萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

横濱点景:時ふる街で

2016-03-25 21:40:24 | 写真:建築点景
Another race hath been


横濱点景:時ふる街で

ひさしぶりに山手を歩いてきました、で、洋館点景です。
建築は好きなので思い立つと見に行くんですけど、今回かなり久しぶりでした。


山手@横浜は一般公開されている洋館があります、
上2・3枚め↑はベーリックホールの窓、この家はスパニッシュテイストなのにカラーリングは北欧風なとこがオモシロいです。


窓、暖炉、折上げ格天井、今様にない様式美があります。


横浜の洋館では花がよく飾られています、こういう生活感が温度あって好きです、笑


暖炉の刻印↓十二弁の菊花紋と似ています。


大正から昭和初期の建築は細部がきれいだと思います、これ↓は玄関扉の上部です。


静寂、建造物の古さびた時間と花の一瞬たたずみます。


写真たちは小説の挿絵になる予定です、笑
撮影地:ブラフ18番館・外交官の家・山手111番館・ベーリックホール@神奈川県横浜市

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山岳点景:春、花の小鳥

2016-03-24 22:22:12 | 写真:山岳点景
春ゆれて、


山岳点景:春、花の小鳥

千鳥のような花姿、ちょっとかわいいなと。
第183回 昔書いたブログも読んで欲しいブログトーナメント

撮影地:碇草@神奈川県某所

いま帰宅したので取り急ぎ、笑
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第84話 整音 act.11-side story「陽はまた昇る」

2016-03-24 22:05:02 | 陽はまた昇るside story
Drown my world with my weeping earnestly 一滴の真実
英二24歳3月



第84話 整音 act.11-side story「陽はまた昇る」

さて、どうしたものか?

「いかがですか、英二さん?」

尋ねながら鉢皿また置いてくれる。
ほろ苦い香が清々しい、出された白和えに箸つけて言った。

「うまいよ、中森さん腕またあげた?」

応えながら左手はページめくる。
二冊目の報告書ながめながら箸うごかして、傍ら穏やかな声が微笑んだ。

「ありがとうございます、御飯のおかわりは?」
「ありがとう、」

茶碗を渡してページまた戻らす。
綴られる事実の羅列に思考めぐらせ組み立てる、この結論は何だろう?

―総務省なら観碕の影響力がある、でも輪倉は?

