東北重量挙の旅~四日目喜多方ラーメン編~

2019年08月31日 | トレーニング日記

さて、練習を終え、岩城から車を飛ばして郡山、そして磐越西線で喜多方へ向かいます。

日が暮れてあたりが暗くなったころ、ようやく喜多方へ到着しました。

到着はトレーニング次第になると踏んでいたしたので、この日の宿には8時過ぎにチェックインする旨を伝えていました。

時刻は18:50。

なので、チェックイン前にまず一麺いただくことにしました。

グーグルマップ先生と相談の上、最初の一軒目はこちらになりました。

チャーシュー麺をいただきました!

THE喜多方ラーメン!というイメージ道りのラーメンに感動!!

めちゃくちゃうまかった!!!!!

しかし、胃袋にはまだまだ余裕があります。

調子に乗って第二麺です!

ラーメンは少々まつとのことでしたので、冷酒を一杯と焼きニシンの山椒和え!?をいただきのんびり待ちます。

出てきたラーメンはコチラ!

飲んだ後に食べたくなる感じのあっさりラーメンでした!

程よく腹も膨れ、お店を出ると何やら祭囃子が聞こえてきます。

音につられて歩いてゆくと…

庄助踊りの真っ最中!

小原庄助さん、なんで身上つぶした?

朝寝朝酒朝湯が大好きで、それで身上つぶした、

あ~もっともだぁ、もっともだぁ♪

クラシカルな街並みにハッピと浴衣姿が実に映えます。

食休みがてら、小助まつりを堪能することに。

祭りが終わり、人々が家路につき始めたところで、不意に携帯が鳴りました。

電話の主はお宿。

気が付けば20:30を過ぎており、心配した宿の方が電話をくれたのでした(^_^;)

「すぐ向かいます!!(◎_◎;)」と伝え、慌てて宿に向かおうと振り向くと、

そこには後ろ髪をひかれつつも家路につく人々。

満足感と少しの寂しさをまとった人々の表情とクラシカルな街並みのコントラストにドキリとさせられます。

あまりの情景に思わずカメラのシャッターをおろしました。

 

宿でチェックインを済ませてシャワーを浴び

『今日はねるべー』とも考えたのですが、

どうも胃袋にまだ隙間があるようでしたので、せっかくなので追加のもう一麺。

三杯目は少し変わり種にしようと向かった先は

「けいこのぎょうざ」

カウンターに陣取ると、少し背中の曲がった「恵子さん」が忙しく働いています。

カウンターにはいくつか空きがあるものの、テーブル席から奥の座席まで満席。

皆さん地元の方々のようで、口々に

「恵子ママ!ビールもらってくよ!」「ママ、こっちのラーメン、ゆっくりでいいからねぇ」

と声をかけています。

どうやらこのお店、いや恵子さんは地元の皆さんからとても愛されているようです。

ふとカウンターを眺めると、片づけ切れていない丼ぶりの横に7~8割残った瓶ビールがずらりと並んでいます。

すぐにピンときました。

みな、ラーメンだけじゃ悪いから心付け代わりにお母さんの手間のかからない瓶ビールを一緒に頼んでいったのでしょう。

『なるほど~』

ということで、本当はハイボールが飲みたかったのですが、

私も空気を読んで「ニラ塩ラーメン」「ぎょうざ」に瓶ビールを注文します。

「はぁ~い!ありがとうねぇ~(^^)」と恵子さん。

しかし、一人で片付けから洗い物から料理まで…

大変そうだとおもい、

「ビール、もらってくよ~」

とセルフで冷蔵庫からビールとコップをいただきます。

しばらくすると

「あらぁ~悪かったねぇ~」

と恵子さん。

「いやいや、忙しそうだから。飲みながら待ってますからこっちもゆっくりで(^_-)-☆」

するとカウンターに並ぶビール瓶を引き寄せ、

「これ、残り物だけど飲んでって(^_-)-☆」

と恵子さん。

なんともおおらか!

せっかくのお気持ちなので、サービスのビールから頂戴しました。

すると「待ってる間に…」と枝豆と白菜の煮物のサービスも。

恵子ママ、枝豆に煮物、とってもうまがったよ!

そして、ぎょうざとラーメンの登場です。

ぎょうざの写真はありません。

ママさんのぎょうざは写真を撮ることを忘れてしまうぐらい旨かった!

ラーメンもうめがったよぉ~(*´Д`)

こうして喜多方初日の夜はお腹も心も満ち足りて、心地よく更けていったのでした。

<続く> 


東北重量挙の旅~四日目~

2019年08月30日 | トレーニング日記

さて、旅も後半。

四日目のこの日は八戸から郡山へ向かいます。

ここまで鈍行列車のフリーパスチケットで回ってきましたが、

流石にしんどくなってきて新幹線に手を出しちゃいました。(^_^;)

 

朝食はちょっと贅沢をしてウニの箱飯です。

おやつは八戸のスーパーで買ったご当地菓子。

どちらも美味しくいただきました。

そして郡山到着。

 

