萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

第74話 傍証act.5-side story「陽はまた昇る」

2014-02-21 23:19:20 | 陽はまた昇るside story
fingerpost 道標



第74話 傍証act.5-side story「陽はまた昇る」

梢の色が、前と違う。

前に来た時は深緑だった、あのときは夏、そして北壁の前だった。
あれから時も季節も移ろうまま自分も変ったのだろう、そのままに仰ぐ梢は黄金ふらす。

今は秋、もう二度目になる季節の記憶を見つめて英二は微笑んだ。

「もうすぐ誕生日だな、周太?」

呼びかけて、けれど応えて何てもらえない。
佇んだ並木道から金色の透ける枝、その向こう聳える摩天楼にあの人はいる?
今いる所在すら隠されてしまう場所へ行ってしまった人、あれから一ヶ月半が過ぎてゆく。

―もう少し待ってて、周太、

想い心呟きながら仰ぐ先、くすんだ建造物の窓を探してしまう。
あのどこかに今いるかもしれない?そんな期待の向こう靴音が近づき微笑んだ。

「宮田くん、ここに居たんですね、」
「お疲れさまです、蒔田部長、」

振り向いて笑いかけ、礼をする。
今は私服のスーツ姿でプライベートに会う、そんな空気ごと気さくに笑ってくれた。

「蒔田さんが良いよ?部長なんて外で言われるのも恥ずかしい、ただの山ヤ同士で居てくれ、」

肩書を「恥ずかしい」と笑ってしまう。
こういう大らかさが蒔田は気持ちいい、その好感に笑いかけた。

「じゃあ蒔田さん、飯いきましょうか?」
「おう、その感じでイイぞ、」

笑いながらネクタイの衿元もう緩めだす。
こんな砕けた所が楽しい上司に英二は笑った。

「本当に蒔田さん、プライベートだと砕けてますよね?業務の時は真面目な雰囲気なのに、」

初対面の印象と今の隣は違う。
そんな違い大らかなまま笑ってくれた。

「ノンキャリアから官僚になんかなると気疲れも多くてな、オンとオフをはっきりさせるとストレス解消に良いんだ、」

言われた言葉に、すこし前の時間が重ならす。
4年ぶりの声から告げられた自分の現実、あの笑顔への想いごと微笑んだ。

「蒔田さんでも、ノンキャリア出身であることは疲れますか?」
「うん?」

言葉に篤実な貌すこし傾げてくれる。
その眼差し穏やかで訊きやすい、そんな先輩に尋ねた。

「蒔田さんは北大の出身ですよね、ノンキャリアと言っても旧帝大です、」

警察官の世界に学歴は関係ない、実力主義だ。
そんな意見もある、確かにそんな側面もあるだろう。
けれど官僚にまでなれば学歴も派閥も否めない?その現実を答えてくれた。

「キャリアは東大出身が主流だ、同じ旧帝大でも東大とそれ以外で大きな差がある。例外をあげるなら検察庁くらいだが、警察庁はな?」

応えてくれる言葉たちに、続く単語が解かる気がする。
この理解のまま英二は声にした。

「内務省系の官庁なら、いろんな要素が派閥になっていますか?警視庁も、」
「お、」

短い声とすこし驚いたような眼差しが自分を映す。
こんな台詞は意外だろうか、それとも納得だろうか?この二択に先輩は笑ってくれた。

「そうだな、内務の三役にからむと色々あるかな、」

内務省に列なる男として知る運命なのかもしれんな。

そう告げた祖父の現実が今、別の男からも聴かされる。
そんな今に微笑んで数ヶ月前と同じ暖簾を潜った。

「いらっしゃいませ、あ、」

出迎えの仲居が気づいたよう見上げてくれる。
まだ二度め、それでも憶えてくれた空気に蒔田が笑った。

「こんにちは、やっぱりこのツレは憶えやすいかい?」
「はい、一度いらした方は憶えますが、」

微笑んでくれる貌が華やぎだす。
こうした空気感は幼い頃から見慣れて、そのままに英二は微笑んだ。

「すごいですね、一度で顔を憶えるなんて、」

一度で顔を憶えるなら「いつか」役立つかもしれない?
そんな意図と笑いかけた向う、羞んだ笑顔ほころんだ。

「こういう仕事ですから。同じお席でご用意してありますが、よろしかったですか?」
「ありがとう、」

微笑んで靴を脱ぎ、座敷への廊下に上がる。
その二足とも靴箱へしまい鍵かけさす、こんな気遣いに常連たちの姿が見える。

―密会の場だな、

こうした店は「誰か」に教わり常連となる方が多いだろう。
きっと祖父も幾つか場を持っている、それはもう一人の祖父も同じだったかもしれない。
そんなふう考えると祖父ふたり共通の世界にも生きて、けれど周囲の評価は全く別の道だった。

