扉の前、その先へ駈け
第65話 序風act.3―side story「陽はまた昇る」
踊平に四駆を停めて降りた視界、薄雲から残暑の陽光が刺す。
昨夜の雨に湿度も高い、こんな日は熱中症や日射病、それから脱水症状も怖い。
今回の救助要請も原因はその辺りだろうか?思案しながらザックを背負い英二は原と藤岡、大野に笑いかけた。
「真名井沢源頭部の岩場なら、何度か転落事故があったポイントの所だと思います。曲ヶ谷北峰を巻いて赤杭尾根に出ましょう、」
過去のデータから今回の遭難現場を推定する。
そんないつも通りの発言に、バスケット担架を携えた大野の陽気な目が瞬き笑ってくれた。
「なんで宮田がここに居るんだよ、今日、異動だよな?」
「はい、今日から国村小隊長が上司です、さっき電話で許可と命令はもらいました、行きましょう、」
応えながら英二はルートを指さし三人へ微笑んだ。
その肩へと大野は隊服の腕を伸ばし、ぽんと軽く叩くと言ってくれた。
「要救助者は意識不明の重体らしい、だから俺、正直なとこ宮田が来てくれてホッとしてるよ、ありがとう、」
応急処置の技能を頼りにしてくれる、そんな言葉が素直に嬉しい。
ここ青梅署山岳救助隊で吉村医師に師事した技能を今、この時も活かせる。
それがただ嬉しい想いと緊張とに微笑んで、英二は踵返しながら綺麗に笑った。
「ありがとうございます、俺も皆と一緒でホッとしてますよ?急ぎましょう、」
笑って山道を踏み、この先にある光景を覚悟する。
おそらく前にも救助へ向かった現場だろう、その要救助者は厳しい状態だった、
きっと今回も困難だと予想しておく方が良い、そう想うからこそ尚更あのまま第七機動隊舎へ向かうなど出来なかった。
―たった1秒差の命かもしれないんだ、だから、
たった1秒で生命の分岐点が変る、だから今も救助へ駈けたい。
ただ1秒、そんな現実を11ヶ月の現場生活で見つめてきた、それは目前の遭難事故と書類と両方ある。
そうして心が命じたままに応急処置の技術を磨いてきた、そんな11ヶ月が今を最後に山の現場から離れる。
第七機動隊山岳救助レンジャー第2小隊
そこが新しい自分の所属先、そこは山の現場から離れた府中にある。
けれど七機山岳レンジャーは警視庁管内の山は勿論、全国の救助要請に応える責務を担う。
その救助要請は山岳遭難とは限らない、災害救助要請にも応答する為に危険度も高くなる。
―藤岡は災害救助派遣された七機の人に会って、ここに来たんだよな、
いま背後を歩く足音に、自分の進路先と同期の縁を想う。
光一と三人で呑んだ夜、藤岡は大地震の被災経験と祖父の死を話してくれた。
あの津波に藤岡が失ったのは祖父だけじゃない、きっと友人知人も多く亡くしているだろう。
そんな藤岡が最初の死体見分に溺死体と出会ったことは、決して容易く超えられることじゃ無い。
それでも現場に立ち続ける姿から自分も学ばせてもらった、そして今あらためて向かう進路の重みが実感になる。
―これから俺は現場で向きあうんだ、あのときの藤岡と同じ姿に、
今回の異動は、個人的理由から志願した。
それは警察官としての理想など欠片も無い、あるのは恋愛と意地と誇りだけ。
唯ひとり想う相手を援けたい、あの束縛が赦せない壊したい、それらを自分が遂げたい。
そう願うから異動を志願して周太を追いかける、ただそれだけの個人的理由だからこそ責務は全て果たしたい。
だから今も救助要請を背にして異動など出来ないまま、山岳レスキューの誇りと名もない熱情に現場へ駈けていく。
