今年も一年ありがとうございました!

2011年12月29日 | よもやま話
12/29,

20時を持ちまして,

本年の診療を全て終了いたしました。

なんだか最後の週は怒涛のようでした。

昨日今日とお昼ご飯を食べる間もなし。

おかげさまで少しズボンのウエストにゆとりができて

ちょっと嬉しい37歳です。


とは言え,予約に空きがなく

ご連絡を頂いたにもかかわらず

治療をお受けいただけなかった皆様,

本当に申し訳ございませんでした。

心よりお詫び申し上げます。



新年は4日より診療再開いたします。

元気100倍でお会いできるよう,

しっかり充電させていただきますので

来年も「とよたま手技治療院」を

よろしくお願い申し上げます。

皆様,どうぞ良いお年をお迎えください!

院長 古川 容司

<ランナーズニー>「走ると痛くなるんです」その仕組み-その1 

2011年12月26日 | 治療の話
師走、

ランナーからの相談が続いています。

その多くのケースで、

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5~6キロ走るとひざが痛みだし、

2~3日で落ち着き、

また走ると5~6キロで痛むことが繰り返され、

病院で検査しても骨も関節も「問題なし」と告げられる。

「使いすぎ:オーバーユース」と言われ

思い切って数か月間、走ることを止めてみたが

やっぱり走り出すと痛み出してしまう。
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といった経過を聞きます。


なぜそんなことが起きるのでしょうか?

回復にはどういった手順が必要なのでしょう?


長くなりそうなので、

何回かに分けて、「ランナーズニー」の成り立ちや

その解決法について、書いてゆきたいと思います。



「ランナーズニー」

これには、関節を支える筋肉の緊張度(トーン)や

長さ(筋長)のアンバランスによる、

関節運動の狂い(モーターコントロールの異常)が

背景として考えられます。

「ランナーズニー」に限ったことではありませんが、

関節が正しく支えられない状況では

運動によって生じる負荷を万遍なく分散することができず、

関節の一部に過剰なストレスが集まってしまいます。

「一定の距離を走った時にだけ痛む」のは

こうしたストレスを局所に与え続けることで

コマかな傷(マイクロトラウマ)が生まれ

次第に明確な炎症に移行していった結果と考えられます。


(子どもの頃、ジャンケンしっぺをしていて

ボッコリ手首が腫れ上がった経験ってないですか?

たとえ一つ一つは小さな衝撃だったとしても、

長時間、頻回に繰り返されると

組織に傷が累積し、

「ガツン!」

と強くぶつけた時のような状態になるんです。

イメージとしてはそんな感じです。)


こういった怪我の生じ方を「反復性緊張損傷:RSI」といいます。

初期には「軽い炎症」ですので数日の安静で落ち着きますし

関節構造が大きく形を変えるのは

こうした状況が長い間続いてからですので

MRIやエコーでなら異常が見つかることもあるかもしれませんが、

レントゲンで異常が見つかることはめったにないでしょう。

ゆえに

「病院に行ったが異常なしといわれた」

ということも珍しいことではないのです。

(こうした場合も丁寧に診ると、腱と骨、筋肉と腱の継ぎ目に

痛みを伴う傷跡(硬結・瘢痕)を見つけることもよくあるものです。)



背景に「関節運動の狂い」がありますから、

ジョギングのように延々と膝関節の曲げ伸ばしを繰り返す種目では

関節のコントロールが正常化しないと

前出の反復性緊張損傷:RSIを繰り返すことになります。

(続く)

キャンペーンコース終了しました!

2011年12月24日 | 治療の話
11月より続きましたキャンペーンコース。

おかげさまで,大盛況の内に幕を下ろすことができました!

このブログを書いている今現在も,最後の患者様を治療する副院長。

副院長がアクセク働く姿を横目にすするコーヒーの旨いこと×2



癖になりそうです。



さて,明日から副院長はフェルデンクライスメソッドの講習会へと旅立ちます。

そうして帰ってくるのが新年1/13日(あ,8日にも帰ってくるか…)!

新年からは,新たに「副院長コース」(1/13・金曜日スタート)を新設いたします!


え?

「!」が多い!?