『清廉潔白な検事は美しいな、だが泥の中でも立てる男の方が美しいと私は思っている、だから私もそう生きただけだ』

『宮田君は、おまえの祖父になる男は肚底から美しい男だ。あんな生き方は真似出来ない、おまえにもソックリ真似するなど難しかろう』

祖父自身が、もう一人の祖父との違いを語ってくれた。
今日、初めて聴いた祖父の本音は時間経るごと響いてくる。
だから想ってしまう、いつか自分も我が身の言葉として同じ事を言うのだろうか?

『おまえは私と似て計算高くて狡猾だが宮田君と同じ生真面目がある、英二は仮面を被ることも私とそっくりに巧い』

あんなふうに言われた通り、自分は生きるのだろうか?

そんな問いかけ廻らせながら見覚えある部屋に上がる。
そして床の間に向かい腰下した前、スーツジャケット脱ぎながら蒔田が笑ってくれた。

「やっぱり宮田くんはモテるな、あの仲居サンがあんな貌するなんて珍しいんだぞ?」
「そうなんですか?」

さらり笑い流して自分もジャケットを脱ぐ。
けれど衿元は緩めず敬意を示す向かい、いつものよう腕まくりした笑顔が言ってくれた。

「今日は宮田くんの昇進祝いだ、おまかせで予約してあるが好きなように追加注文してくれ、」

前と同じ、変わらない気さくが笑ってくれる。
この笑顔すら今は利用しなくてはいけない、そんな現実ごと英二は微笑んだ。

「ありがとうございます、じゃあ遠慮なくオーダーして良いですか?」
「もちろんだ、何かリクエストあるかい?」

愉しげに笑ってくれる眼差しは大らかに温かい。
それが懐かしい笑顔すこし似ていて、その追憶を見つめながら笑いかけた。

「観碕征治さんを、リクエストさせてくれますか?」

観碕征治、

この名前に大らかな瞳かすかに大きくなる。
そのまま吐息ひとつ微笑んで真直ぐ訊いてくれた。

「観碕さんを知ってるのか?」
「七機にいらっしゃいました、先月、」

事実の断片を告げた先、袖捲りした手かるく握りだす。
その拳つけた口許が考えこむよう問いかけた。

「目的は?」
「史料編纂と仰っていました、警備部からの嘱託で書庫の閲覧に来られて、俺がサポートを指名されました、」

あのとき言われた通り答えた前で瞳そっと細くなる。
そんな貌にまた祖父の言葉が重ならす。

『ノンキャリア出身の有能な官僚がいるそうだな』

あの祖父に「有能」と言わせた男の解釈を訊いてみたい。
そして情報と証拠を引き出させたい、そう見つめる拳の口許が動いた。

「指紋照合の通信記録がある、対象は宮田くんのだったが、あれは観碕さんか?」

やっぱり観碕は指紋を調べてくれた。

七機の書庫室、あの場で観碕の前に立たされコピーを手伝わされた。
あのとき指紋を採られるのだと見て、その通りに動いていた事実が可笑しい。

あの男は「指紋」を気づけるのだろうか?

そんな思案に微かな足音が近づかす。
その気配にただ微笑んだ座敷、回廊の雪見障子から声かけられた。

「失礼します、」

落着いた声に戸のからり開いて料理が運び込まれる。
整えられていく食膳は品数多い、そこにある意図と蒔田の言葉に気づいてしまう。

―全部を一度に並べさせてる、出入りを無くすために、

たぶん今日この場は当に「密会」だ?
そんな感想ごと仲居達が戻った席、英二は笑った。

「蒔田さん、今日は俺の事情聴取が目的ですね?」

部下の指紋照合がされたなら、気にならない上司などいない。

今は第七機動隊所属になり指揮系統を辿れば警備部長が上司にあたる。
地域部長である蒔田の指揮下に今は無い、それでも「同じ山ヤ」として今日を誘ってくれた。
そこにある意志を見つめた真中で大らかな眼は困ったよう、けれど愉快そうに笑ってくれた。

「指紋照合なんてサスガに気になるよ、いったい何をしでかして指紋を調べられてるんだろうってな、」
「それで本人を呼びだしたんですか?」

笑って訊き返しながら愉しくなってくる。
こんなにストレートな事情聴取も無いだろう、だから意図が解かる。

―蒔田さんも正直に答えるなんて思ってない、警告だな?

