<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



海沿いの道をドライブするのは気持ちがいい。

数年前まで仕事で和歌山もよく出掛けたので、海沿いの道を走ることが少なくなかった。
快晴の初夏。
紀伊半島の海岸線沿いを走る国道42号線をクネクネとドライブするのはなんとも気持ちのいいもので、視界に広がる太平洋の大海原はキラキラと輝き、一方、陸地の方に視線を向けると緑鮮やかな梅林、みかん畑、桃畑などがひろがり、それはもうなんともいえないホノボノのとした気持ちになるのであった。

そんな景色も田辺市まで高速道路が延びてしまったことによって、見かけることも少なくなってしまったが、今でもプライベートなドライブの時は山の中でトンネルばかりが続く高速道路は避けて、海沿いの一般道を走ることがまれにある。

沖縄本島を南北に貫く国道58号線を走る気持ちも、和歌山の南部をドライブするのと同じように清々しく新鮮なものであった。
違っているのは、朝が早いということと、ラジオから流れて来るAM放送が毎日放送ではなく琉球放送であること、そして左手に広がる大海原が太平洋ではなく東シナ海で、しかも、エメラルド色に輝いているということなのであった。

予算をケチって朝ご飯をホテルで食べなかったので、いささか腹が減って来た。
どこかで何かを食べたいが、恩納村を抜けてからはそれらしいレストランやファーストフードが見つけられない。
時折、マクドナルドの看板が目に留まったが、那覇空港に着いたときと同じように、

「ん~、ここまで来てマクドっちゅうのも、なんやな」

とつぶやく始末でなかなか決断がつかない。
かといってコンビニサンドイッチというのは、もっと洒落ていない。

そうこうしているうちに名護市に入って交通量も増えて来た。
遠くに見える名護市の町街並みもだんだんと大きくなってきた。
道路の車線が2つに増えると、多くのファミレスやショップングビルなどが並んだエリアに入った。

「大きいな~」

というのはレストランではなく、名護市の印象なのであった。

名護市、というえば私の大好物のオリオンビール本社がある街だ。
私は沖縄県の地方都市なので小さな街を想像していたのだが、大きな間違いであった。
沖縄の人に失礼なイメージをもっていたのだ。
市街地開発地区の風景は大阪や東京の近郊とたいして変わらない大きな街なのであった。
その予想外の風景にびっくりしていたのだが、やはりそこは沖縄。
沖縄にしかない存在しないものがあった。

アイスクリームのブルーシール。
ファーストフードのA&Wなどなど。

私はAll American Foodと書かれたそのA&Wに自動車を停め、ここで朝食を食べることに決めたのであった。

つづく



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )