日曜の「日本ダンススポーツ連盟 指導者講習会」の後
会場(渋谷区スポーツセンター)のレストラン
(!?)で
連盟の職員さんたちと食事をしていると、
セミナーに参加されていた女性
(以下お姉さん)が、
同行していた当院のスタッフA先生
になにやら質問をしている。
聞くとなく聞いていると、相談の中身は「お母さん」のことのよう。
脳梗塞の後遺症を持つ「お母さん」の状態が
最近落ち込んでいるので、何とかしてあげたいらしい。
A先生が(真面目に)いろいろと「お母さん」の麻痺の状態を聞き出しているが、
なかなか有益な情報が得られない
というか、お姉さんが核心を話そうとしてない。。。
麻痺の程度の話になると、どうもはぐらかしているように聞こえる。
麻痺のレベルによってやれることが変わってくるので
そこんとこは、キチッと押さえたいところ。
A先生の「ロースカツ定食」の湯気が消えた頃(=僕が食べ終わった頃
)
A先生→私に選手交代。
私「手の指は動かせますか?
グーパーとか。
肘の曲げ伸ばしは?
足首は反らせますか?」
これらは「麻痺」の程度を探るための質問です。
一見して、かなり状態が悪そうに見えても、
上記の質問にある動作(特に指と足首が動かせれば)が、多少でも出来れば
やりようによっては、リハビリのゴール(到達点)を高めることができる
場合があるんです。
しかし、残念ながら答えは「ノー」でした。
話の中では「けっこう動ける」ように話していたのですが、
実際は、介助にて何とか立つことができるが歩くことは出来ない、
また、ベットサイドにある簡易トイレを使用するのも困難なレベルだとの事。
ついでに麻痺側の膝はトランスファー(ベッドからトイレに移ること)のために
動くたびに痛がる(おそらく廃用性萎縮と関節の拘縮のため)らしい。
なるほど
状態が悪いので「そりゃ無理!
」
って言われるのが恐かったのかもしれませんね。
訓練の方法やしてあげられること、
聞き出せるだけのことを全部聞き出したかったのかも知れません。
そこから出来そうなことをチョイスしたかったのかも知れません。
大体の状況が把握できたので、アドバイスとして
・昇降ベッドをかなり高くして、膝の痛まない範囲での
ベッドを利用したスクワット(介助にて)
・お姉さんが、ダンスをしているので
ダンスの要領で「組んで」重心の移動
を提案しました。
気がつくと、気丈に振舞っていた「お姉さん」の瞳から
ポロポロと涙が落ちていました。
20年…
「お姉さん」は20年もの間
「お母さん」に少しでも良くなってもらいたくて
頑張ってきたのかな…
このお姉さん、セミナーの時にパートナーの男性を
糞ミソ
に言っているのを見て
「気性の荒い」女性だな…
と思って見ていたのですが、
どうしてどうして。
やさしい、いい娘じゃぁありませんか