「宮田、さっき言ってたポイントって真名井沢の一番上のルンゼか?」
背後から低く透る声が訊いてくれる、その記憶力に信頼が厚くなる。
やはり原は良いプライドが高い、そんな人柄が嬉しく英二は微笑んだ。
「はい、あの岩場は急斜ですし昨夜の雨で滑りやすい、もしかして水が流れている状態かもしれません、」
「だな、」
短い応答に溜息まじり、より後ろの方からも緊張が浸す。
岩場に水があれば足元は悪い、そして墜ち方によっては受傷度合が深刻になる。
この現実たちは山岳救助にある者なら誰も予想は容易い、それでも希望も抱いて真名井北陵を少し下ると人影が見えた。
今回の遭難パーティーだろう大学生数名といる消防救助隊の制服姿にいつものよう英二は微笑んだ。
「坂田さん、」
「え、宮田くん?」
驚いた貌が振向いて日焼顔が凝視する。
現場で連携する消防隊にも異動の挨拶はした、だから坂田も今日が何の日か気付くだろう。
さっきの大野も最初こんな反応をした、つい可笑しくて少し笑った英二に壮年の男は微笑んだ。
「今日だって聴いてたけど君らしいな?」
「はい、ちょうど駐車場で聴きました、この真下ですか?」
答えながら質問して見おろす先、下部の真名井沢から谷風が吹上げる。
炎天下の熱こもる隊服が涼んで心地いい、けれど微かな血の気配を感じた隣で坂田が頷いた。
「ああ、150メートルくらい降りた場所だ。今さっき後藤さんがウチの中谷と先発で向かってくれてる、」
最も傾斜のきついポイントになる、そこへ後藤はどのルートで降りたろう?
以前に光一と辿った道も考えながら英二は坂田へと穏やかに笑いかけた。
「解かりました、バスケット担架での引き上げに向かいます、」
「よろしくな、」
日焼顔を頷かせてくれる、その眼差しが温かい。
まだ2年目の自分を信頼してくれる、そんな空気に感謝と微笑んで英二は同僚三人と赤杭尾根を下りはじめた。
そこから横方向へトラバースしてゆくと、現場は前と同じ真名井沢最上部に切立つ岩溝の一段上だった。
―またあの場所だ、
心裡ため息こぼれて現実が傷む。
あのポイントは危険だと注意看板も立てたはず、それなのに事故は終わらない。
それに等高線を見れば急峻な真名井北陵よりも赤杭尾根から下りる方が安全だと解かるはずだ。
どうしたら人は山を正しく行けるようになるだろう?この疑問に微笑んで英二は後ろを振り向いた。
「あの岩尾根を回りこみましょう、急斜面をトラバースします、」
「解かった、足元に気を付けろよ、」
頷き返した藤岡の目が少し笑ってくれる。
藤岡も以前あのポイントの遭難現場に立ち会った、だから同じ想いかもしれない。
そんな共感にすこし心軽くなりながら英二は登りはじめた背中、Tシャツのなか汗流れだす。
―太陽が熱い、湿度も、
噎せかえる熱気は昨夜の雨が湿気に籠らす。
まだ正午前の太陽ですら炎熱は激しく岩盤は熱い、これでは熱中症が多いだろう。
意識ふらついた瞬間に足を取られ滑落する、そんな危険が雨後の岩場で起きても不思議は無い。
―脱水症状も起こしているかもしれない、それで出血があれば尚更、
遭難者の体調を経験と知識に計りながら、現場への足どりを慎重に運ぶ。
急斜面をトラバースして岩尾根を1つ回り込みテラス状になったルンゼへと出た。
そこに中谷と後藤、大学生らしき青年に囲まれた要救助者の姿を見て英二はすこし微笑んだ。
「副隊長、中谷さん、バスケット担架を持ってきました、」
慎重に歩み寄り声かけると振り向いてくれる。
