【ヘルニア】
「ヘルニア」という言葉自体は「飛び出した」という意味なので、
鼠径部で腸が飛び出したら「鼠径ヘルニア」と呼び
脳みそが腫れて、脳内の仕切りから飛び出ると「脳ヘルニア」
などと使う言葉です。
一般的(専門家ではなく患者さん)には椎間板の中の髄核が
椎間板の繊維輪を破って脊柱管に飛び出てしまった状態を
「ヘルニア」と呼んでいることが多いですね。
正しくは「椎間板ヘルニア」といいます。
腕にシビレが感じられると「頚椎ヘルニアじゃないか!?」
とか
下肢にシビレが感じられると「腰椎ヘルニアじゃないか!?」
とか、そんな風に考えられることの多い病態です。
私のところにも、
「ヘルニアだといわれた」
と来院される方が多くいらっしゃいます。
このとき私は患者さんの話だけで「ヘルニア※」だとは決めないことにしています。
※ま、ヘルニアだったとしても、普通に治療しますけど…
「病院でヘルニアだって言われた(涙)」
と患者さんが言っても、
取りあえず腰や頚の動きを診て、痺れているという手脚を動かし
ついで打腱槌であちこちのスジを叩き
痺れていると訴える部分の皮膚を撫で
筋肉に力を込めてもらって、それに逆らって抵抗を掛けてみます。
何をしているのか?と申しますと
「神経」がダメージを負っているかどうかを確かめているのです。
神経は「触られた感触」を脳に伝えたり、
意識的もしくは反射的に筋肉を動かしたりする働きを持つものですから
神経がダメージを負うと
皮膚の感触が狂ったり(知覚鈍磨・過敏)、
筋肉の反射が弱まったり(注:脳や脊髄の神経の故障では反射は病的に高まります)
筋肉に力が入りにくくなったりするのです。
また、ダメージ(傷)を負った神経を引っ張ったり押したりすると
電気が走るような痛みも起こったりするのです。
その結果を見るに、「ヘルニア」と診断されつつも
神経のダメージを裏付ける症状のない患者さん※のなんと多いことか…
※だいたいは筋肉の故障(トリガーポイント)だったりします。
こういう患者さんに、よくよくお話を聞いてみると、
病院で調べていただいたといいつつも
お受けになったのはレントゲン検査だけで
前出の神経の働きの検査(理学検査といいます)を受けていない
という患者さんだったりします。
あるお医者様に聞いたところ、ヘルニアはレントゲンでは写りませんので
レントゲン検査だけでは「ヘルニア」とは断言できないということだそうなのです。
せめて理学検査を用いて、そのシビレが本当に神経の故障による痛みなのかを
調べる必要はあるように思うのですが、
忙しい臨床の現場では、手作業で時間をかけて調べる時間は
なかなか作れないという現状もあるようです。
なので、レントゲンを診て背骨の間隔がせまく、仰向けで痺れた脚を持ち上げて
患者さんが痺れたといえば、即「ヘルニア」と診断されるケースもあるのでしょう。
欧米の腰痛関連の書籍をみると
「ヘルニアと診断を受けたもののおよそ9割は誤診の可能性がある」
といった話もあり、その診断はそう単純ではなく
やはり丁寧に状態を調べる必要がありそうです。
では、丁寧にとはCTやMRIによる検査や
脊柱管に造影剤を注入して脊髄を圧迫している箇所を調べたり
といったことを指すのかというと
そういうわけでもないようです。
これもあるお医者様から聞いたお話ですが、
一昔前(CTやMRIが普及する1980年より前)では
この椎間板ヘルニアが神経痛の元凶と考えられていたそうです。
しかし、
CTやMRIが普及した現在では、明らかにヘルニアが存在しているにもかかわらず
全く神経症状が出ていないケースや、
ヘルニアが存在していないのに強い神経症状を生じているケースがあることが
判ってしまったそうです。
