「グロインペインシンドローム:鼡径部痛症候群」~内転筋のセルフ筋膜リリース~

2016年03月23日 | セルフケア

スクワットをすると腿の付け根がきしむように痛み

トレーニングのあと、しっかりと休養をしても次のトレーニングで痛みを感じると

鼡径部の痛みのご相談にいらっしゃったAさん(30代男性)。

Aさんいわく、開脚のストレッチもやってはいるけれど、やはり痛みは変わらず…

思い切って2週間トレーニングを休んでみたけれど、やはりトレーニングを再開すると鼡径部が痛む…

とくにスクワットは痛みの増悪が強いとのこと。

患部を触察してみると、長内転筋と恥骨筋にトリガーポイントを作っているようです。

患部はかなり過敏な状態でしたが炎症をにおわすような所見もなく、

動画のエクササイズを試すとスクワット動作での痛みもなくなりました。

 

Aさんの相談は「グロインペインシンドローム(鼡径部痛症候群)」という故障です。

この「グロインペインシンドローム」は、

恥骨に付着する内転筋群や大腿骨の付け根(小転子)に付く腸腰筋、

ちょっと離れたところでは腰方形筋の外縁といった、

筋肉たちの筋腱移行部(筋肉が腱に変わるところ)や腱骨移行部(腱が骨に付着するところ)に累積した

微小損傷(マイクロトラウマ)によるトラブルをおこします。

マイクロトラウマとは、筋と骨、筋と腱の境目にできたちょっとした「傷跡」とご理解ください。

小さな傷ではありますが、身体の回復のスピードを超えて累積してゆくと骨膜炎や腱炎に発展し、

また、組織が脆くなるため再発を繰り返しやすくなってゆきます。

そうならないためには「マイクロトラウマ」の傷跡をそのままに放置しないことが大切です。

そうなってしまっても、先ずは「マイクロトラウマ」の傷跡の伸縮性を取り戻すことから始めます。

しかし、この場合いわゆるストレッチでは取りもらしてしまうことが多いので、

動画の方法のように、しっかりと患部に焦点を絞った方法をとることをお勧めします。

この手法は今までにもバレエダンサーやサッカー少年(青年か!?)、空手中年の選手生命を救ってきた優れものです。

直近ではAさんのようなウエイトリフターのセルフケアにも効果を発揮しています。

とても簡単な方法ですので、どうぞ試してみてください。

ただ、動画の後半にある実施上の「注意点」までしっかりご覧になってくださいね。

優れた手法も使う時期を間違うと傷を深める結果につながってしまうこともありますので。

迷ったら、相談にいらしてください。

では。


花粉症から寝違い(急性斜頸)、そして神経痛(頸部神経根症)へ

2016年03月22日 | 治療の話

最近の花粉の量はすごいですね(;´・ω・)

量と症状は関係ないといいますが、ところがどっこい、飛散する量が多ければ曝露する機会も頻回になりますからね。

休まる暇がないってもんです(-_-;)

花粉に言いたい。

俺の鼻に受粉しても鼻水しか出ないぞ、と。

いや、鼻かみ過ぎて鼻血もでるから血もでるか…

でもな!

花も咲かんし実もできんぞ!

もうほんと迷惑(+o+)

 

はい、愚痴はここまで。

今年は花粉症の方にはつらい年になりましたね。

こういう時には寝違え(急性斜頸)の相談が増えてきます。

寝違い(急性斜頸)とは、肩甲挙筋や胸鎖乳突筋(頚板状筋や斜角筋もダメージを受けてるケースが多い)などの痙攣による症状で、『あっ!やばい!!』と思った次の瞬間から借金がなくても首が回らなくなる、というシュールな故障。

この故障は『あっ!』っと思ったときの初期対応が重要です。

『あっ!』っとなった時に無理に動かさず、そっと『あっ!』っと思う前の姿勢に戻して落ち着くのを待つことです。

間違ってもそのままグイッと動かさないこと!