その二人とも驚いた顔になるまま、後藤が呆れたよう言ってくれた。
「宮田、おまえさん異動初日なのに来ちまったのかい?」
「はい、国村小隊長の許可は得ています、」
微笑んで応えながら消防隊員の傍に片膝つく。
そんな英二の肩ひとつ叩くと後藤は笑ってくれた。
「ありがとうなあ、」
ただ一言、けれど想いの全てが温かい。
この温もり微笑んだ英二に深い目は頷いて、立ち上がり後藤は原たちの方へ踵返した。
これからバスケット担架のセッティングをしてくれる、その時間を素早く山時計に見ながら英二は尋ねた。
「中谷さん、様子はいかがですか?」
「あ、はい、」
意識を引き戻すよう新人消防隊員は返事した。
まだ驚いた顔のままでいる、けれど中谷は手短に教えてくれた。
「呼びかけの反応はゼロ、耳から出血もあり頭蓋骨を骨折しているようです、一刻も早く医師に見せる必要があります、」
意識障害、嘔吐、耳鼻からの出血、けいれん、麻痺。
これらが認められるときは緊急度が高い、そして遭難者は耳から血を流し軽く痙攣している。
相当に厳しい状態と判断せざるを得ない、そう今までの現場と知識から呑みこんで英二は穏やかに頷いた。
「解かりました、脚の応急処置だけ担架のセットまでに終えます、」
答えながら見た右下肢、登山パンツが変形し血濡れている。
おそらく開放性骨折だろう、露出した骨は感染しやすく骨髄炎の危険が大きい。
すぐ受傷部分の保護と固定が必要になる、その判断に英二は感染防止グローブを嵌めた。
―この傷だと滑落の時に足から墜ちたかもしれない、
滑落から着地の衝撃を足で受けた、その衝撃で折れたのかもしれない。
それなら頭部に与えられる衝撃は軽減されるはず、頭蓋骨折も幾らか救われているだろう。
そんな希望を想いながら英二はバスケット担架をセットする短時間で応急処置を済ませた。
(to be continued)
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第65話 序風act.3―side story「陽はまた昇る」
踊平に四駆を停めて降りた視界、薄雲から残暑の陽光が刺す。
昨夜の雨に湿度も高い、こんな日は熱中症や日射病、それから脱水症状も怖い。
今回の救助要請も原因はその辺りだろうか?思案しながらザックを背負い英二は原と藤岡、大野に笑いかけた。
「真名井沢源頭部の岩場なら、何度か転落事故があったポイントの所だと思います。曲ヶ谷北峰を巻いて赤杭尾根に出ましょう、」
過去のデータから今回の遭難現場を推定する。
そんないつも通りの発言に、バスケット担架を携えた大野の陽気な目が瞬き笑ってくれた。
「なんで宮田がここに居るんだよ、今日、異動だよな?」
「はい、今日から国村小隊長が上司です、さっき電話で許可と命令はもらいました、行きましょう、」
応えながら英二はルートを指さし三人へ微笑んだ。
その肩へと大野は隊服の腕を伸ばし、ぽんと軽く叩くと言ってくれた。
「要救助者は意識不明の重体らしい、だから俺、正直なとこ宮田が来てくれてホッとしてるよ、ありがとう、」
応急処置の技能を頼りにしてくれる、そんな言葉が素直に嬉しい。
ここ青梅署山岳救助隊で吉村医師に師事した技能を今、この時も活かせる。
それがただ嬉しい想いと緊張とに微笑んで、英二は踵返しながら綺麗に笑った。
「ありがとうございます、俺も皆と一緒でホッとしてますよ?急ぎましょう、」
笑って山道を踏み、この先にある光景を覚悟する。
おそらく前にも救助へ向かった現場だろう、その要救助者は厳しい状態だった、
