想う時間に、

secret talk51 時計 ―dead of night
時を刻む、君と買った時計が。
ほんとうは音なんて聞こえない、けれどデジタル表示に音を聴く。
自習室かたすみテキストの左手首、こつり数字が刻まれ今が過ぎる。
この音あといくどで離れてしまう?数えかけた吐息に英二は微笑んだ。
―そんなに湯原と離れたくないんだ、俺?
君といたい、ひとり身勝手な想いだ。
だから昨夜も夢を見た、眠れぬ夜のデスクつっ伏して。
君のベッド倒れこんで抱きよせて、そんな身勝手な幸福の夢。
でも君はそんなこと想わないだろう?
『俺といてつまらないなら、もう無理して誘わないでいい、』
昨夜のベランダで君が言ったこと、あれは現実だ。
あの言葉は遠慮だろうか、それとも迂遠な拒絶か?
―無理しても誘って、って言ってくれたらいいのにな…湯原、
無理にでも誘ってほしい、それくらい求めてもらえたら?
どうしても一緒にいたいと君が求めてくれたなら、隣を願ってくれたなら、どんなに嬉しいだろう?
―それくらい誰かを求めたことあるのかな、湯原…最初が俺だといいのに、
ぱらり、ページ繰ってペンを奔らす。
想いめぐりながらも頭脳は刻む、ページごと映像化されて貯めてゆく。
こんなことからも思ってしまう、きっと「思考」と「感情」は別なのだろう?
―お祖父さんもだから検事を務められたのかな、同情に流されないでさ?
優しい人だった、真直ぐで誠実で。
あんなふうに自分もなりたかった、でも違う本性も自覚している。
この違いどこが「起源」なのか?解りたくない本音の肩ごし、かすかな汗におった。
「おい、宮田?」
※校正中
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英二side story追伸@第5話 道刻

secret talk51 時計 ―dead of night
時を刻む、君と買った時計が。
ほんとうは音なんて聞こえない、けれどデジタル表示に音を聴く。
自習室かたすみテキストの左手首、こつり数字が刻まれ今が過ぎる。
この音あといくどで離れてしまう?数えかけた吐息に英二は微笑んだ。
―そんなに湯原と離れたくないんだ、俺?
君といたい、ひとり身勝手な想いだ。
だから昨夜も夢を見た、眠れぬ夜のデスクつっ伏して。
君のベッド倒れこんで抱きよせて、そんな身勝手な幸福の夢。
でも君はそんなこと想わないだろう?
『俺といてつまらないなら、もう無理して誘わないでいい、』
昨夜のベランダで君が言ったこと、あれは現実だ。
あの言葉は遠慮だろうか、それとも迂遠な拒絶か?
―無理しても誘って、って言ってくれたらいいのにな…湯原、
無理にでも誘ってほしい、それくらい求めてもらえたら?
どうしても一緒にいたいと君が求めてくれたなら、隣を願ってくれたなら、どんなに嬉しいだろう?
―それくらい誰かを求めたことあるのかな、湯原…最初が俺だといいのに、
ぱらり、ページ繰ってペンを奔らす。
想いめぐりながらも頭脳は刻む、ページごと映像化されて貯めてゆく。
こんなことからも思ってしまう、きっと「思考」と「感情」は別なのだろう?
―お祖父さんもだから検事を務められたのかな、同情に流されないでさ?
優しい人だった、真直ぐで誠実で。
あんなふうに自分もなりたかった、でも違う本性も自覚している。
この違いどこが「起源」なのか?解りたくない本音の肩ごし、かすかな汗におった。
「おい、宮田?」
※校正中
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