ま,いいじゃないですか

クリスマスだし。


この「副院長コース」では,

副院長が仕上げまで全てを担当し,

スタンダードケアとライトケアを,

通常価格より「500円OFF」にてお受けいただけます。


○スタンダードケア(所要時間60分程):(通常)5,000円→(副院長コース)4,500円

○ライトケア(所要時間30分程):3,000円→2,500円


日ごとキレを増してゆく副院長の治療を,

多くの患者様にご堪能いただきたいと思います。

どうぞお気軽にご相談ください!

ささくれ注意報

2011年12月16日 | よもやま話
このところ,

子供を殺したとか,

親を殺したとか,

チョッと眼があっただけで切りつけられたとか,

おっかない事件が多いですね…


世の中の先行きが不透明で,

不安や怒りがたまっているからなのでしょうか。

心がささくれ立っている方が多いようです。


実は私,

昨日,怖い思いをしちゃったんです。

いや~ビビった



いえね,

帰りがけに酔っ払いに絡まれちゃいまして(恥)


相手は,ロンゲで頭の薄い

チョッと大柄のお兄さん。

そこそこ酔っているようでしたが,

まだ頭は回っている様子…

酔ったフリした確信犯と見た!


昔先輩にこんな感じの方がいらっしゃったので

ピンと来るんですよ,ふふふ。


連れの小柄なお兄さんとすらっとしたお姉さんが

『おいおい,チョッとやめろって』

的に制している内に,

すごすごと退散させていただきましたが,



きっと誰かに八つ当たりしたかったんでしょうね。



そういう時は,格闘技系ジムに行って欲しいですよね…

月の飲み代よりよっぽど安く付くんですけどね。

健康にもなるし。




ともかく,

ケガもなく無事に逃げおおせたんですが,

後ろから子供のけんかみたいに

「バーカ!ブヮーカ!ブゥウワァ~~~~カァ!!!!

って叫ぶお兄さん…


ほんと,お酒って怖いわ…



ただ,「バーカ!」の合間に「このオタク!」

ってフレーズが織り込まれだしまして,

不覚にも

『あ,それはそうかもね…』

って妙に納得してしまいまして…


って,

いや,古い付き合いのある患者さん(もう13年になりますか)に

よく「あんたカラダフェチね!変態よ!」って言われてたものですから…


で,

一瞬遅れて


キィ~~~~~~,くやしぃ~~~~~~~~!!!!


ってなりました,と。




そんなこんなで,

この晩のビールはやけに苦いビールとなりました。


皆さんも絡まれないように,お気をつけてくださいね

【手技療法テクニカルセミナー】2012年新講習会のご案内

2011年12月15日 | セミナー/講習会
日頃より当ブログをご愛読いただきありがとうございます。
徒手医学臨床技術研究会より2012年の新OPENセミナーをご案内申し上げます。

マニュアルメディシン・テクニカルセミナー 〔 筋骨格系の評価と治療手技シリーズ 〕2012

第1回【関節と軟部組織の評価技法と治療手技-仕組みの理解と実践】1月29日(日)
第2回【頚椎の評価技法と治療手技】2月26日(日)

詳細はこちらにご案内しております。
お申込みはこちらよりお送りいただけます。

諸先生のご参加を心よりお待ち申し上げます。

事務局 セミナーデスク



コンディショニング体験会 IN 第三回日本空手連盟カップ その2

2011年12月13日 | コンディショニングの話
さて,体験会レポート第2弾。


大会前半,子供たちの順調な結果を見たその後,

しばらく会場のひと気が引いておりました。


会場のひと気と共に,

忽然と消える井澤先生(実習に参加されている先生です)…


『ん?疲れて休んでるのかな?』

と思い,そっとしていたのですが,

午後の一般部がはじまり,再び忙しくなってきても現れない…


『どっかで行き倒れてるのか?』

と,いささか心配になりはじめたその時,

「いやぁ~,すみませ~ん」

と井澤先生登場。

聞けば介入した選手が,

試合でどういった動きをしているのか確かめるため,

試合会場に詰めていたとのこと。


試合を見てカラダを読み(問題点がないか確かめ)

介入した後の試合を見て,

どこまでパフォーマンスを上げられていたか,

そして,対戦相手をチェックして,

介入した選手の身体的な特徴から,

どういった対策を取ることができるか,

そういった作業を繰り返していたそうです。


これは私がパーソナルで付いたときの手順そのまま。

さすがは井澤先生。

ちょっと感激してしまいました。


さて,

井澤先生は臨床実習の常連さんなんですが,

「チャンピオンメーカー」の異名をとるほど,

見る選手見る選手,みな優勝すると言うジンクスを持っています。


その井澤先生の眼にとまった高校生のA君の話を聞いてください。

このA君,空手歴半年で,本日デビュー戦。

にもかかわらず,どことなく強い選手の「雰囲気」を持っています。

しかしA君,

モモの肉離れを押しての出場で,左の膝が曲げられません。

井澤先生は痛む部位や,膝・股関節の動き,筋肉の性状から

中間広筋と大腿直筋という筋肉のトラブルではないかと考えたそうです。

私も診てみたところ,同意見。 

さらには,折り重なって位置するそれらの筋肉の間に

ブヨブヨとした感触があることから「血腫:血溜まり」

があることがわかりました。


正直なところ,戦うには厳しい状況です。


しかし,傷めてから2週間とのことでしたので,

『なんとかやり様があるのでは』と

井澤先生と共に介入開始です。


幸い90度も曲らなかった膝も120度ほどまで曲るようになり,

膝蹴りは出せるまでになりました。




そうして迎えた第1試合。



途中痛めた左腿を狙われるも,

非凡なテクニックと,

人並みはずれた根性で勝ち進むA君

試合毎に介入し,順調にコマを進め

「いよいよ決勝」となった時。

井澤先生は私にこう言いました。



対戦相手は「いかにもフルコンタクト空手」な戦い方のB選手。

つまり脚を狙うのがとてもうまい…

相性としては最悪です。

と…


しかし,選手の前では

「デビュー戦で決勝戦なんて最高の舞台だね~♪

 これは勝つしかないよ♪

 絶対いけるよ!」

と前向きな声掛けをしています。


井澤先生は格闘技経験者なんですね。

だからいろいろと選手の気持ちがわかるんですね。

そのせいか気持ちの盛り上げ方もとても上手い。


私も

「大丈夫!

 動けるようにしてあげるからね!」


と,できる限りの手を尽くし,いざ決勝です。



本戦ではやや押されたもののドロー

勝負は延長戦にもつれ込みました。


相手との体格差は一目瞭然。

体重判定になればA君の勝利です。


何度も痛めた脚に攻撃を受けるA君。

傷口をさらにこじ開けられるような攻撃にも

果敢に攻め反して行きます。

井澤先生も私も声をからして応援です。


私   「体重判定いけそうですね」

井澤先生「いや,綺麗に勝ちましょう!

     A君いけるよ!相手ボディ嫌がってるよ!」

ボディが効いたのか動きが失速するB選手。

しかし,両選手とも最後まであきらめない。

ひたすら打ち合います。





「止め!」




審判の判定は…



4-0でA君の勝利です!!!


崖っぷちからの優勝!

もうこれ以上のドラマはないですよ!

しかも現実ですから!

もうね,

涙でましたよ。

ほんとに。

こうした試合に,トレーナーとして携われてほんとに良かったって

そう思いましたよ。


こうしてドラマは現場でつむがれてゆくんですね。

いや,楽しかった!


ほんと,こういう感動を諸先生方に

味わって欲しくって実施している臨床研修なんです。

技術を高めるには

たゆまぬ努力と実戦経験

これが重要だと思います。


こうした「生きた経験」を積ませていただいた誠真会館様へ

この場をお借りして心より御礼申し上げます。



最後に,

この日一緒に戦ってくれた手技研の選手たちを紹介させてください。

私「みんな『変顔』で撮りましょう!」

と撮った一枚です。


左前列から住友先生・私・織田先生・興津先生
同じく左後列から井澤先生・宍戸先生・村椿先生


井澤先生も興津先生も宍戸先生も全然変顔じゃないし…

ずるいよ!


以上,尻切れトンボですが,

12/4のご報告でした!