この日は郡山でリフティング…のつもりでしたが

「のんびり温泉」に問い合わせたところ「合宿で使ってるから練習できないよ」とのお返事。

ナショナルチームの合宿は先日終わったばかりだし、

お盆真っ盛りだから学生の合宿もないだろうと高をくくっていたのですが、残念。

『さて、どうしたものか…』

と思案すること0.1秒

岩城にもウエイトリフティング場があったことを思い出しました。

グーグルマップ先生で調べると、車なら80分ほどで到着することが判明。

タイムズのシェアカーを借りて一路岩城へ。

 

体育館は現在改修中とのことで、隣の市民プールの管理棟の中にある仮設の練習場での練習となりました。

中はこんな感じです。

ウエイトリフティングのできるスペースはプラット一面分でした。

他はこんな感じです。

この日の練習もにぎやかでした。

トレーニング場には引き締まった身体のお父さんたちが数名、思い思いのトレーニングに励みます。

「お?重量挙かい!? 珍しいなぁ~!!」

などと話しかけてくれます。

なんでもパワーリフティングを競技として長く続けていらっしゃるのだとか。

70代のお父さん方ですが、

ある方は懸垂をガシガシ、そりゃぁもうガッシガシと15レップぐらいでセットを組んでいます。

私なんか2~3回できるかどうか…

私「すごいですねぇ~(◎_◎;)」

お父さんA「えぇ!? これっくらいあんたも出来んじゃねぇの?」

私「無理ですよぉ~(;´∀`) ほんと凄いです。」

お父さんA「そんな褒めてもなんもでねぇぞ~(笑)」

 

またある方は、パラレルスクワット120kg7レップでいつまでもセットを重ねています。

お父さんB「俺、もう膝が変形しててさぁ、下までしゃがみ切らねぇのよぅ(^_^;)

  だもんで、試合は大分前に引退してんだぁ(^_-)-☆」

私「僕より全然脚強いですよ~(;´∀`)」

お父さんB「またまたぁ~、若いんだからもっと立つだろう!?(笑)」

 

またある方は、ひたっすら上腕二頭筋を追い込み続けています。

お父さんC「俺、今日は補強の日なんだ( ̄ー ̄)ニヤリ」

私「二頭筋パッツンパツンですね(笑)ラクダのこぶ見たくなってますよ!?」

お父さんC「( ̄ー ̄)ニヤリ」

 

そんな感じで、皆さん人懐っこく話しかけてくれるんです。

そして互いにプレートの付け替えを手伝ったり、補助に入ったり

クロスフィットやウエイトリフティングの練習ではよく見る光景ですが、

東京のトレーニング場ではなかなか見ない光景です。

流石に3日連続の練習はこたえましたが、

地元のお父さんたちの人情に包まれて、楽しく、気持ちよく練習を積むことができたのでした。

20190814いわきウエイトリフティング場にて

練習を終えると皆さん

「もう終わりかい?この後予定あんの?飯でもどうだい?」

お互い名前も知らないのに、一緒に汗かいたらすっかり打ち解けて

こういうふれあいって嬉しいですよねぇ(*´Д`)

でも、すぐに郡山へ戻って喜多方行きの列車に乗らなくてはならなかったので

お誘いは丁重にご辞退申し上げました。

「俺たちいつもここに居っからよぅ!またこいよ!」

と、これまたあったかい見送りをいただきました。

さて、ここから先はラーメンでリカバリーに専念です。 

一路、喜多方を目指したのでした。

<続く>


東北重量挙の旅~三日目・ホタテ小屋~

2019年08月28日 | 治療の話

16:18 青森駅到着

駅を出ると五年前に見た八甲田丸が見えました。

思い出しますねぇ。

ひどい目に遭った…(遠い目)

※詳細はこちら

5年前、家族できた時に入れなかった「ホタテ小屋」がありました。

500円で2分間ホタテ貝をがつり放題なんだとか。

釣ったホタテはもちろん食べてOK。

えらく気になったんですが、うちの家族はみな貝が苦手んですよね。

私は食べるんですけど…

前回来たときは即却下でしたが、今回は止めるものがありません。

ラーメンもいいですが、せっかくなので5年前のリベンジを果たすことにしました。

このホタテ釣り、なかなか人気があるようで私の前に3組か4組まっていました。 

しばらくは順番待ちです。

皆さんなかなか釣ることができず、残念賞のホタテ2枚を手にしょんぼり席に戻ってゆきます。

あまりに連れないので見かねた店員さんがアドバイスをくれました。

ここで紹介してしまうとお店が気の毒なことになってしまうので伏せますが、

5枚のホタテをゲットできました!