自分が「何か」動いている。

それを蒔田は気づいていると夏、この座敷で言ってくれた。
そして本音を話してくれている、その信頼に困り顔で笑ってくれた。

「たぶん宮田くんの事だから想定内だろう、でも実際の動きも知りたいだろうと思ってな?そしたら予想通りの名前が出たよ、」

やっぱり蒔田は解かっている。
そうでなければ「有能」と言われないだろう、そんな納得と笑いかけた。

「なぜ予想通りでしたか?」
「史料編纂の事は聴いていたからな、あれは実際ある話なんだ、前からな?」

告げてくれる回答に証拠ひとつ現れる。
今言われたのは思った通りなのだろう、その推定に問いかけた。

「史料編纂は50年前か、30年前からの話ですか?」

五十年前、三十年前、この歳月に重ならす存在がある。

それを蒔田は知っているのだろうか?
少なくとも断片は気づいているはず、そんな思案に笑顔ほろ苦く口開いた。

「そうだ、五十年前から始まっている、主任担当は定年後も変わっていない…そういうことか?」

そういうことか?

そう吐息ごと疑問符が投げかけて、前から眼差しが自分を映す。
その瞳は穏やかなまま凪いで、けれど深く、隠した14年の埋み火が熾きてゆく。
ずっと捜していた、悔いていた、そんな歳月を燈す道標ひとつ見つめて英二は微笑んだ。

「観碕征治のこと、知る限り話してくれますか?小さな事も全て、」







(to be continued)

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雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚12

2014-02-21 14:15:01 | 雑談寓話
こんにちわ、地元は雪がシッカリあります。
もう2週間近く雪国モードですけど、残雪があると気温も低めですね。

第74話「傍証5」加筆を倍くらいする予定です。
ソレ終わったらAesculapiusか短編連載の続きを考えています。

で、昨日掲載した雑談にバナー押して頂いたようなので続き載せます。
楽しんでくれる方いるんなら嬉しいんですけど、笑



雑談寓話:或るフィクション×ノンフィクション@御曹司譚12

土曜午前1時過ぎのカジュアルバー、
半個室で深夜モード呑みを同僚御曹司クンとしてるワケですが。
BL本がゲイやバイセクシャルへの偏見を助長する=少数派で事例少ない=民族偏見と一緒だなって話して。
結局のトコ、マイノリティであることが御曹司クンと幼馴染クンの擦違いになって二人は別れたんだなって思った。

マイノリティ=少数派であること=人数少ないから出会うケースも少ない、
リアルに出会う前に変テコ妄想を作られてしまうと、その妄想が色眼鏡になって珍獣扱いされる。
そういう色眼鏡をBL本が作ってるんだなってこと、御曹司クンの涙と幼馴染クンの仕方ない狡さに思ったりした。
マイノリティであることに御曹司クンは傷ついてるな?って思ってさ、だから学生時代の友達のコト話そうかなって思った。

「あのさ、メールに友達でバイがいるって書いたの憶えてる?笑」
「もちろん、」

頷いた御曹司クン、ソレ訊きたかったんだよねーって貌になった、笑
で、話し始めたよ。

「大学の時の友達なんだけどさ、そいつは別の大学に行ってたんだけどよくウチのガッコに遊びに来てたんだよね、週末とか長期休みにさ、
そいつの幼馴染が自分とケッコウ仲良かったわけ、で、そいつ酒が好きなヤツでアウトドア系も好きだから自分とも仲良くなってよく遊んでた、」

幼馴染、ってトコで「おおっ?」てなった方いますか?笑

御曹司クンも「おおっ?」て貌になったんだよね、笑
で、早く続き話してよって貌したから続き話したよ。

「ガッコの友達は酒弱くってすぐ寝ちゃうんだよね、だから3人で遊んでも最後はそいつとサシ呑みでさ、2人でいろんな話よくしてたよ、
そいつ彼女いたんだけど高校から大学2年までの間に4回くらい別れたり付合ったりしててさ、毎回のこと彼女が他の男にいっては戻ってんの、笑」