発症したら次善の策としてアイシングをしましょう。

痙攣は神経がパニックを起こして目いっぱい興奮した状況です。

なので、ガッツリ冷やすことで神経を眠らせ、上手くすれば痙攣を抑えることができます。

上手くしなくても過度の興奮をなだめることができ、症状を緩和することができます。

初っ端が大した痛みにならなかったケースでも

『あれれ?ストレッチすれば治るかな???』

なんてあっちこっちへ引っ張っているうちにとどんどん緊張が高まって、立派な寝違いになっちゃった…

なんてケースもよく聞きますから気を付けてくださいね(*_*;

 

この寝違え、発症後うかうかしているとすぐに筋膜炎に発展してしまうのが困りもの。

そうなると治癒までの期間が長くなります。

だいたい落ち着くのに2週間ほどを要するのは皆さんも経験上ご存知の方も多いでしょう?

 

で、この寝違えと花粉症がどう関連するのか?

この寝違い(急性斜頸)の痛みの主役と言える肩甲挙筋や胸鎖乳突筋は呼吸の補助をする筋肉でもあるんです。

鼻をすすったりくしゃみをしたりするとき、呼吸に関与する筋は補助筋も含めて総動員されます。

花粉症になると鼻はすすりっ放しのかみっ放しだし、くしゃみもしょっちゅうでてくるでしょう!?

鼻をすすると吸気に関与する筋肉が、鼻をかんだりくしゃみをするときには呼気に関与する筋肉が強力に使われます。

そんなことが頻回に、かつ長期間繰り返されるので、前出の補助筋たちは疲労困憊してしまい痙攣を起こしやすくなるというわけです。

なので、この時期は寝違えの相談が増えるんですね。(;´・ω・)

 

しかし、今年はちょっと症状が平年の上を行っているようです。

急性斜頸に加えて頚椎症性神経根症、つまり首から腕や背中に伸びる神経の故障=神経痛を起こしているケースが多い。

 

なんで頚の神経痛につながるのか、不思議に思われる方もいるかもしれませんが、

頚椎部から延びる神経が傷つく仕組みとその背景を知るとそう不思議なことでないことがお分かりいただけると思います。

 

くしゃみや鼻づまり(⇒鼻をかむ・鼻をすする)が続くせいで、呼吸の補助筋たちがカチカチに固まると

呼吸のための装置でもある「胸郭=あばら骨で囲まれた籠」を猫背の形で固定してしまいます。

背を丸め、首だけを振ってくしゃみをする。

背を丸め、首だけを反らせて鼻をすする。

でも、胸郭というフイゴは大きく動くことができない。

切れよく花粉交じりの鼻水を、のどの粘液を吐き出すことができない。

仕方ないので数で賄おうと頑張る。

呼吸筋はさらに疲労困憊して固まってゆく…という悪循環(ノД`)・゜・。

そして、この状況で「神経」のケーブルにとってまずいのが「動きを失った胸椎」と「動きの自由な頸椎」の境にテコがかかるようになることです。

動かない胸椎を支点に下位頚椎が可動限界一杯にガックンガックン振り回されることになるわけで、

この状況がつづくことでテコの支点に選ばれた関節が傷つき炎症に発展することがあるんです。

頸部椎間関節の炎症は、近くの組織にも波及してゆきます。

頚椎の椎間関節の近くには何があるのかと申しますと、腕や肩甲骨の間に枝を伸ばす神経があるんです。

なので、寝違いもひどくなると神経痛に発展してしまうことがあるんですね。

また、このシチュエーションでは過剰に動き続ける椎間関節自体に神経が傷つけられて「神経痛」を発症することもあります。

 

まとめると、

くしゃみ・鼻水

呼吸筋が疲労困憊

呼吸の補助筋が痙攣⇒寝違え

呼吸筋群の緊張亢進が胸郭を固定し、頸椎での過剰運動が誘発

頸部椎間関節の炎症(=神経根への科学的ストレス)

頸部椎間関節での神経根の圧迫(=神経根への物理的ストレス)

神経根のダメージとして「神経痛発症」

 

神経のダメージにまで発展してしまうと回復に時間がかかりますので、

この時期の寝違いは早め早めに治療の手を入れたいところです。

何はともあれ、心当たりのある方はお気を付け下さいね。

はやく花粉の時期が終わるといいですね(´;ω;`)