通常1枚450円ですから約4枚分得した勘定です。

せっかくなのでカキとサザエ、ビールを追加で頼みます。

ほろ酔い気分でお店を出たのが17:00。

八戸行きの電車が17:23。

ラーメンはあきらめて青い森鉄道で八戸へ移動です。

 

八戸に着いたのが19:00。

焼き貝とビールでお腹いっぱいでしたので、銭湯を探して一風呂。

帰りに地元のスーパーでご当地カップラーメンを購入。

こうして3日目を終えたのでした。

<続く>

 


東北重量挙の旅~三日目~

2019年08月27日 | トレーニング日記

さて、東北重量挙の旅もいよいよ折り返しの3日目。

この日の目的地は青森県弘前市にある弘前市克雪トレーニングセンターウエイトリフティング場です。

朝6:00に起床し、ホテルで朝食をかき込み秋田駅へ。

7:28分のJR奥羽本線で弘前へ向かいます。

さらば秋田。

そして、弘前到着。

10:02に到着しましたが、弘南鉄道・運動公園前に向かう列車の出発は10:30。

約30分間の時間待ち…

ただ待つのも何なので、ほんのひと時ではありますが弘前駅周囲を散策することにしました。

一週間ほど前にねぶた祭があったそうで、そこここで祭りの名残がみられました。

 

 さて、10:30。

弘前駅を出発です。

10:34運動公園駅到着です。

運動公園前駅はとてものどかな感じの無人駅でした。 

そして、弘前克雪トレーニングセンターに到着。

ウエイトリフティング場の広さは秋田スポーツ科学センターの3倍ほどありました。

エアコンはありませんが、設備も整ったよい練習場でした。

私が到着したときには先客が1名。

見たところ30歳前後。

リフティングがとてもお上手な方でした。

聞けば学生時代選手だったとか。

なるほどです。

とても気さくな方で、おかげで楽しく練習することができました。

練習初日は前日の移動の疲れもあって抑えめの練習をしましたので、この日は少し追い込むことにしました。

とはいえ明日も練習するつもりでしたので、がっつり効かせるというよりも種目中心・スキルトレーニングよりのメニューです。

20190813克雪スポーツセンターウエイトリフティング場にて

〇スナッチ

・フォーム練習-シャフトで3セット

・40kg 3レップ×3セット

・50kg 3レップ×2セット

・55kg 3レップ×1セット

・60kg 3レップ×1セット

・65kg 1レップ×3セット(×〇〇)

・70kg 1レップ×4セット(〇××〇)

・75kg NG

〇ボックス スナッチ(ひざ下から)

・60kg 3レップ×1セット

・65kg 1レップ

・70kg 1レップ

・75kg 1レップ×2(×〇)

・80kg NG

・60kg 3レップ×3セット

〇クリーン&ジャーク

・50kg 3レップ×2セット

・60kg 3レップ×1セット

・70kg 3レップ×1セット

・75kg 2レップ×1セット

・80kg 2レップ×1セット

・85kg 1レップ

・90kg 1レップ×3セット(△△△-全部ジャーク失敗)

〇ボックス クリーン&ジャーク(ひざ下から)

・60kg 5レップ×5セット

〇補強:バックスクワット/スナッチデッドリフト

スクワットはベストの13kg下まで

スナッチデッドリフトはベストの10kg下まで

ここまでで3時間弱、時刻は14時を回ったところでした。

シャワーを浴びたら急いでラーメン巡り開始です。

グーグルマップ先生にお伺いを立てたところ、

スポーツセンターから弘前駅の途中にある「支那そば 晃や」というお店を見つけました。

ここではラーメン煮卵トッピングと餃子をいただきました。

細めの縮れ麺は自家製麺とのこと。

コシも強く喉越しも良く、スープの絡みも抜群です!

煮卵も半熟トロトロ。

チャーシューも柔らかくていい塩梅!

ナルトが乗ってるのがまたうれしいですね。

そうそう!スープも旨かった!!

青森なのでてっきり煮干し出汁だと思って食べてましたが、あとで調べたらカツオ出汁なんだとか…

『う~ん、煮干し出汁のスモーキーな薫りがたまらんのぉ~(*´Д`)』

などと悦に入っていたあたり、私の舌も当てになりませんね…(^_^;)

餃子はびっくりするぐらいニンニクが効いてました!

個人的には好きな味ですが、仕事の日に食べるのは勇気がいる感じですね。(;´∀`)

 

さて、まだまだラーメンを食べ歩いていたいところですが、

この日の宿は八戸ですので早めに移動することにしました。

徒歩込みで3時間の旅路の始まりです。

 

さらば弘前!

まずは弘前からJR奥羽鉄道で青森へゆき、そこから青い森鉄道で八戸へ向かいます。

3時間の旅路、なんて大げさに書きましたが青森では1時間の乗り継ぎ休憩があります。

ここでまたラーメンを食べようという算段です。

到着は16:18。

ラーメン屋さんの暖簾があがっているのかどうか微妙な時間ですが、期待を胸にいざ青森へ!

<続く>


東北重量挙の旅~二日目・ラーメン食べある記~

2019年08月23日 | トレーニング日記

さて、二日目後半戦。

ほどよく汗をかいたら腹ごしらえです。

グーグルマップに近所の美味しいお店を伺うと★3.9のお店を発見!

自転車かっ飛ばして現場へ急行です。

【第1麺:麵屋THEさとう】

時間は14:00を過ぎたあたりでしたが、およそ8割の込み具合。

このお店は化学調味料不使用の無化調ラーメンが売り。

カウンターに座ると醤油ラーメン味玉入りを注文。

非常に人懐っこい感じのご主人が「面の種類はどうします?」と聞いてくる。

通ぶって「おすすめは?」と私。

「醤油なら平打ち麺がおススメだよ!」と主人。

「ではそれで」と私。

ラーメンはさほど待たずに出てきた。

優しい味わいの澄んだスープ。

しっとりしてモチモチの鳥チャーシュウ。

腰のある麺。

味玉も君の緩さ、出汁の浸かり具合ともに実にいい塩梅。

あっという間に完食。

最近はラーメンのスープは意識的に残していたが、

このスープ、どうも後を引く…

気が付けばスープも飲み干していた。

するとどんぶりの底から

主人の遊び心にほほが緩む。

麵屋さとうのラーメンは、気さくで真面目なご主人の人柄がそのままラーメンになったような、そんな逸品だった。

-end-

 

さて、時計を見るとまだ14:30にも届いていませんでしたので、

続いて★4.1のお店へ向かいます。

 

【第2麺:らーめん萬亀】

店の前には10名ほどが並んでいた。

普段は並んでまで食べないが、食休みにもなるかと並んでみる。

ほどなくして隣の男性が話しかけてきた。

「お兄さん、どっから(きたの)?」

見た感じ、私より10歳ほど年上だろうか。

「東京です」

「こっちに親戚でもいんの?」

「いえ一人旅です」

「なして??? 墓参りせんでいいの!?」

矢継ぎ早の質問にちょっとびっくりしたが

「東京のお盆は7月なんです(;´∀`)」

と濁す。

「えぇ!?お盆7月なの!?   なして?」

なんでかは分からない。(^_^;)

でも、なんとなく人のよさそうなお父さんだったのでその後も話しに花が咲く。

中学生のお嬢さんがいること。

合奏コンクールに来ていること。

ここのラーメンを食べるために朝昼とご飯の抜いてきたこと。

弟さんが東京でパワーリフティングをしていて先日優勝したこと。

楽しそうに、嬉しそうに語るお父さん。

15:00を過ぎたころ、二人仲良く入店。

お父さんと一緒に食券を購入。

「初めてなら醤油がお勧めだね。あと、チャーシュー丼!これは絶対だよ!!」

というが

「実はここに件目なんですよ。チャーシュー丼は…(;´∀`)」

とやんわり断る私。

しかし、

「小っちゃい茶碗にちんまり出てくるだけだから」

と引かない。

しからば…とチャーシュー丼も注文。

そして出てきたのがこちら。

お父さん…

でかいよ…

 

「結構(でかい)ですね(^_^;)」と私。

「あれぇ?」と目を泳がせるお父さん。

肉厚ですがすこぶる良い口どけのチャーシュー。

パンチの効いた魚介系のどろりとしたスープ。

腰のある太麺がたまらない。

そして、

甘めのたれでまとめられた角切りのチャーシューがゴリゴリ乗ったチャーシュー丼。

チャーシューは脂濃くないのにしっとり柔らか。

とても食べきれないと思ったがぺろりと完食。

タイミングよく隣のお父さんもちょど完食。

一期一会であろうに暖簾をくぐるとどちらからともなく

「ではまた!」

と、らーめん萬亀を後にした。

-end-

 

時刻はもうすぐ16:00といったところ。

この日は秋田駅近くのビジネスホテルを取っていましたので、チェックインに向かいます。

途中「千秋公園」のお堀端にTVで観た「ババヘラアイス」を発見しました。

写真だとちょっと小さく見えますが、結構なボリューム。

お味はさっぱりとした味で、こってりラーメンの後には最高でした。

 

ホテルのチェックインを済ませ、荷物を部屋において身軽になったところで自転車を駅に返します。

それでもまだ、17:00でした。

ラーメン萬亀でご一緒したお父さんに、近くに桂浜という海水浴場があり、夕日がきれいだと聞いたので

シェアカーを借りて行ってみることにしました。

残念ながら雲が覆っていて夕日は拝めませんでしたが、

それはそれで非常にきれいな景色にうっとり。

ちょっと暗くなるまで浜で景色を堪能し、夕食を求めて秋田駅へ戻りました。

部屋に戻りシャワーを浴びたら出動です。

もうラーメンは沢山!!なお腹でしたので、夜は魚を食べることにしました。

できれば岩ガキが食べたい!

ということでホテルの近くで探してみると、なかなかよさげなお店を発見しました。

【居酒屋へち貫】

お通しはツブ貝

いいお味!

そして、念願の岩ガキをいただき大満足!

左は名前を忘れてしまいましたが、モズクではなく地元の粘りのある海藻の酢の物です。

隣は鯛の酒盗。

奥は秋田で作った生ハム。

酒は石川県の「益良雄」。

他にも??鰈(名前を忘れました…)の煮物

ギンポの天ぷらをいただきました。

天ぷらは写真撮る前に食べちゃいました(^_^;)。

さすがに昼も遅かったので、晩酌程度で満腹でした。

ほろ酔いでホテルに戻りシャワーを浴びると10:30。

いつもならまだまだ起きている時間ですが、翌日は青森でリフティングの予定です。

さっさと寝床に潜ったらあっという間に眠りについたのでした。

<つづく>

 

 

 

 

 


東北重量挙の旅~2日目~

2019年08月20日 | トレーニング日記

さて、東北重量挙の旅2日目。

朝は7時前に起床です。

せっかく温泉に泊まってるので朝風呂をいただき、8時に宿を経ちました。

まずは秋田スポーツ科学センターの最寄駅、秋田駅へ移動です。

 

8:21羽後牛島駅

 もうやる気満々。

トレーニングウェアに着替えて移動です。

8:26 秋田駅到着 

途中、撮影ポイントを見つけてパチリ。

 

適度に油を売ったのち、秋田観光案内所でレンタサイクルを借ります。

何とここでは10台限定で自転車を無料で借りることができるんです。

貸し出し開始は9:00、返却期限は17:30。

観光案内所が開くまで、待っている間に朝食を取ることに。

秋田と言えば「比内地鶏」!!

昨日食べれなかった駅弁のリベンジを完了したところで9:00。

無事に自転車を借り、秋田スポーツ科学センターへ向かいます。

途中、きれいなハスが咲いていたのでパチリ

 

9:45 秋田スポーツ科学センターに到着です。 

立派な正面玄関をくぐると…

 

左手にリフティング場の入り口がありまして…

こんな感じの練習場!

プラットホームは2~3組ぐらいで練習できそうな広さ。

だいぶ歴史の詰まった感じのシャフトが4本。

どのシャフトもローレット(バーベルシャフトの表面に刻まれた細かい滑り止め)が削れてなくなっています。

きっとどこかの大学で使われてきたシャフトなんだと思います。

長年だいじに大事に磨きながら使うとこうなるんです。

バンパープレート(ウエイトリフティング用の重りです。外周がゴムでできていて床に落とすことができます。)は15kgからで、2.5kgの鋳型のプレートが最小でした。

つまり、シャフト(バーベルの芯棒の部分。20kgあります。)の後は50kgからスタートし、その後も5kg刻みの練習となります。

はなかなか武骨な重量設定での練習です。

これが秋田流なのですね!(◎_◎;)

 

10:00、いよいよ練習開始です。

練習場には先に3名の方が練習していました。

一人は50kgのバーベルでアームカールを、

もう一人は60kgでデッドリフト。

いわゆるウエイトトレーニングをされる一般のトレーにの方々ですね。

最後の一人、ご年配の方がウエイトリフティングを練習されていらっしゃいました。

ふと見るとこの方、どこかでお会いしたような…

『あれ?ひょっとしてマスターズでM85に出ている小林先生ではなかろうか?』

小林努先生であれば御年87歳。

日本最高齢の現役リフターです。

日本のマスターズの試合では85歳以上のクラスがありますが、

小林先生がご年齢を重ねることでできたクラスだと聞いています。

ご挨拶させていただいたところやはり小林先生でした!

これは3年前の世界大会のものです。

世界第3位!

こちらは今年の全日本マスターズのもの

優勝!

 

小林先生は数日後に控えた世界マスターズ選手権大会の最終調整にいらっしゃったとのことでした。

普段はこの時間に練習することはないとのことでしたので、お会いできたのは幸運でした。

小林先生は第一回東京オリンピックで重量挙日本チームのコーチを務めていた方です。

気さくに話しかけていただいて、練習後には東京五輪でのお話をお聞かせいただきました。

東京五輪で時の金メダリスト三宅義信先生を指導したお話など、興味深いお話をいただけて充実したひと時を過ごさせていただくことができました。

小林先生、ありがとうございました!

 

さて、練習の模様。

東北第一回目の練習はスナッチに焦点を絞って練習しました。

明日、明後日も練習をするかもしれませんでしたので、負荷を制限する意味もあってスナッチを選択しました。

昨日の旅のダメージかお尻に力が入らず四苦八苦(^_^;)

ま、そうでなくともこんな程度ですが…

〇20190812秋田スポーツ科学センターウエイトリフティング場にて

 

トレーニングが終わったらラーメン巡りの始まりです。

<続く>


東北重量挙の旅~1日目~

2019年08月18日 | トレーニング日記

さて、東北重量挙の旅第1日目。

今回、メインテーマを東北のウエイトリフティング場巡りとしましたが、

それだけではちと寂しい気もします。

そこで、サブテーマに東北のラーメン食べ歩きをすることに。

それに、ブログに書けば食費も経費で落ちるかなって…(^_^;)

 

では、北海道&東日本パスで行く、東北ウエイトリフティング場巡りの旅開幕です。

8/11、朝3:30起床。

初日のゴールは秋田。

基本、普通列車で移動になるのでかなりしんどい旅になることは想像に難くなく、

体力のある初日は目いっぱい移動に費やし、リフティングは翌日じっくり楽しもうという算段です。

当初、一日あれば何とか行き着けるだろうと気楽に構えていましたが、

我が家の鉄先輩方(嫁・息子)曰く、東北は特に列車のつなぎが悪いのだとか。

つまり、わたしが考えるような行き当たりばったりの旅なんてとてもできたもんじゃない!ということなのだそうで

旅の行程はしっかり組みなさいと鉄先輩方(嫁さんと息子)のご指導のもと、日付が変わるまでルートの確認作業が続いたのでした。

なのに3:30起きって…

さっき床に就いたのに仮眠程度でもう起床。

ひっじょーに眠かったんですが、

『ま、電車で寝ればいいか』

と、気楽に構える私。

この後すぐにお気楽な考えは間違いだったと気づくことになろうとはつゆ知らず、眠い目をこすりつつワクワクしながら身繕いです。

本番は明日からのリフティング。

道中極力体力は温存したいところですので、車内では極力眠りたい。

それにはぜひとも座りたいところ。

いや、この時はまだ座れないという事態を想像すらしていませんでしたが…

支度を済ませて出すもの出して、4:15いざ出発です。 

4:37 自宅から西武池袋線の最寄り駅へ。

まずは池袋へ向かいます。

4:51 池袋に到着。

埼京線で赤羽へ。

5:10赤羽から今度は高崎へ。

と、ここまでは快調に座れていたのですが、

7:12高崎から水上行への乗り継ぎでは残念ながら立つことに。

トイレに寄ったのが敗因と思われます…(;^ω^)