総務省官房審議官 輪倉義勝 

この肩書だけで「後輩」だと解かる、けれど「近い」だろうか?
プロフィールに一人の男をたどってゆく、その出身校に尋ねた。

「中森さん、東大の法科って結束固い?」

この男なら内情よく知るだろう?
そのままにチャコールグレイのニット姿は口開いた。

「同胞意識と秘密主義はあると思います、嫉妬も強いですが、」
「秘密主義?」

訊き返しながら箸はこんで歯ざわり良い。
これも山菜だろうか?やわらかな苦みと甘みのむこう家宰は言った。

「はい、たとえば公開講座の参加資格は東大法科の在籍者か卒業生です、身内だけに開くことを公開という世界ですよ?」

可笑しいでしょう?そんな眼ざしが笑っている。
明朗な毒舌家に惣菜を呑みこんで笑った。

「公開の意味も世間一般とは別格ってことか、選民意識で結束を固める空気?」
「そういうことです、めんどうですよ?」

なにげない返事、けれど辛辣だ。
それだけの時間を生きてきた男に問いかけた。

「中森さんもそこにいたんだろ、なんで官僚にならなかった?」

この男にヒントはあるだろうか?問いかけた真中で深い瞳は微笑んだ。

「私は国に仕えたいと想えません、強盗に仕えたがる人間などいますか?」

いつもの毒舌、けれど違う。
その言葉まっすぐ見つめて遠い知らない時間に訊いた。

「もしかして中森さん、戦争で家も家族も失くした?お国のためにって、」

この男は「強盗」された。

だからこの男は今この家にいる?
そう見つめた言葉ひとつに深い瞳しずかに笑った。

「そうです、」

静かな声、静かな瞳、だからなおさら傷が映る。
こういう瞳を前にも見た、あの初冬の俤なぜか思いだす。

『山ヤになって、医者を志して、そして…自分が山で死んでしまった、雅樹は帰ってこなかった、』

志して、そのために斃れて帰らない。
そんな命いくつ人間を奪うのだろう、その一人に微笑んだ。

「これからは月に一度は帰ってくるよ、中森さんの飯食べたいから、」

失くした、それなら新しく得ればいい。
その一欠けらに自分もなれるなら?願いの真中で老いた青年は微笑んだ。

「うれしい約束ですね、実現なればですけど?」

いつもの毒舌また返してくれる。
遠慮ない率直は温かで、そんな昔なじみの笑顔に言った。

「俺は約束は守るよ、絶対にね?」
「それは頼もしいですね、期待しましょう、」

笑ってくれるトーン温かい。
この温もり隠しこんだ素顔に問いかけた。

「さっき祖母で言ってたこと、中森さんも考える?」
「どのことでしょう?」

訊き返しながら汁椀のおかわり注いでくれる。
出汁の馥郁やわらかな湯気ごし、英二は言葉そのままなぞった。

「顕子様は亡くされた方たちの分も彼の幸せを願われるから無茶も厭わないのでは、って言ってたろ?中森さんも祖父に同じこと願ってる?」

ことん、

碗ひとつ置かれて静寂たたずむ。
三月真昼、それなのに白いダイニングの窓辺で深い瞳が微笑んだ。

「そうですね、似ているけれど少し違うと思います。顕子様は肉親ですから、」

血の繋がり、その温度がロマンスグレイにたゆたう。
そこにある過去たちへそっと笑った。

「俺はね、家族の誰よりも中森さんが近いよ?」

こんな本音、哀しいことかもしれない。
けれど嘘なんか吐けなくて書類めくりながら言った。

「宮田の祖母も姉ちゃんも面倒みてくれたし、父も俺にかまってくれたよ。宮田の祖父は誰より尊敬できるって今も想ってる、でも本音の全部は言えない、」

ぱさり、ページ繰りながら文字が刻まれる。
頭脳に読みとりながらも感情は別で、ただ素直に笑った。

「俺さ、家の中では中森さんに一番本音を言えるんだ、だけど中森さんの一番は祖父だろ?だから周太のこと捉まえたかった、」

捉まえたかった、君のこと。

唯ひとり君だけは傍にいてほしかった、ずっと一緒にいたかった。
だから無理やり抱いてしまった夜を真昼のダイニングで笑った。

「俺も誰かの一番になりたいんだ、唯ひとりだって見つめてほしいよ?周太のためなら俺、みっともないことでも何でもする、」

ただ君のため、それだけだ。
そのために今もここに座っている、そんな本音と箸を置いた。

「うまかったよ、ごちそうさま、」

笑いかけ書類ふたつと立ちあがる。
傍らチャコールグレイのニット姿は会釈して、その衿元ネクタイ少し直すと言った。

「先ほども申し上げましたが、私はただ英二さんが好きです。だから克憲様の命令よりも今あなたの声を聴いています、」

このタイミングそんなこと言ってくれるんだ?
その言葉ごし深い瞳は穏やかで、昔のまま笑いかけた。

「ありがとう、だけど俺が鷲田でも宮田でも無かったら?」

二人の祖父どちらとも無関係、それでも自分は選ばれる?
こんな問いかけ子供じみているかもしれない、それでも見つめた相手は微笑んだ。

「申し上げたでしょう?私はただ英二さんが好きなのです、」

ただ好きだ、

そんな言葉に記憶そっと揺すられる。
こんな言葉を他にも言われた、そのどれより長い時間の相手は微笑んだ。

「あなたの厄介な性格も、克憲様と宮田様の孫である事実も、あなたの全てを知って好きだと言ってるんですよ?彼との感情とはまた違いますが、」

厄介な性格、孫である事実。
こんなふう隠さずただ言ってくれる、その眼ざし深く笑ってくれた。

「私はただの使用人です、それでも私なりに英二さんを愛しています。だからいつも遠慮なく正直に言わせてもらうのです、あなたがただ可愛くて、」

こんなこと、初めて言われた。

「いま、かわいいって言った?」

この自分が「可愛い」なんて初耳だ?
慣れない言葉に見つめた真中、ロマンスグレイの笑顔ほころんだ。

「言いました、いろんな意味で可愛いくて仕方ないんですよ?息子のようで孫のようで、困り者の友人みたいでもあり、弟の時もあります、」

こんなこと自分が言われるなんて?