五年

2016年03月11日 | よもやま話

あの大地震と原発事故から五年
あの日々の記憶はいまだに薄れることがありません。
こうしてパソコンに向かっていても、いろんな想いが去来しますが、
なかなか文字に落とせません。
ただただ、あの日、不運にも命を落とした方々のご冥福を祈るばかりです。
そして、こうして生きていられることに感謝し、

平凡な日常があることがどんなに素晴らしいことか噛みしめて、

かつ、無為に過ごすことなく、

1日1日を大切に生きて行こうと思います。

何もできませんが、14:46には黙祷をささげたいと思います。


テニスボールは凄腕マッサージ師だ!!

2016年03月09日 | トレーニング日記

こんばんは!

先日、デッドリフトのPRに挑戦しまして(自己ベスト更新への挑戦の意)

年明けに122㎏だったのが135㎏を挙げることができて幸せいっぱいな41歳です。

ただ、最近コンスタントにトレーニングを積んでいる割にメンテナンスをさぼりがちだったせいか、

「背中~腰」から悲鳴が少々聞かれておりました。

 

「た。」

 

そう、過去形です。

 

もう痛くなぁ~~~~い!!!!(≧◇≦)

 

なぜなら、テニスボールでマッサージをしたから!

 

上位胸郭から始まり、腰仙部まで、壁と背中の間にボールを挟んでコロコロと

響く個所を見つけては響きが落ち着くまで(自覚的に響きが1/2になるまでor響きが下げ止まるまで)ボールにもたれ、全部が終わるのに45分…

長いと取るか短いと取るか…

効果の高さから入ったら「短い」に3000点!(古い!)

 

今やすっかり痛みも消え、呼吸も楽になり気分も爽快です!

ここでちょっと解説です。

起立筋は吸息の補助にも働くのでが固くなると息が吸い切れなくなるんです。

また、胸椎から腰椎には交感神経の中枢があるので、疲労した起立筋から昇る刺激から交感神経も興奮しがち。

呼吸も障害され交感神経も過敏に働き続けると、泥のような疲労感や動悸、焦りや不安といったマイナス感情に支配されてしまうので要注意です。

 

こんな時、テニスボールはホントいい仕事をしてくれますねぇ(*´з`)

これが浸透したら確実に治療の相談は減るだろうな…ってぐらいいい仕事をしてくれます。

 

さて、気分も上々!

腰も軽い!

ということで、これからスクワットをしに行こうと思います!!

なんとか5月中に110Kg挙げられるように鍛えよう。

でもって、6月の大会はスナッチ65KGジャーク85KG挙げようぞ!!(`・ω・´)b

行ってきます!


6月にリベンジ敢行!!

2016年03月02日 | トレーニング日記

2/14の大会から2週間。

都内某所にてクリーン(バーベルを床から肩に持ち上げる種目)の自己ベストの計測をすることに…

大会での目標はクリーン&ジャークで80kgでしたが結果は75KG止まり。

この日はおとなしく『77~8kgまでの挑戦にしようかな…』なんて考えて始めたのですが、

だんだんと楽しくなって、つい『ダメもとで80kg挑戦しちゃうか!?』と…

結果は

 

 

 

 

大成功💛(*´ω`*)

 

ま、ジャーク(肩から頭上へ持ち上げる種目)はしてないので、先日の大会のリベンジはまだできてないんですけどね(^^;)

それでももう嬉しくて嬉しくて。

『次の試合はもう80キロスタートだな。ウフフ』

なんて妄想が膨らみだしたところ息子のウエイトリフティング教室の先生から、

「6月に全日本マスターズがあるから!」

と連絡を頂いちゃいまして…

あと4ヶ月…

 

『こりゃ目標90だな』

と、妄想が暴走を始める41歳なのでした。

さて、暴走気味な妄想とはいえ、口に出したからには有言実行に向けて先日見つけた弱点を克服してゆこうと思います!

なので、今日はバックスクワットをしに行ってこようと思います!

お尻鍛えて90kgを制覇するぞ!!\(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!


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