しかし、まだ7時台なのに思っていたよりも混んでてびっくりです。

鉄の方も多かったのですが登山客の姿が多い。

後で気が付いたのですが、この日は山開きだったそうで、登山客が多いのはそのせいだったのかもしれません。

当初想い描いていた「ほとんど人のいないローカル列車にコトコト揺られて…」のイメージとは程遠い混雑ぶりにはちょっとだけ残念でした。

 

さて、立ち疲れたころ、もうすぐ水上といったところで何やら鉄の方々に不穏な動きが…

鉄分の低い方々を残して、みな我先にドア付近に集まっていきます。

次は水上から長岡行に乗り換えです。

『何か意味があるに違いない』

と、しれっとその群れに合流しつつ鉄分の高い息子にLINEでアドバイスを仰ぎます。

息子曰く

「長岡行きはボックスシートがあってみな席取り合戦をする」

のだとか。

「座りたければ死ぬ気で走れ!」

とのこと。

なるほど…

8:17 水上到着。

ドアが開くとみな(といっても鉄の方限定)隣のホームに猛ダッシュです。

私もでかいリュックを背負ったままそれに続きます。

途中、階段でそこそこの数のライバルたちを追い越し、長岡行きでは無事ボックス席に座ることができました。

別に追い越そうとしたわけでもなかったんですが、日ごろの鍛錬のせいかでしょうかね。

登り階段で差が付きましたね。

↑確かこれにのったような…

 

その後、

10:29長岡から新潟へ

↑キハ47系、というらしい。

息子にLINEで送ったら興奮気味に教えてくれました。

 

11:41新潟からJR白新線で村上へ

↑115系

この辺りは乗り換える先々で無事に席に座ることができ、快適に旅は…

すすみません(-_-;)

長岡を迎えたあたりから尻っペタが痛いのなんの…

とても寝れたもんじゃありません。

もう尻がもげそうです(´;ω;`)ウッ…

痛みに悶絶しつつ、12:57村上に到着。

鉄先輩(息子)の指示では「村上での乗り換えは50分ある。ここで昼食の調達だ!」とのこと。

息子は駅弁を押してきますが、今回のサブテーマはラーメン食べ歩き。

車中、気になるお店をピックアップしてみると、マーボー面の旨そうなお店を見つけました。

じつは無類のマーボー麺好きの私。

ワクワクしながら暖簾をくぐります。

しかし、

「だいぶ待たせちゃうけど大丈夫?」

とおかみさん。

時計を見ると次の電車まで 残り40分。

この後4時間半は乗らなくてはなりません。

座席を確保するためには余裕をもって10分前にはホームに待機したいところです。

となると自由になるのは30分。

30分では注文できたとしても食べ終えることはできそうもない感じです。

残念…

あきらめて駅弁で我慢することにして駅へと戻ります。

しかし…

駅にはコンビニがありますが、どうしたことか

駅弁の姿がありません。

駅員さんに聞いてみると

「ここでは駅弁の取り扱いはないよ(^_^;)」

とのこと…

慌ててコンビニに戻るも今度は弁当もおにぎりも売り切れ。

なんてこった…orz

辛うじて棚に残っていたランチパックと煮卵を購入し、これが初日のお昼になりました。

13:47 村上を発つと窓の外は海!!

↑粟島

「初日の秋田は新潟経由で行くべし」とは息子のアドバイス。

つらく過酷な道中でしたがこの景色!

息子のファインプレーに感謝です。

16:30酒田で秋田雪に乗り換えいよいよラストランです。

この日のゴールはお宿の最寄が秋田駅の一つ前、羽後牛島という駅でした。

18:15羽後牛島到着。

階段を下り

長い廊下を渡り…

ようやく出口?駅舎?に出ることができました。

羽後牛島駅はちょっと面白い作りの駅ですね。

 

こうしてようやく電車移動を終えることができました。

4:15分に家を出て、ここまでの所要時間14時間…

長かった…

秋田の地を踏んだところでホテルへの道中、ラーメン屋を探します。

が、どのお店も14:00終了。

仕方なく、道すがら見つけた「秋田丸ごと市場」の「市場のすしやさん」で夕食となりました。

道の駅的な施設の回転ずしでしたがめちゃめちゃ旨かった!!

本マグロのトロ裏という部分の軍艦を頼んだのですが、

これでもか!!!!!