「ふっ、」

可笑しくて笑ってしまう、だって意外すぎる。
こんなこと誰も自分に言ってくれなかった、その初めてに笑った。

「俺、そんなふうに言われたの初めてだよ?」
「そうでしょうね、カッコイイは聞き飽きているでしょうけど、」

率直な声また笑ってくれる。
こういう男だから祖父も離さないのだろう?あらためて知る貌に問いかけた。

「観碕と祖父と、輪倉さんの同胞意識はどっちにあると想う?」

同門ふたり、どちらを輪倉は選ぶだろう?
問いかけた先で同じ母校の男は笑った。

「どちらでもないかもしれませんよ?あなたに会うため来るのですから、」

自分に会う、それが目的だろうか?
思考たぐりながらシャツの胸元ふれて、記憶ひとつ尋ねた。

「鍵は?」

いつもある金属の輪郭、今それが指先にふれない。

「俺、首から鍵を提げてたろ?病院で外されたんだろうけど、今どこにある?」

あの鍵は失くせない、なにがあっても。
それなのに今の今まで気づかなかった、ただ愕然に掌さしだされた。

「お預かりしていました、どうぞ?」

大きな掌のなか古い鍵ひとつ輝きあわい。
繋がれた革紐ちゃんとある、ほっと息吐いて受けとった。

「ありがとう、」

黒い革紐いつもどおり首から提げる。
シャツの底ひそやかに金属は冷たい、けれどすぐ温まる肌感覚に訊かれた。

「よほど大切な鍵なのですね?古い物のようですが、」
「うん、古いぶんだけ大事だよ?」

微笑んで応えながら胸もと金属の輪郭なぞる。
硬いくせ温かい、感覚ごと慕わしい記憶に想い尋ねた。

「さっき中森さん訊いたろ、なぜ裏切ったのかって。あれは俺が周太を裏切ってるってこと?」

なぜ?

その問いかけ自分でも知りたい。
そんな質問者は静かに微笑んだ。

「英二さんがそう感じたのなら、」
「俺が後ろめたがってるってことか、周太への気持ちに探りいれたんだ?」

訊き返し見つめて、その先で深い瞳が微笑む。
ただ静かに穏やかな眼ざしは落ちついた声で言った。

「英二さん、幸せにならなくてはいけませんよ?あなたも彼も、誰もがです、」

彼も、誰もが。

ならべられた言葉にあらためて気づく、この男は有能だ?
そうして調べられた身辺に可笑しくて笑った。

「中森さん、俺が誰と何あったのかも調べたんだろ?」
「今後を考えるには必要でしょう?」

応えてくれる声は穏やかに落ちつかす。
後ろめたい欠片すこしもない、その言葉に笑って訊いた。

「俺に見合いの話ってことか、政略結婚イマドキあるんだ?」

だから身辺調査したのだろう?
解かっている現実に家宰は微笑んだ。

「ございます、ですが先ほど申し上げた通りです。不幸な結婚に縛られるより、借り腹で健やかなお子様が恵まれるなら克憲様も喜ばれます、」

あらためて告げてくれる、その言葉は厳しく優しい。
これに自分はどう答えたら良い?考えながら報告書二通と微笑んだ。

「その話、輪倉さんが帰った後でいい?」
「英二さんのご気分次第でかまいませんよ、」

微笑んでダイニングの扉を開けてくれる。
開かれた廊下の窓ふる空が青い、早春の空に嬉しくて笑った。

「ヴァイゼと庭にでるよ。飯の間ずっと待ってたろ、ヴァイゼ?」

笑いかけた脚もと茶色の瞳が見あげてくれる。
はずんだ愛犬の眼ざしに家宰も肯いてくれた。

「上着をきちんと着てくださいね、まだ走るのもダメですよ?」
「走らないよ、なあヴァイゼ?」

応えながら黒い耳そっと撫でてやる。
つぶらな瞳細めて心地よげ、そんな愛犬のむこう家宰が言った。

「上着が嫌ならマフラーはしてください、それから、ひとつ聴かせて頂けますか?」

訊いてくれる声は穏やかに変わらない。
その眼ざし真直ぐ英二を見つめて、静かな微笑は言った。

「山は絶対に離れたくない仕事であり夢だと仰っていましたね、そのお気持ちは五十年後も変りませんか?」

なぜ、あらためて訊くのだろう?
すこし不思議で、それでも率直に笑った。

「変わらないよ、俺はずっと山に生きたい、」

ずっと、あの場所で生きていたい。

そのために過去の全て捨てたかった、けれど今ここにいる。
こうして戻ってきたことも自分で選んだ、そんな今を静かな瞳は肯いてくれた。

「わかりました、」

穏やかな静かな瞳は笑っている、この微笑は何を想う?