いったら悪いけど八方美人な子だったんだよね、その女の子、笑
そしたら御曹司クンが案の定ソコに反応した、

「なんかさ、その女ちょっと尻軽すぎね?八方美人の見本かよってカンジ、笑」
「だね、年賀状が百通くるって自慢するような子だから、笑」

御曹司クンの言う通りなんだよね、だから頷いちゃったよ、笑
そしたら可笑しそうに笑いだした。

「ナンカそんな歌あったよな?友達百人出来るかなって、笑」
「そういう優等生ちゃんな子だよ、女王サマしないと気が済まないってカンジ。お嬢サマ大学の子でさ、笑」

箱入り我儘お嬢って感じの子だったなー思いながら笑ってさ。
で、その子について少し続けた。

「ソコソコの顔で愛想が良いからモテたらしくてさ、ソンナ彼女にそいつ振り回されてんの。ホントお人よしだなって思ってたよ、笑
でも、そいつも馬鹿正直なとこがあってさ?それが原因で彼女もフラフラ他に行って、その度にやっぱりって戻って来るってカンジだったよ、」

彼女が何で尻軽ちゃんだったのか?
その原因は結局のトコ彼にあったんだよね、で、そこに御曹司クン訊いてきた。

「馬鹿正直だから彼女がフラついてたって、どういう意味?」
「よく女の子がやっちゃうNG質問あるじゃん、アレやっちゃう子だったのも原因ってこと、笑」

女の子が男にするNG質問、って幾つかあると思うけど。
嘘吐くか決裂するか?ってなる2つについてが今回の議案だった、笑

「仕事と私のドッチが大事?友達○○君と私とドッチが大事?って女の子で訊いちゃう子いるじゃん、アレに彼は馬鹿正直に答えてたワケ。
ガッコの勉強と彼女、部活と彼女、幼馴染のヤツと彼女、ドッチが大事ってさ?高校で付合いだした時からずっと毎度訊かれてたらしいよ、笑」

こういう質問ってさ、おまえが一番だよって言われたくてするんだろうけど。
でも本音を言っちゃえば、ヤリタイ事も友達もすごい大事なのが男の普通なんだよね。
むしろ恋愛最優先なヤツって男としてドウよ?ってなる、

仕事より恋愛優先=仕事が出来ないヤツ、
勉強より恋愛優先=自分のビジョンを貫けない初志貫徹NGなヤツ、
友情より恋愛優先=カミサン大事にするのは良いけど友達大事にしないヤツってツマラナイな、

なんてカンジにね、責任感とか意志力とか、信頼度から疑われちゃうワケ。
そういうの理解出来ない女の人と付合うのも「我儘可愛い」ってカンジで有りだろうけど、
ソレの本音を言ってしまうなら、ドッカ愛玩動物っぽい気持ちで対等な恋人関係とは言い難いなって思う。

で、大学の時の友達は愛玩動物=恋人にはならないタイプなんだよね、結局は。
そこんとこ御曹司クンがツッコンでくれた。

「そういうの俺も彼女とかに言われた、ああいうので申し訳ないけど、やっぱ女と付合うのメンドクサイって俺はなっちゃうや、笑」
「自分も程度超えたらムカつくタイプだよ笑 で、そいつは馬鹿正直に勉強のが大事、部活のが大事、幼馴染のが大事って答えてたわけ、」

そういうの彼にとったら重かったんだよね。
それが女王サマお嬢には赦せなかった、そんな擦違いの顛末を続けたよ。

「ソンナわけで彼女はくっついたり離れたりしてさ、そういう彼女だからソイツも結局のトコ本当に信じられなくて一番に出来なかったワケ。
彼女が尻軽する分だけ彼の信頼も減ってね、それでも初彼女だから忘れらんなくて好きでさ?結局のとこ不毛な付合いだなって自分は見てたけど、
で、大学3年の時だったかホントに最後が来てさ、彼女に社会人の男が出来て婚約しちゃってサヨナラして、凹んだそいつが急に遊びに来たんだけど、」

大学3年、たぶん梅雨入りの頃だったな?
そんな記憶ひっぱりだしながら核心その1を言ったよ。

「半べそなソイツ囲んで酒飲んで、また幼馴染のが先に寝ちゃってサシ呑みになったらさ?ホントに凹む理由は彼女じゃないって言うワケ、
訊いてほしそうだからナニ?って訊いたら、強姦未遂されたショックで大学に居辛くて、コッチへ逃げたくなって遊びに来たって言われたよ、」