コンディショニング体験会 IN 第三回日本空手連盟カップ その1

2011年12月06日 | コンディショニングの話
とよたま手技治療院では,

治療やリハビリ,コンディショニングなど,

お身体の多様な相談にお応えしています。


その一方で,

私自身が知り得た情報を勉強会にて発信し

徒手医学を啓蒙する活動として

徒手医学臨床技術研究会(略して手技研)

を主催しています。


手技研では「現場での実践性」を重視して講義をさせていただいております。

ゆえに,「現場を踏む」という手順も重要!

そんな考えから,様々な競技の大会へと出向き,

臨床実習としての

「スポーツコンディショニング体験会」

をさせていただいております。


今回は誠真会館様にご協力いただき

第三回 日本空手連盟カップ

にて,「スポーツコンディショニング体験会」を実施させていただきました。

当日は総勢7名の先生と共に,

「工夫一つでパフォーマンスは劇的に変わる」ことを

一般の空手をされる皆様へご紹介させていただきました。


当日はいろいろなドラマが展開されまして,

一回ではご報告しきれないので,2回に分けてのご報告とさせてください。





大会は,午前中に小・中学生の試合をし,

午後が一般の試合といった流れでした。

上の写真は小学生の戦士たちへのコンディショニング風景です。

手前は宍戸先生です。

片脚立ちの安定性を高めるためのアプローチをしているところです。

脚を蹴ることが許される競技ですから,

いつでも両足を踏ん張った姿勢から攻撃を繰り出せるわけではありません。

むしろ「脚払い」を掛けられながら手脚を飛ばさなくてはなりません。

ゆえに,片脚を安定した土台として攻撃を繰り出すことができると

打撃の力も回転も高まるんです。


奥は興津先生です。

姿勢制御に関与するセンサー(視覚・平衡感覚(前庭覚)・深部感覚)の

機能を高めるためのアプローチを試みているところです。

無意識でも緊張が高すぎる筋肉があると,

瞬間的な運動にエラーを生じてしまいます。

こうなるとテレホンタイプの「隙」が生じます。

瞬間的な運動は誤差修正が聞かないため,

そこを付け込まれやすくなるのでできれば取っておきたいところ。

このエクササイズはそうした「無意識の緊張部位」をコントロール下に置くための処置です。

1分2セットほどで,全身の可動性を拡げることができ,

しかも一般的なストレッチと違って

動きもスムースに,かつキレのあるものへと変わってくれる優れものです。




なぜ瞬時にそんな変化がでるのでしょうか?


キーワードは「促通:ファシリテーション」です。


神経の機能は,上手に刺激すると

「促通」といってターボが掛かった状態にすることができるんです。

ターボが掛かると「一番調子のよい時の自分」に早変わり!

パフォーマンスは即時に向上します。




こちらは住友先生によるグループでの介入風景ですね。

試合の合間も適度にカラダを動かして,

掛かったターボが切れない工夫をしています。



こちらは織田先生。

競技動作を修正しているところです。

先生は空手とキックボクシングの経験者です。

ちょっとした工夫でパンチのリーチがグッと伸びたりするから面白い!



介入後,

「先生~,優勝した~!」

「おれ3位~!」

「賞状もらった~!」

と子供たち。

がんばった彼らと共に記念撮影です。

子供とは言え,チョッと侮れないほどの攻撃力を持った彼ら。

結果を聞いて内心

『やっぱり入賞したか。』

と納得したのを覚えています。

彼らは私が診たのですが,

もって行ったミットが硬かったので,

子供たちには私の腕や腹をミット代わりにしていたんです。

介入前でも『上手に力を乗せてくるな~』と感心していたほどだったのですが,

気になるポイントを修正したところ,

大人の私が普通に効かされる程の攻撃力増を見せてくれました…(汗)


いくら日頃不摂生していて,

かつガラスのボディーの私でも,

そうそう小学3年生のパンチやキックで効かされることはありません。

でも,彼らはチョッと頭抜けていましたね。

おかげであちこち打撲傷で痛いの痛くないのって(笑)

いやはや,末恐ろしいですね…


翌朝

『お!この腹の痛みは○○君だな。左腕は○○君。右の腕は○○ちゃん…』

ってな具合に,みんなの刻み込んでくれた痛みと共に

大会の余韻にニンマリとする37歳でした。


続く

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