と中トロ的な角切りがてんこ盛り。

いや~うめがったぁ~

そして20:00、初日のお宿、天然温泉こまちに到着です。

しっかし、鈍行で東京から秋田に来るってのはよういでね(大変だ)なぁ。

ほんと、疲れだぁ。

 

翌日は10:00から秋田県スポーツ科学センターでリフティングです。

この日はゆっくり温泉に浸かり、旅の垢を落としたらサックリ就寝。

いいお湯でした!

<続く>


東北、重量挙の旅~プロローグ~

2019年08月17日 | トレーニング日記

わが家はちょいちょい旅をします。

毎年、というか四季折々に長短さまざま(だいたい短期)の旅を楽しんでいます。

今でこそ旅は日常の一コマになっているのですが、私の家系では旅を楽しむという習慣というか、そうした文化はありませんでした。

旅を楽しむというのは嫁さん方の文化で、結婚後、遊び下手なわが家系に育った私に新しい世界を開いてくれることになりました。

この「旅」という文化はしばしばときに私を辛い局面に追い込んでくるのですが、おおむね楽しい思い出を残してくれています。

「旅をする」という娯楽を知ったことは、彼女と結婚してよかったと思うことの一つだというのが素直な感想です。

さて、

7月に入り『さて、今年のお盆はどこに連れていかれるのだろうか…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルどこに行こうか?』

とぼんやりと考えていました。

とはいえ息子は今年で高校1年生。

彼の所属する重量挙部の練習は週6日。

夏には試合や合宿も入ってくる。

でも、お盆ぐらいは休みだろうと、家族での思い出作りの計画を練り始めていました。

ところが、今年のお盆はちょっと遊んでいる暇がなさそうだと息子。

お盆の旅行の計画はいったんペンディングとなったのでした。

8月に入ると息子はインターハイのお手伝いに沖縄へゆき、その後もクラスメイトとのお付き合いでプールやらなんやらで楽しく夏を過ごしている様子。

しかし、当然宿題が大いにはかどらないままになっているらしい。

「どんな塩梅だい?」

と聞くと、

「やばい。」

との回答でした。

息子を連れてというのはどうやら無理だということが分かりました。

しからば、夫婦水入らずで士別合宿(※詳細はコチラ⇒士別家族合宿2017)を張ろう!

と嫁さんに持ち掛けると

「高校男子を一人家に置いておくなんて、んな危ないことできるかぃ!!!」

と一喝…

彼を一人置いておいて、いったい何が起ころうというのか…

あ、宿題はやらないだろうな(笑)

アニメ三昧、友達とカラオケ、なんなら友達の家にお泊り、そんなところか。

親が全く隙を与えないというのもいかがなものかと思わなくもないが、

息子の学業の進捗状況を考えると致し方ないことと理解はできました。

仕方ない。

息子よ、自由は自らの力で勝ち取ってくれ!

と合掌。

さて、となると5日間どう過ごそう!?

8月の講義資料を作るかな…

と、重い指どりでPCのファイルを開くと、なんと6月付で完成しているではないか!

6月の自分!

えらい!よくやった!男前!!と自画自賛。

では考案した装具の意匠登録の準備を進めるか…

と、逡巡している傍らでむくむくと沸き上がある欲求…

『嗚呼…コトコト汽車に揺られてのんびり旅がしたい…』

私のブログを長く読んでいただいている方ならご存知だと思います。

我が家は鉄分が高い。

そう、嫁と息子は生粋のテッチャン…

息子は「鉄ヲタ」という呼称にプライドを持っているので敢えて「鉄ヲタ」と書いた方がいいかもしれないですが…

なんにせよ、

鉄分の高い家族に囲まれて早16年。

「コトコト汽車に揺られたい」なんて、ノンケの私もだいぶ鉄分が高くなったもんです。

家族での旅もNG、夫婦水入らずもNG

となると一人旅!?

んな大それたこと考えたら罰が当たる!と思いつつ

ついつい士別旅行を検索してしまう私。

でも、お盆を目前に控えた時期では飛行機も新幹線も、深夜バスさえとるのは困難な状況でした。

しからば普通列車のみで北海道の士別に行けないか?と青春18きっぷなどの鈍行の旅を調べてみましたが

北海道に行きつけはするものの、ほとんど練習する時間は作れないことが分かりました。

さらに、士別合宿では外せない「旅館まるいし」に空きがあるかを問い合わせてみましたが、こちらも満席で取れず…

どうやら士別合宿の線は断念せざるを得ないようです。

でも、どうにもどこか旅がしたい気持ちが捨てきれず、次に思いついたのが「東北のウエイトリフティング場巡り」でした。

前々から秋田、弘前、郡山、いわきにリフティング場があるようなことは聞いていて、一度行ってみたかったんですよね。

これは調べたら何とか15日までに東京に帰ってくることができそうでした。 

しかし、一人旅をすることを嫁さんがどう思うだろうと考えるとなかなか言い出せず…

そうして数日のあいだモジモジしていたのですが我慢しきれず、

お盆も直前、ダメもとで嫁さんに「一人旅がしてみたい」と打ち明けたのでした。

嫁さんの反応は意外なもので

「あ、いいね!行っといでよ!」

とあっさりOK。

「ちょっと気晴らししといで!」

と気持ちよく送り出してくれたのでした。

息子はというと「青春18きっぷ」よりも「北海道&東日本パス」の方がお得だということや、

新潟周りで秋田入りすると日本海の景色が綺麗なこと、

水上からの乗り換えが戦争になることなど道中のポイントをレクチャーしてくれます。

二人のあったかい返答に

ほんま、ええ子たちヤァ(ノД`)