(to be continued)

【引用詩文:John Donne「HOLY SONNETS:DIVINE MEDITATIONS」】
【引用資料:Blaise Pascal『Pensees』/『世界の名著24パスカル』訳:前田陽一・由木康】

英二と中森↓ちょっと気になったら
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山岳点景:森の弥生

2016-03-23 11:35:12 | 写真:山岳点景
陽だまりの花



山岳点景:森の弥生

弥生三月、森は枯葉の底から咲きだします。



先駆ける花は三角草ミスミソウ、別名・雪割草と言うように雪解けの落葉の底から咲きだします。
この花が現れると春植物=スプリング・エフェメラルたちも芽吹き、花の時季です。



スプリング・エフェメラルの代表といえば片栗カタクリ、
うつむき加減×あわい赤紫の華奢な花姿は春の妖精らしいなって思います、ほんとはオモシロい性質なんですけど、笑



片栗が咲くころ、二輪草ニリンソウも白い小さな花を現わします。



春の森で個性的なのは碇草イカリソウ、翼開くような花姿がかわいいです、笑



もう山吹草ヤマブキソウも咲きだしました、いつもなら四月ごろ開く花です。
あざやかな黄色は5月まで森の底を染めあげます。



三月の木花といえば辛夷コブシ↓この花を熊が食べること知っていますか?笑



山桜も咲きだしました、昨日二輪あったので今日はもっと開くかと。



紅葉苺モミジイチゴ、見過ごされがちな花ですが光透ける姿は清雅で惹かれます。


撮影地:森@神奈川県

ちょっと気分転換になったら↓
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春の森は落葉の底=花や木の芽が落葉に隠れて見えないため、知らないと踏み潰します。
だから林床に入りこむのは絶対NGです→撮るなら足元ちゃんと確認+遠くからズーム利かせて+ルート遵守で道から逸れずに。
特に三脚は木の根や草の芽を再生不可能まで潰す原因になります、撮影者の安全についても三脚をひっかけ転滑落が珍しくありません。
これら守って撮れなきゃ諦めましょう、写真の花より生きて咲く花のほうがずっと綺麗です。

また盗掘は犯罪です、移植は枯死させるだけと知ってください。
山野草の生育条件は地質×気温×湿度×日照条件×標高など様々な要素の微妙なバランスにあります、
それらを人工的に再現することは難しいため、移植した後に枯れて耐えさせるなんてことはザラです。

植生は、その場所が植物と合うため花を咲かせることができます。
たとえ移植に成功しても元の最適条件にあった花より色褪せるだけです、
花はその場所にあってこそ美しく咲きます、人間の適材適所と同じようなモンです、笑

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時限日記:たまには言いたい放題

2016-03-22 23:00:16 | 思考雑談
てきとーなとき非公開にするかもしれないので時限付で、笑

ランキングサイトに登録していますけど、その目的は読者サンの反応を知りたいから。
記事に貼ってあるバナー押すとランキングポイントになる→順位UPする=支持率バロメーターなわけですが、
そのサイトは記事トーナメントもあり、エントリーすると他の参加ブログを閲覧することもあるんですけど、
今さっき読ませてもらったブログで↓こんなカンジの文章がありました。

“同性愛のブログは内容にかかわらずアダルト指定されることが哀しい、R18ってことなのかな?”