そいつ=男なんだけど強姦未遂されたんだよね、
っていう事実に御曹司クンの大きい目がヨリ大きくなった。

「あー…男が強姦未遂って、もしかして男にヤられそうになったってこと?」
「だよ?笑」

笑って頷いたグラスの向こう、御曹司クンの目が大きいまんま停まってた。





とりあえずココで一旦切りますけど、飲み会談話まだ続きあります、笑
おもしろかったらコメントorバナー押すなど頂けたら嬉しいです、
で、気が向いたら続篇載せます、笑

このあと第74話の加筆校正の予定です。

休憩合間に取り急ぎ、




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Short Scene Talk ふたり暮らしact.28 ―Aesculapius act.38

2014-02-21 08:50:01 | short scene talk
二人生活@morning
Aesculapius第2章act.26の幕間



Short Scene Talk ふたり暮らしact.28 ―Aesculapius act.38

「雅樹さん、ゴハン出来たね(笑顔)(今朝も美味いって言ってもらえるかね)」
「ありがとう光一、あ、すごく佳い匂いだね(至福笑顔)(ああ今朝も朝から頑張ってくれてる僕のために萌)」
「うんっ、今朝は味噌ぬった厚焼きしてみたねっ(御機嫌笑顔)(匂いからは好みっぽいね嬉しいねっ)」
「美味しそうだね(笑顔)(制服ワイシャツ袖捲りネクタイにエプロンも可愛い萌こういうの毎朝見られるんだ嬉幸)」
「ゴハンもしっかり炊き立てだからね、うんと食べてねっ(御機嫌笑顔)(ワイシャツネクタイの雅樹さんと朝飯ってナンカ良いね嬉)」
「ありがとう光一、でも平日はもっと簡単でも良いよ?僕も独り暮らしの時はパンとコーヒーだったし(学校があると支度も大変だろうし部活によったら朝練とかあるかもしれないし)」
「ありがと雅樹さん、でも俺は朝飯シッカリ食いたいけど…雅樹さん迷惑?(御岳ではシッカリ雅樹さんも食ってたから仕度したんだけど)」
「迷惑なんて無いよ?(絶対そんなん無いし!)光一の支度が大変だろうって心配なんだ、僕も仕事の朝はあまり時間無い方だし(どうしよう光一に勘違いさせちゃったかな迷惑とかあるわけないのに)」
「ね、ほんとのコト教えて?雅樹さんは朝飯どっちか言うとシッカリと簡単とドッチが好き?(潤々目)(お願いホントのこと言って?)」
「あ、照萌(すごい可愛い目してる僕こんなの平日朝から萌悶々)」
「ね?ずっと一緒に暮らすならそういうの解ってないと、だから教えて雅樹さん、(潤々目×笑顔)(ちゃんと好み知りたいね)」
「光一のご飯なら幸せだよ、どっちも大好きで嬉しいな、(笑顔)(僕ほんとは光一を朝いちばん食べ萌照って僕なに考えてるんだホント僕変態だでもホントにそれ出来ると幸せなんだけど照困×悶)」
「じゃあ、シッカリ作ってもいい?(雅樹さん忙しいし朝飯シッカリ食べて元気でいてほしいね)」
「うん、光一が大変じゃないようにしてくれるなら、その方が嬉しいよ?(だって朝から手料理とかって幸せなんだ本当に萌)」
「よかった(極上笑顔)ね、味噌汁もうつけてイイ?」
「うん、お願いします萌(ああすごく可愛いきれい貌で笑ってるこの貌ほんと好き照萌ワイシャツ袖捲りも可愛い制服も良いな萌喜)」
「ね、ワイシャツネクタイの雅樹さんと朝飯ってさ、ナンカ夫婦っぽくて良いねっ(御機嫌笑顔)(なんかイイねこういうの嬉)」
「ふ…照真赤(夫婦ってソンナの照れる嬉しいああ夫婦の朝XXXとか考えちゃう僕ほんと助平だどうしよう困照×幸悶々)」




Aesculapius第2章act.26の幕間、光一と雅樹@湯島自宅4です。
悶々な雅樹×無邪気な光一、齢の差コンビな擦違いと幸福のワンシーンです、笑

第74話「傍証5」加筆校正また倍くらいします。
それ終わったら短編連載かAesculapius新章の予定です。

朝に取り急ぎ、




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