と、感動のあまり涙が出たとかでないとか。

そうして、4泊5日の東北重量挙げ一人旅が始まったのでした。


予防接種の影響で生じた肩峰下インピンジメント症候群

2019年08月10日 | 治療の話

今日は肩の故障の臨床報告です。

臨床報告といっても一般の方にお読みいただけるよう専門用語は極力使わず

挿絵も多めに書いておりますのでご一読いただけましたら幸いです。

 

先日、ちょっと興味深い症例に出会いました。

一見、ごくごくありふれた肩の故障。

いや、一見しなくともありふれた肩の故障なのですが、

その発症の切っ掛けがちょっと興味深かったんです。

主人公はシャツの脱ぎ着で左肩が痛むとご来院のAさん(60代女性)。

ことの発端は昨年の冬。

左の肩にインフルエンザの予防注射を受けてから、シャツの脱ぎ着で肩がギクギクと痛むようになったとのこと。

初めのうちは「注射を受けてから」という患者さんの言葉はあまり気に留めていませんでした。

でも、Aさんのお身体を調べるうちに『確かにそうかもしれない』と宗旨替えすることになったんです。

Aさんの肩の所見を並べると以下の通り。

・ペインフルアークサイン陽性

Aさんの肩は腕を90度~100度開くと肩の側面に痛みが走ります。

その角度を過ぎると何とか170度(本来、故障がなければ180度は開きます)ほど挙げることができます。

これをペインフルアークサイン(有痛弧徴候)といい、肩峰下インピンジメント症候群では特徴的な所見となります。

さらに調べると、以下の所見が取れました。

・二の腕を90度開いた角度での内ねじりの動き(第二内旋)が狭い=棘下筋/小円筋の短縮

これも肩峰下インピンジメント症候群ではよく見る所見です。

以下の所見もスタンダードな異常所見です。

・肩甲骨を固定して腕を開くと痛みを強く訴える(インピンジテスト=棘上筋の腱(腱板)にダメージを負っていることが分かる)

↓・上腕骨の頭は肩甲骨の関節窩に対して前方へずれている(棘下筋/小円筋の短縮と肩甲下筋の延長や弛緩を示唆)

↓・ 上腕骨の頭は肩甲骨の関節窩に対して上方へずれている(三角筋の短縮 / 肩関節上面の靭帯の拘縮~烏口肩峰靭帯・関節上靭帯~を示唆)

〇通常の肩関節

〇異常所見

・左肩(故障側)は「なで肩」に見える=三角筋の短縮

上の3つの絵からわかることは「三角筋の短縮」これがあるということです。

 

でも、ここまでは肩峰下インピンジメント症候群ではごく一般的な所見です。

Aさんのケースでいえば、関節上面の拘縮ができていたあたり、腱板や靭帯の損傷が徐々に深まっていることが分かります。

障害の深さは中の上です。

ここまでの所見でAさんの肩の痛みは主に三角筋の短縮が犯人であると考えました。

三角筋の短縮は腕を横から開く「外転動作」で肩関節に引っ掛かりを生み出します。

まとめれば、Aさんの肩の痛みは、

何らかの理由で縮んだ三角筋が上腕骨を引き上げ、

肩峰(肩甲骨と上腕骨の関節部の天井)の下で棘上筋腱を挟み込むことで傷つけ

傷ついた棘上筋腱に痛みを生じているという判断になります。

これを腱板損傷といいます。

 

これにプラスアルファの所見が「予防接種」との関係を明確にいしてくれました。

その所見とは、三角筋の上腕への付着部、三角筋粗面の少し上の瘢痕組織の存在です。

瘢痕組織は上の絵の赤い三角より少し上にありました。

ちょうど予防接種で筋肉注射をする部位です。

これには三角筋を触察しながら上腕骨を内外に動かし、

三角筋の長さと三角筋筋膜のすべり具合(滑動性)を調べていた時に気が付きました。

いつもの瘢痕の場所としてはあまり見ない場所だったので『あれ?』っとなったんです。

そして、冒頭の「インフルエンザの予防接種」の話を思い出したわけです。

Aさんの肩は腱や靭帯の損傷、瘢痕ができていた割に治療によく反応し、可動域もほぼ正常まで引き出すことができました。

でも、瘢痕化した組織や拘縮した組織の形状記憶性は強いですから、状態を安定させるにはセルフケアも大切です。

Aさんには下の動画の手法を2~3日に1度は行っていただくようお伝えして初回の治療を終了しました。

リフターズケア:ベンチプレスの肩の痛み~腱板炎・二頭筋長頭腱炎後の拘縮の解除とアスリートリハビリ~// 徒手医療協会

しかし、まさかインフルエンザの予防接種と肩関節の故障がリンクするとは…

もう20年近く治療を生業としていますが、こうした発見や気付きがいつまでも現れる。

これだから臨床はやめられません。

こうした発見が続いている限り、楽しくお仕事がつづけられそうです。

以上、臨床報告でした。


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