きっと今回も困難だと予想しておく方が良い、そう想うからこそ尚更あのまま第七機動隊舎へ向かうなど出来なかった。
―たった1秒差の命かもしれないんだ、だから、
たった1秒で生命の分岐点が変る、だから今も救助へ駈けたい。
ただ1秒、そんな現実を11ヶ月の現場生活で見つめてきた、それは目前の遭難事故と書類と両方ある。
そうして心が命じたままに応急処置の技術を磨いてきた、そんな11ヶ月が今を最後に山の現場から離れる。
第七機動隊山岳救助レンジャー第2小隊
そこが新しい自分の所属先、そこは山の現場から離れた府中にある。
けれど七機山岳レンジャーは警視庁管内の山は勿論、全国の救助要請に応える責務を担う。
その救助要請は山岳遭難とは限らない、災害救助要請にも応答する為に危険度も高くなる。
―藤岡は災害救助派遣された七機の人に会って、ここに来たんだよな、
いま背後を歩く足音に、自分の進路先と同期の縁を想う。
光一と三人で呑んだ夜、藤岡は大地震の被災経験と祖父の死を話してくれた。
あの津波に藤岡が失ったのは祖父だけじゃない、きっと友人知人も多く亡くしているだろう。
そんな藤岡が最初の死体見分に溺死体と出会ったことは、決して容易く超えられることじゃ無い。
それでも現場に立ち続ける姿から自分も学ばせてもらった、そして今あらためて向かう進路の重みが実感になる。
―これから俺は現場で向きあうんだ、あのときの藤岡と同じ姿に、
今回の異動は、個人的理由から志願した。
それは警察官としての理想など欠片も無い、あるのは恋愛と意地と誇りだけ。
唯ひとり想う相手を援けたい、あの束縛が赦せない壊したい、それらを自分が遂げたい。
そう願うから異動を志願して周太を追いかける、ただそれだけの個人的理由だからこそ責務は全て果たしたい。
だから今も救助要請を背にして異動など出来ないまま、山岳レスキューの誇りと名もない熱情に現場へ駈けていく。
「宮田、さっき言ってたポイントって真名井沢の一番上のルンゼか?」
背後から低く透る声が訊いてくれる、その記憶力に信頼が厚くなる。
やはり原は良いプライドが高い、そんな人柄が嬉しく英二は微笑んだ。
「はい、あの岩場は急斜ですし昨夜の雨で滑りやすい、もしかして水が流れている状態かもしれません、」
「だな、」
短い応答に溜息まじり、より後ろの方からも緊張が浸す。
岩場に水があれば足元は悪い、そして墜ち方によっては受傷度合が深刻になる。
この現実たちは山岳救助にある者なら誰も予想は容易い、それでも希望も抱いて真名井北陵を少し下ると人影が見えた。
今回の遭難パーティーだろう大学生数名といる消防救助隊の制服姿にいつものよう英二は微笑んだ。
「坂田さん、」
「え、宮田くん?」
驚いた貌が振向いて日焼顔が凝視する。
現場で連携する消防隊にも異動の挨拶はした、だから坂田も今日が何の日か気付くだろう。
さっきの大野も最初こんな反応をした、つい可笑しくて少し笑った英二に壮年の男は微笑んだ。
「今日だって聴いてたけど君らしいな?」
「はい、ちょうど駐車場で聴きました、この真下ですか?」
答えながら質問して見おろす先、下部の真名井沢から谷風が吹上げる。
炎天下の熱こもる隊服が涼んで心地いい、けれど微かな血の気配を感じた隣で坂田が頷いた。
「ああ、150メートルくらい降りた場所だ。今さっき後藤さんがウチの中谷と先発で向かってくれてる、」
最も傾斜のきついポイントになる、そこへ後藤はどのルートで降りたろう?
