ひきこんで、
secret talk49 独寝act.3 ―dead of night
零時が過ぎる、もう明日が今日。
その瞬間にオレンジが香って、黒目がちの瞳が自分を見た。
「みやた…なんできた?」
眠たげな声おだやかに深い。
真昼なら君こんなふうに話さない、この知らない貌に英二は微笑んだ。
「なんでって湯原、どういう意味?」
「こんなじかんに…なんで…おれのとこ?」
眠たい声が応えて、長い睫ゆるやかに瞬く。
眠気なんとか堪えている、そんな吐息に笑いかけた。
「さっき湯原が来てくれたから、」
君から来てくれた、今夜そのベランダの隣に。
自分の部屋に君が来た、そうして追いかけた隣室のデスクオレンジが香った。
「ん…たしかにぼ、いったけど…なんじ?」
さわやかな深い甘い香こぼれる、眠たい吐息ひそやかに香る。
この甘さ君は自覚しているだろうか?
―だったら罪深いよな?
心裡つぶやいて鼓動が波うつ、香あまくて惹きこまれる。
香の視線やわらかに睫おだやかで、こんな貌こんな時間に微笑んだ。
「0時過ぎたよ、眠たい?」
「ん…ごめんみやた、」
長い睫そっと伏せて、すこし厚い唇があくび零す。
あまやかな爽やかな香そっと頬撫でて、あまくて腕が伸びた。
「っ、」
一瞬、瞬きハンブンの衝動。
伸ばした掌シャツふれる、コットンの感触つかんで抱きこむ。
「み、やた?」
途惑った声ふところ深い、もう抱きすくめてしまった。
こんなにも自分の体は素直で、予想外で可笑しくて笑った。
「あやまるんなら湯原、抱き枕になってよ?」
抱きしめて、冗談半分のフリしても抱きしめ捉まえる。
これは男同士のふざけっこ、そんな仮面かぶって笑った。
「俺ほんとは抱き枕がないと眠れないんだ、あやまるなら一晩たのむよ?」
こんな願いごと図々しい、でも赦してくれる?
―ただ傍にいたいんだ、湯原、
波うつ鼓動、布ふたつ透かして響きだす。
Tシャツと白シャツ透って呼応する、脈うつ時間に小柄な肩ふるえた。
※校正中
にほんブログ村 blogramランキング参加中!
英二side story追伸@第5話 道刻
secret talk49 独寝act.3 ―dead of night
零時が過ぎる、もう明日が今日。
その瞬間にオレンジが香って、黒目がちの瞳が自分を見た。
「みやた…なんできた?」
眠たげな声おだやかに深い。
真昼なら君こんなふうに話さない、この知らない貌に英二は微笑んだ。
「なんでって湯原、どういう意味?」
「こんなじかんに…なんで…おれのとこ?」
眠たい声が応えて、長い睫ゆるやかに瞬く。
眠気なんとか堪えている、そんな吐息に笑いかけた。
「さっき湯原が来てくれたから、」
君から来てくれた、今夜そのベランダの隣に。
自分の部屋に君が来た、そうして追いかけた隣室のデスクオレンジが香った。
「ん…たしかにぼ、いったけど…なんじ?」
さわやかな深い甘い香こぼれる、眠たい吐息ひそやかに香る。
この甘さ君は自覚しているだろうか?
―だったら罪深いよな?
心裡つぶやいて鼓動が波うつ、香あまくて惹きこまれる。
香の視線やわらかに睫おだやかで、こんな貌こんな時間に微笑んだ。
「0時過ぎたよ、眠たい?」
「ん…ごめんみやた、」
長い睫そっと伏せて、すこし厚い唇があくび零す。
あまやかな爽やかな香そっと頬撫でて、あまくて腕が伸びた。
「っ、」
一瞬、瞬きハンブンの衝動。
伸ばした掌シャツふれる、コットンの感触つかんで抱きこむ。
「み、やた?」
途惑った声ふところ深い、もう抱きすくめてしまった。
こんなにも自分の体は素直で、予想外で可笑しくて笑った。
「あやまるんなら湯原、抱き枕になってよ?」
抱きしめて、冗談半分のフリしても抱きしめ捉まえる。
これは男同士のふざけっこ、そんな仮面かぶって笑った。
「俺ほんとは抱き枕がないと眠れないんだ、あやまるなら一晩たのむよ?」
こんな願いごと図々しい、でも赦してくれる?
―ただ傍にいたいんだ、湯原、
波うつ鼓動、布ふたつ透かして響きだす。
Tシャツと白シャツ透って呼応する、脈うつ時間に小柄な肩ふるえた。
※校正中
secret talk48 独寝act.2← →secret talk50
にほんブログ村 blogramランキング参加中!
著作権法より無断利用転載ほか禁じます