昨年末から年明けの今、やたらと首から上肢の痛みの相談が非常に多いですね。
どれも頸椎の故障による神経痛、
頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)です。
この故障は頸椎の不安定性からくる関節炎や変形に腕神経が巻き込まれて神経痛を生じたものです。
ちなみに、
頸の痛みだけだと「頚椎症」
腕への放散痛が伴われると「頚椎症性神経根症」となります。
より故障の度合いが深いのが「頚椎症性神経根症」とも言えますね。
この故障の原因は胸の固さです。
頚は胸の固さの割を食って故障した被害者なんです。
どういうことかと申しますと、
例えば、デスクワークなどで猫背のような不良姿勢が定着したとします。
猫背の状態では胸が柔軟に動かなくなります。
すると頚を動かす際に頸椎にばかりテコが集まってしまうようになります(玄人は「トルクがかかる」なんて言います)。
動きの悪い胸椎の分も大きく動かされてしまう頸椎はじきにガタつきだし、
そうした状況が続くと次第に関節が傷つき、ついには変形を生じてゆきます。
その道すがら生じるのが関節炎。
関節炎が強くなると神経も炎症に巻き込まれて神経炎を起します。
これが頚椎症性神経根症です。
それが証拠に「急に首と腕が痛みだした」と駆け込んでくる患者さんは皆さんほぼ猫背。
しかし、なぜこの時期に神経痛が増えたのでしょう?
恐らくは寒さのせいでしょう。
寒さで肩をすくめることが多くなったのと、
足元の冷えを下腿深層の筋膜が受け取って緊張し、
その緊張が体幹深層の筋膜群をたどって頚部深層筋の過緊張につながって、
胸郭の動きを妨げ、同時に頸椎部の圧縮を生んでしまうため、
この時期に首からくる腕の神経痛が増えたのだろうと思います。
これに対してどこから手を入れるのかというと、
もうお分かりのこと思いますが、胸郭の伸展性を回復することから始めます。
頚の故障ですが、治療のメインテーマは頚ではなく胸なんです。
面白いでしょう!?
炎症が強い時には鎮痛剤の服用や病院でのブロック注射が役に立ちます。
炎症由来の痛みはステロイド注射でスッと鎮まってくれることでしょう。
でも、それだけでは度々再発を繰り返すことになります。
だって、頸椎に無理がかかる原因(胸椎の固さ)が居座ったままですからね。
ただしい回復を導くためにも、ちゃんと背景要因への治療がなされることが重要です。
また、いったん神経の故障を負うと回復には時間がかかります。
なので、計画的な治療がとても重要になります。
神経痛(神経因性疼痛)に関しては「魔法のように」とはゆかないものですが、
セルフケアでも回復を促す手立てがいろいろあります。
ペルビックティルトやヒップスラストといった運動療法で脊柱の安定性を作り上げたり、
他にも頸椎の炎症が落ち着いた時点であれば、
ガタついた頸椎の安定性を引き上げる手法を負荷することで、
劇的な回復を診せることも珍しいことではありません。
方法はあるのです。
ただ、それぞれ取り組むタイミングが大事。
さて困った!
となりましたら慌てずに専門家の門戸をたたいてください。
お困りの方、ご相談をお待ちしています。
とよたま手技治療院
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=エクササイズ動画=
【腰・膝・股関節】故障予防と回復のための運動処方 No.1【ペルビックティルト】// 徒手医療協会
【腰・膝・股関節】故障予防と回復のための運動処方 No.2【ヒップスラスト】// 徒手医療協会
お役立ていただけましたら幸いです。
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