以前に光一と辿った道も考えながら英二は坂田へと穏やかに笑いかけた。
「解かりました、バスケット担架での引き上げに向かいます、」
「よろしくな、」
日焼顔を頷かせてくれる、その眼差しが温かい。
まだ2年目の自分を信頼してくれる、そんな空気に感謝と微笑んで英二は同僚三人と赤杭尾根を下りはじめた。
そこから横方向へトラバースしてゆくと、現場は前と同じ真名井沢最上部に切立つ岩溝の一段上だった。
―またあの場所だ、
心裡ため息こぼれて現実が傷む。
あのポイントは危険だと注意看板も立てたはず、それなのに事故は終わらない。
それに等高線を見れば急峻な真名井北陵よりも赤杭尾根から下りる方が安全だと解かるはずだ。
どうしたら人は山を正しく行けるようになるだろう?この疑問に微笑んで英二は後ろを振り向いた。
「あの岩尾根を回りこみましょう、急斜面をトラバースします、」
「解かった、足元に気を付けろよ、」
頷き返した藤岡の目が少し笑ってくれる。
藤岡も以前あのポイントの遭難現場に立ち会った、だから同じ想いかもしれない。
そんな共感にすこし心軽くなりながら英二は登りはじめた背中、Tシャツのなか汗流れだす。
―太陽が熱い、湿度も、
噎せかえる熱気は昨夜の雨が湿気に籠らす。
まだ正午前の太陽ですら炎熱は激しく岩盤は熱い、これでは熱中症が多いだろう。
意識ふらついた瞬間に足を取られ滑落する、そんな危険が雨後の岩場で起きても不思議は無い。
―脱水症状も起こしているかもしれない、それで出血があれば尚更、
遭難者の体調を経験と知識に計りながら、現場への足どりを慎重に運ぶ。
急斜面をトラバースして岩尾根を1つ回り込みテラス状になったルンゼへと出た。
そこに中谷と後藤、大学生らしき青年に囲まれた要救助者の姿を見て英二はすこし微笑んだ。
「副隊長、中谷さん、バスケット担架を持ってきました、」
慎重に歩み寄り声かけると振り向いてくれる。
その二人とも驚いた顔になるまま、後藤が呆れたよう言ってくれた。
「宮田、おまえさん異動初日なのに来ちまったのかい?」
「はい、国村小隊長の許可は得ています、」
微笑んで応えながら消防隊員の傍に片膝つく。
そんな英二の肩ひとつ叩くと後藤は笑ってくれた。
「ありがとうなあ、」
ただ一言、けれど想いの全てが温かい。
この温もり微笑んだ英二に深い目は頷いて、立ち上がり後藤は原たちの方へ踵返した。
これからバスケット担架のセッティングをしてくれる、その時間を素早く山時計に見ながら英二は尋ねた。
「中谷さん、様子はいかがですか?」
「あ、はい、」
意識を引き戻すよう新人消防隊員は返事した。
まだ驚いた顔のままでいる、けれど中谷は手短に教えてくれた。
「呼びかけの反応はゼロ、耳から出血もあり頭蓋骨を骨折しているようです、一刻も早く医師に見せる必要があります、」
意識障害、嘔吐、耳鼻からの出血、けいれん、麻痺。
これらが認められるときは緊急度が高い、そして遭難者は耳から血を流し軽く痙攣している。
相当に厳しい状態と判断せざるを得ない、そう今までの現場と知識から呑みこんで英二は穏やかに頷いた。
「解かりました、脚の応急処置だけ担架のセットまでに終えます、」
答えながら見た右下肢、登山パンツが変形し血濡れている。
おそらく開放性骨折だろう、露出した骨は感染しやすく骨髄炎の危険が大きい。
すぐ受傷部分の保護と固定が必要になる、その判断に英二は感染防止グローブを嵌めた。
―この傷だと滑落の時に足から墜ちたかもしれない、
滑落から着地の衝撃を足で受けた、その衝撃で折れたのかもしれない。
それなら頭部に与えられる衝撃は軽減されるはず、頭蓋骨折も幾らか救われているだろう。
そんな希望を想いながら英二はバスケット担架をセットする短時間で応急処置を済ませた。
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