友達もこういうコト言ってたな?って思いだしました。
ソイツは女性ともアレコレできるけど男に対する恋愛感情が強くて、
だけど同性愛だと問答無用で線引きされるから、ソレが怖くて女性とも恋愛しないといけない=結婚は義務。
かといって相手になる女性をまったく愛さないわけでもない、彼なり大切に想っているし真面目に社会人している男です。

「女との恋愛は星の数ほどあるけど、男との恋愛は一期一会で俺の大切な一部」

なんてコト言っちゃうヤツで、
コンナコト言うと女性を敵に回すぞーなんて笑ってやったら、

「女だってゲイを玩具にしてんじゃん、BLとかってマジ不快だし迷惑、」

なんて台詞スタートから本気で怒って、

「ゲイだから変態って決めつけんじゃねーよ、俺だってフツーに真面目に社会人やってんだよっ、露出狂も虐待も異性愛のが多いだろがバーーカ、」

など言いながら泣きながらビール飲んだり、
男を好きになるたび振向いてほしくて近づいて、けれど不器用なまんま関係ごと壊れて、
そんな繰り返しばかりして、だから結局のところソイツは「女性とも恋愛しないと」ってホントの気持ち隠すことに慣れてしまった。
ようするにソイツは自身に嘘吐くことに慣れて、ソンナトコロまで追い込んでゆく正体は「内容にかかわらずアダルト指定される」と同じだ。

こういうヤツ近く見ているから尚更、初めて読んだブログでも響いたのかもしれない。
ねえ、ちょっと聞いてよ12ブログトーナメント

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山岳点景:星霜の春―Spring ephemeral

2016-03-22 20:05:02 | 写真:山岳点景
森の春に



山岳点景:星霜の春―Spring ephemeral

片栗カタクリが近場の森でも咲きだしました。
春植物=スプリング・エフェメラルの代表的な花です。



Spring ephemeral スプリング・エフェメラル

直訳すると「春の一瞬・儚いもの」意訳して「春の妖精」とも言われます。
その名前どおりスプリング・エフェメラルは春から夏になる前まで地上に現れる植物です。



カタクリも地上の姿は2ヶ月/年=一年で2ヶ月しか光合成ができないってコトです。
そのため開花まで発芽から10年近くかかります。



Spring ephemeral=春儚いものと呼ばれて、けれど長く地中に過ごす堅実は見えない逞しさがあります。
そんなふう歳月を地中で過ごして、それから咲く花は春の陽を透かしてきれいです。


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撮影地:森@神奈川県某所

春の森は落葉の底=花や木の芽が落葉に隠れて見えないため、知らないと踏み潰します。
だから林床に入りこむのは絶対NGです→撮るなら足元ちゃんと確認+遠くからズーム利かせて+ルート遵守で道から逸れずに。
特に三脚は木の根や草の芽を再生不可能まで潰す原因になります、撮影者の安全についても三脚をひっかけ転滑落が珍しくありません。
これら守って撮れなきゃ諦めましょう、写真の花より生きて咲く花のほうがずっと綺麗です。

また盗掘は犯罪です、移植は枯死させるだけと知ってください。
山野草の生育条件は地質×気温×湿度×日照条件×標高など様々な要素の微妙なバランスにあります、
それらを人工的に再現することは難しいため、移植した後に枯れて耐えさせるなんてことはザラです。
特にカタクリは昆虫との相互扶助が欠かせません。
受粉から種子の運搬まで蜂や蟻に頼っている植物なため、元の場所から移すと殖やすことも困難です。
人工的に植えて観光名所になった丘陵も自然条件が適合してこその賜物、個人の庭では環境が違うため花の命を枯らしてしまいます。

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山岳点景:洞窟伝承

2016-03-22 01:26:11 | 写真:山岳点景
真偽の此岸



山岳点景:洞窟伝承

昨日は不二洞に行ってきましたけど、
標高700mにあり全長約2.2km、縦穴いくつも繋がれる関東最大の洞窟です。
発見されたのは1,200年前、猿が集まっているところを村人が見つけたんだとか。



元は修行場だった名残りで奇岩それぞれ仏教用語を名づけられています。
約400年前に修行場となり有名になったと解説にあるんですけど、
最初に修行場にした僧侶をこんな↓カンジに書いてありました。

「藤原山吉祥寺の中興開山上人」

藤原山吉祥寺は群馬県多野郡上野村川和地区にある曹洞宗の寺院です。
不二洞から1.5kmくらいの場所にあり、枝垂桜がきれいなんだとか。

で、問題は「中興開山上人」がミステリーだなってことです、笑

中興=国家や寺院・流派などの継承者が、その継いだものを盛んにするor復興させること。
開山=寺を開くこと。
上人=僧侶の尊称、高徳の僧に対してつかう。

という言葉の意味から考えると解釈二通りで、

①藤原山吉祥寺を開山した僧、中興
②藤原山吉祥寺を中興した僧、開山

となるため僧侶の名前が「中興」なのか「開山」なのかも不明です。
この伝承を記した古文書の原本を見ればナンカ解かるかもしれませんけど、
もしかしたら「中興」「開山」の意味が解らない人間がつけた名前かもしれません、