こうなると「椎間板ヘルニア=神経痛」とはいえなくなってくるわけです。
そこで、私どものような手技療法家はどうするのかと申しますと
中がどうなっているかはさておいて、
実際の神経や筋肉、関節の働きを調べ、できる治療をしてゆこう
となるわけです。
そんなときに頼りになるのは昔ながらの検査法。
そう、前出の
『腰や頚の動きを診て、痺れているという手脚を動かし
ついで打腱槌であちこちのスジを叩き
痺れていると訴える部分の皮膚を撫で
筋肉に力を込めてもらって、それに逆らって抵抗を掛けて…』
といった理学検査です。
こういった方法であれば、画像での判断ができなくとも(鍼灸マッサージ師はレントゲンもCTもMRIも撮る事が許されていません。
また、画像を読み解く技術も通常持っていません。)
現状で何らかの神経の故障が患者様の訴えの背景に含まれているのか
それを判断する材料を集めることができます。
前出のある医師はこういいました。
「画像診断がなくたって、きちんと手で検査すればほとんどのことはちゃんとわかるよ。
それでおかしな所見がでたら病院を紹介すればいいんだから。」
と。
くぅ~~~~~~
かっこいいぃぃぃ~~~~~~!!!!!
私もこの先生(お医者様)のように有りたいと、日々精進の毎日です。
何でこんな話を書いたのかといえば、
このお話を聞いたとき、「ヘルニア」に関する認識が
ガラガラと音を立てて崩れ、そして
一筋の光が射したのを忘れられなかったからなんですね。
あ、私も腰椎ヘルニアと頚椎ヘルニアでひどい目にあった口なんです。
それまでヘルニアって言ったら「不治の病」のような認識でいました。
飛び出たものが引っ込むかどうかは別として、
手技療法とであった今では、痛みも痺れもありません。
一人で悩まず、困ったときはお気軽にご相談いただきたいと思います。
元気な自分を取り戻すために、お手伝いさせていただきますから。
「ヘルニア」という言葉自体は「飛び出した」という意味なので、
鼠径部で腸が飛び出したら「鼠径ヘルニア」と呼び
脳みそが腫れて、脳内の仕切りから飛び出ると「脳ヘルニア」
などと使う言葉です。
一般的(専門家ではなく患者さん)には椎間板の中の髄核が
椎間板の繊維輪を破って脊柱管に飛び出てしまった状態を
「ヘルニア」と呼んでいることが多いですね。
正しくは「椎間板ヘルニア」といいます。
腕にシビレが感じられると「頚椎ヘルニアじゃないか!?」
とか
下肢にシビレが感じられると「腰椎ヘルニアじゃないか!?」
とか、そんな風に考えられることの多い病態です。
私のところにも、
「ヘルニアだといわれた」
と来院される方が多くいらっしゃいます。
このとき私は患者さんの話だけで「ヘルニア※」だとは決めないことにしています。
※ま、ヘルニアだったとしても、普通に治療しますけど…
「病院でヘルニアだって言われた(涙)」
と患者さんが言っても、
取りあえず腰や頚の動きを診て、痺れているという手脚を動かし
ついで打腱槌であちこちのスジを叩き
痺れていると訴える部分の皮膚を撫で
筋肉に力を込めてもらって、それに逆らって抵抗を掛けてみます。
何をしているのか?と申しますと
「神経」がダメージを負っているかどうかを確かめているのです。
神経は「触られた感触」を脳に伝えたり、
意識的もしくは反射的に筋肉を動かしたりする働きを持つものですから
神経がダメージを負うと
皮膚の感触が狂ったり(知覚鈍磨・過敏)、
筋肉の反射が弱まったり(注:脳や脊髄の神経の故障では反射は病的に高まります)
筋肉に力が入りにくくなったりするのです。
また、ダメージ(傷)を負った神経を引っ張ったり押したりすると
電気が走るような痛みも起こったりするのです。
その結果を見るに、「ヘルニア」と診断されつつも
