それはまた天国のようなところなのであった。

しかし、日本では高級ホテルに宿泊することはほとんどない。

なんといっても仕事ではビジネスホテル。
プライベートではお遍路さんの宿か国民宿舎かユースホステルをモットーにしているため、シティホテルやビーチリゾートは私にとっては高嶺の花、というよりもまったくの無縁の宿泊施設なのであった。

それが仕事とはいえ、沖縄で、しかも恩納村で、しかもしかも、高級リゾートに取引先のコネで安く宿泊することができたということは、私に想像を絶する気分転換の機会を与えてくれたのだった。

ホテルの名前をカフーリゾートフチャクコンド・ホテルといい、正直、高級であった。

宿泊した部屋の大きさは私が12年ほど前に購入した大阪堺の中古マンションより広かったのはむろんのこと、ベランダからはエメラルド色に輝く東シナ海が見渡せ、しかもしかも、夕日がとっても奇麗な場所なのであった。
お風呂も広く、バスタブは寝て入れる大きさ。
トイレも東京都内のシケたビジネスホテルのバスルームほどもある。
ベッドルームは2部屋あり、ベッド数は合計4。
フルセットのソファと大型液晶テレビにキッチンまであったのだ。
そこになんと宿泊者は私一人。

これは.......嫁さんと娘に自慢しなければ、と思って写真をパシャパシャと撮影したのだが、よくよく考えてみると日頃、国民宿舎やユースホステル、お遍路さんの宿などを巡る旅しかさせていないので、

「こんな豪華なホテルに泊まったよ」

と自慢しようものなら、どういう事態に発展するのか、恐ろしい事実に気がついたのであった。

きっと「家族で沖縄旅行」という要求がだされるであろう。
それはそれでいい。
旅割りを使えば、それなりの費用で航空券は購入できる。
でも、宿泊先は国際通り近くの東横インでは許してもらえないに違いない。
民宿は?

「ね、ホテルハイビスカスって映画見たよね。良かったね」

などというセリフは全く通用しないであろう。

「な~、あの写真のホテルに泊まりたい~」

ということになるのは間違いない。

沈みゆく夕日を眺め売店で買って来たオリオンビルをグイッと飲みながら、このカフーリゾートに経費で宿泊したことは秘密にしなければならないと思ったのであった。

つづく



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