①この洞窟を有名にしたいな、そうだ発見者は尊いお上人さまってことにしよう、名前は尊そうな言葉をくっつけて~
②この洞窟を発見したのは尊いお上人さまと伝わっているけど名前が解からない、でも名無しは困るから尊そうな言葉を~

なんてカンジに伝承や名前をアトヅケ作るのは珍しい事じゃなく、
それは「略縁起」と呼ばれる寺社の由来書=ガイドブック作成のために面白い+箔付になる伝承が求められました。
ようするに・観光客誘致のため興味を引くような伝承が必要だったワケです。

この略縁起は昔に作られて=当然だけど毛筆で書かれいます。
その字体は「変体仮名=くずし字」で読み難い文字もあり、虫食いで欠損していることも珍しくありません。
そうした難解字や欠落を調べて現代仮名にする作業を「翻刻」と言うんですけど、解読不能→適当な字を当てることも普通にあります。
それを写本のたび繰りかえすと元の字・意味・意図が間違って伝わることも当然あるワケで、

もしかすると「中興開山上人」も翻刻のときに誤読したかもしれません。

たとえば、
「中輿」→「輿・ヨ」を「興・コウ」と誤読=「開山した僧、中輿」
「関山」→「関・カン」を「開・カイ」と誤読=「中興した僧、関山」

この誤記・誤読に該当しそうな僧侶がいるか?というと、
同寺名で群馬県利根郡川場村に「青竜山吉祥寺」があります。
1339年に中巌円月禅師を開山とし 大友時氏が臨済宗の禅寺です。

この「中巌円月」を「中興」と誤記or誤読した可能性もアリかなと。
ただし川場村は同じ群馬県でも上野村から100kmほど離れています。
また年代も250年ほどズレるので違うだろうなと。

いずれにしても「中興開山上人」は謎、
実名「中●」または「●山」を誤記したものが伝わってしまったのか、
実名「中●」または「●山」と記したくずし字を翻刻で誤読したのか、
それとも名前が伝わっておらず後世適当に仏教用語で命名してしまったのか?

山名「藤原山」について余談ですけど、群馬県魚沼市に標高1,709メートル藤原山があります。
また群馬県みなかみ町藤原という地名もあり、利根川の源流域にある豪雪地帯です。
とはいえ・寺の山号=山岳の名前とまったく関係ないこともよくあります、笑

以上ざっくり調べたので正確なことは解からないんですけど、
吉祥寺略縁起の原本×周辺文献×フィールドワークしてみれば結論なにやら探れるかと。

で、コウイウ↑文献調査ほかオモシロい人は史学や国文学も向いていると思います、笑


撮影地:不二洞@群馬県多野郡上野村

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第84話 整音 act.10-side story「陽はまた昇る」

2016-03-21 22:40:10 | 陽はまた昇るside story
My world’s both parts, 居場所ふたつ
英二24歳3月



第84話 整音 act.10-side story「陽はまた昇る」

厚みの重さ掌が抱く、ページ繰って香ほの甘い。
すこし古びた匂いは懐かしむ、それは幼い日だろうか夏だろうか?

『本読ませて、』

穏やかな声が告げてページ繰る、その指すこし小さな手。
木洩陽のベンチに黒髪クセっ毛きらきら光る、あの横顔が好きだった。
緑あわい木蔭の輪郭やわらかな時間、あの長い睫の翳ずっと見惚れる自由が恋しい。

「…周太、今なにしてる?」

唇こぼれた名前ただページ繰る。
呼んでも聞えるはずがない、それでも俤ひとつ追いかける安楽椅子の時間まどろむ。
読みながらも眠れる時間、こんな空気どれくらいぶりか解らないまま足もとの愛犬は温かい。