神経のダメージを裏付ける症状のない患者さん※のなんと多いことか…
※だいたいは筋肉の故障(トリガーポイント)だったりします。
こういう患者さんに、よくよくお話を聞いてみると、
病院で調べていただいたといいつつも
お受けになったのはレントゲン検査だけで
前出の神経の働きの検査(理学検査といいます)を受けていない
という患者さんだったりします。
あるお医者様に聞いたところ、ヘルニアはレントゲンでは写りませんので
レントゲン検査だけでは「ヘルニア」とは断言できないということだそうなのです。
せめて理学検査を用いて、そのシビレが本当に神経の故障による痛みなのかを
調べる必要はあるように思うのですが、
忙しい臨床の現場では、手作業で時間をかけて調べる時間は
なかなか作れないという現状もあるようです。
なので、レントゲンを診て背骨の間隔がせまく、仰向けで痺れた脚を持ち上げて
患者さんが痺れたといえば、即「ヘルニア」と診断されるケースもあるのでしょう。
欧米の腰痛関連の書籍をみると
「ヘルニアと診断を受けたもののおよそ9割は誤診の可能性がある」
といった話もあり、その診断はそう単純ではなく
やはり丁寧に状態を調べる必要がありそうです。
では、丁寧にとはCTやMRIによる検査や
脊柱管に造影剤を注入して脊髄を圧迫している箇所を調べたり
といったことを指すのかというと
そういうわけでもないようです。
これもあるお医者様から聞いたお話ですが、
一昔前(CTやMRIが普及する1980年より前)では
この椎間板ヘルニアが神経痛の元凶と考えられていたそうです。
しかし、
CTやMRIが普及した現在では、明らかにヘルニアが存在しているにもかかわらず
全く神経症状が出ていないケースや、
ヘルニアが存在していないのに強い神経症状を生じているケースがあることが
判ってしまったそうです。
こうなると「椎間板ヘルニア=神経痛」とはいえなくなってくるわけです。
そこで、私どものような手技療法家はどうするのかと申しますと
中がどうなっているかはさておいて、
実際の神経や筋肉、関節の働きを調べ、できる治療をしてゆこう
となるわけです。
そんなときに頼りになるのは昔ながらの検査法。
そう、前出の
『腰や頚の動きを診て、痺れているという手脚を動かし
ついで打腱槌であちこちのスジを叩き
痺れていると訴える部分の皮膚を撫で
筋肉に力を込めてもらって、それに逆らって抵抗を掛けて…』
といった理学検査です。
こういった方法であれば、画像での判断ができなくとも(鍼灸マッサージ師はレントゲンもCTもMRIも撮る事が許されていません。
また、画像を読み解く技術も通常持っていません。)
現状で何らかの神経の故障が患者様の訴えの背景に含まれているのか
それを判断する材料を集めることができます。
前出のある医師はこういいました。
「画像診断がなくたって、きちんと手で検査すればほとんどのことはちゃんとわかるよ。
それでおかしな所見がでたら病院を紹介すればいいんだから。」
と。
くぅ~~~~~~
かっこいいぃぃぃ~~~~~~!!!!!
私もこの先生(お医者様)のように有りたいと、日々精進の毎日です。
何でこんな話を書いたのかといえば、
このお話を聞いたとき、「ヘルニア」に関する認識が
ガラガラと音を立てて崩れ、そして
一筋の光が射したのを忘れられなかったからなんですね。
あ、私も腰椎ヘルニアと頚椎ヘルニアでひどい目にあった口なんです。
それまでヘルニアって言ったら「不治の病」のような認識でいました。
飛び出たものが引っ込むかどうかは別として、
手技療法とであった今では、痛みも痺れもありません。
一人で悩まず、困ったときはお気軽にご相談いただきたいと思います。
元気な自分を取り戻すために、お手伝いさせていただきますから。