「ヴァイゼ、どうしたらいいだろな?」

呼びかけて茶色の瞳が見あげてくれる。
やさしい眼ざし深く自分を仰ぐ、静かな想いに扉ノックされた。

「英二さん、昼食いつでもどうぞ?」
「ありがとう、中森さんちょっと来てくれる?」

応えてページすこし戻らせる。
古材かすかに軋んで開かれて、ネクタイの衿もと端正なニット姿は来てくれた。

「失礼します、傷が痛みますか?」

気遣ってくれる声、こんなふう自分をいつも考えてくれる。
その穏やかな声に安楽椅子から一冊、微笑んで一頁さしだした。

「これ、中森さんはどう解釈する?」

この有能な男は何想うだろう?
そんな一頁に深い瞳ほがらかに笑った。

「パスカルの『パンセ』ですね、懐かしい、」

活字に笑って視線はしらす、その笑顔が若い。
もう銀髪になってしまった横顔、それでも瑞々しい眼ざしに笑いかけた。

「中森さんは似てるな、」

今気がついた、ちょっと似ているかもしれない?
想ったまま声にした真中でロマンスグレイが微笑んだ。

「どなたとですか?」
「誰だと想う?」

笑いかけ立ちあがって脇腹ずきり痛覚が奔る。
それでも肩の痛みは薄れた、癒えてゆく感覚と尋ねた。

「輪倉さんの資料ある?昼食べながら読みたいけど、」

もう「支度」とっくに出来ているだろう。
それだけ有能な家宰は本しずかに閉じ微笑んだ。

「ございます、顕子様の動向も読まれますか?」

先回りきちんとしている。
その意志と意図すこし廻らせ笑った。

「祖母のレポートから読むよ、でもマンションの中は解からなかったろ?」

祖母の住む家は「堅固」だ?
もう解かって訊いた先、穏やかな瞳は可笑しそうに笑った。

「はい、管理人の方は有能な女性ですね?」
「ナニーとしても家庭教師としても有能だよ、」

応えながら歩きだす隣、黒い尻尾ふっさりついてくる。
愛犬の温もりふれながら廊下に出て、甘辛い香に笑いかけた。

「良い匂いだな、鳥の照焼きとか?」
「英二さんお好きでしょう?」

穏やかな声が笑ってくれる、その言葉に瞳ひとつ瞬いた。

「中森さん、俺の好きなもの憶えてるんだ?」

こんなこと意外だ、もう遠い時間なのに?
たぶん「普通」ならありふれた記憶に家宰が微笑んだ。

「憶えていますよ、一切れで一膳召しあがられましたから、」

ただ一切れの記憶、それでも憶えてくれている。
食事の好みなどありふれた記憶だろう、けれど自分には稀で笑った。

「よく憶えてくれてるね、六年も前の話だろ?」
「そうですね、英二さんが高校三年生の頃ですから、」

うなずいてくれる眼ざしは優しい。
その瞳まっすぐこちら見て深い声は言った。

「私には六年もついこの間に想えます、齢をとるほど時の流れは速いのです、」

窓ふる光の廊下、穏やかに声が透る。
すこし微笑んだロマンスグレイは銀色きらめく、もう積ってしまった時間に微笑んだ。

「ごめん中森さん、俺もっと早く帰ってくれば良かったな?」

この家宰も齢をとる、そんなことも自分は忘れていた。
こんな自分は薄情なのだろう、けれど優しい瞳は笑ってくれた。

「時間が必要なこともあります、でも後悔してくださるならその分お帰りください、」

帰っておいで、そう今でも告げてくれる。
ただ時経ても変わらない笑顔に想い声にした。

「ありがとう、ほんとにごめん、」

ほんとうに謝りたい、だって自分は忘れていた。
そんな本音を昔なじみの瞳が微笑んだ。

「六年の時間が必要だったのでしょう?恨んで遠退かれたことも仕方ないことです、謝る必要はありません、」

六年、その時間どれだけ何を想ったろう?
もう返らない時の流れに歩む廊下、ガラスの木洩陽に口開いた。

「いま気づいたよ、中森さんがくれた時間を周太にもらってた、」

なぜ惹かれたのか?

その理由ひとつ今やっと解かる。
まだ欠片に過ぎない想いの底、見つけた本音そっと笑った。

「飯の好みとか、好きなもの言わないでも解かってくれるの俺は嬉しいんだ、帰ってこいって本気で言ってくれることも、」

あの笑顔もそうだった、警察学校もその後も。

『…せまい、詰めて?』

狭い寮のちいさなベッド、いつも声は素っ気なかった。
それでも毎晩いつも扉を開けてくれた、あの小さな空間は自分の楽園だった。
だから離れたくなくて追いかけて無理やり抱いてしまった、その本音に静かな声が微笑んだ。

「肉じゃがもありますよ、ごはんもたくさん炊きましたからお好きなだけどうぞ?」

なにげない言葉、けれど記憶そっと敲かれる。

『おいしいって言ってたから…ごはんもたくさん炊いたよ?』

ほら笑顔ひとつ懐かしい。
あの笑顔は今も咲いているだろうか?

―周太の飯、食べたいな、

心裡もう呟いて本音あらためて思い知る、こんな自分は覚悟など出来ていない。
それでも今ここに帰ってきてしまった、ただ選んだ現実に微笑んで階段を下りた。


(to be continued)

【引用詩文:John Donne「HOLY SONNETS:DIVINE MEDITATIONS」】
【引用資料:Blaise Pascal『Pensees』/『世界の名著24パスカル』訳:前田陽一・由木康

英二の行方↓ちょっと気になったら
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山岳点景:太古の洞窟

2016-03-21 01:35:00 | 写真:山岳点景
Ancient cave


山岳点景:太古の洞窟

不二洞、関東最大といわれる洞窟に行ってきました。
標高700mにあり全長約2.2km、縦穴いくつも繋がれ今も全容調査中なんだとか。

アプローチは駐車場すぐ入場券売場→その奥の扉から洞穴へむかう道が始まります。
洞穴入口までアスファルトの坂だらだら登り、鉄扉からもだらだら坂→鉄扉→螺旋階段カナリ登るので最初イキナリ疲れます、笑


洞内は鉄階段+岩盤で滑りやすいです、
直立で歩いて回れますが、ときおり天井が低くなるので頭上注意・帽子かぶるほうが安全かなと。


奇岩ポイントはライトアップしてるんですけど↓なぜかコンナ色、他も赤に緑でカナリきていました、笑


元は修行場だった名残りで奇岩それぞれ仏教用語を名づけられています。
が、コンナライトアップと名札のコントラストはドウなんだろう?笑


ここが発見されたのは1,200年前、猿が集まっているところを村人が見つけたんだとか。
その800年後に修行場となり有名になったと解説にあるんですけど、
この仏道修行として最初に洞窟たどった僧侶について、

「藤原山吉祥寺の中興開山上人」

と書かれていましたが・この解釈アレコレ考えられます。
ツッコむと面白くなるんですけど、コレについては後日また別記事で、笑


非常口らしいです↓なんかイイカンジだなあと。


空の竪穴↓名前どおり空が見えますが、暗いなか太陽光はやたら綺麗に見えました。


出口からは青空×稜線、帰路は鉄階段→崖っぷちの道ずっと下ります。


落葉樹林の斜面、福寿草の金色がまぶしかったです。


第171回 過去記事で参加ブログトーナメント
撮影地:不二洞@群馬県多野郡上野村

入場料2016年3月現在・大人800円、駐車場は無料。
谷はさんだ対岸とつなぐ吊橋を渡るなら通行料往復100円かかります。
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山岳点景:Golden Spring

2016-03-20 21:18:23 | 写真:山岳点景
春告げる、


山岳点景:Golden Spring

福寿草フクジュソウ、今春はじめて見ました。
この花も春植物=スプリング・エフェメラル、春だけ地上に現れる植物です。



福寿草は日当たりのよい落葉樹林の斜面でよく見ます。
分布地は北海道から九州、2月から4月にかけて雪解けごろ花開きます。
ソンナワケで今日これを撮った山域も北斜面は残雪をよく見ました。



注意ですが・福寿草は毒性があります。
アドニンという成分で中毒症状は嘔吐・呼吸困難から始まり心臓麻痺、死に至ることも。
強心作用・利尿作用から昔は薬草として用いられたそうですが、実際のところ危険度は高いです。
芽はフキノトウ、若葉はヨモギと似ているため誤食に注意してくださいね。



風まだ冷たい残雪の山、黄金色やわらかな陽は春です。


撮影地:不二洞@群馬県多野郡上野村

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