新型コロナの影響でなかなか窮屈な日々が続きますねぇ…
でも、4月からは学校もぼちぼち始まりそうで親目線ではチョットホッとしてたりもしています。
さて、今回は肩の痛みの話。
五十肩も投球肩も肩峰下インピンジメント症候群も含め、
ときおり難治例(なかなか治ってゆかないケース)に出会います。
まだ治りきっていない段階でやりたいトレーニングやゲームをしてしまうケースや
提案したセルフケアを怠っているケースも多いのですが、
中にはきちんとセルフケアに取り組み、患部が耐えられる範囲の運動を心がけているにも関わらず
なかなか治らないケースもあります。
難治である要因には個別性があるのですが、
その多くに肩甲下筋という筋肉の線維化や瘢痕が見つかります。
この肩甲下筋という筋肉はけっこう厄介な場所に生えている筋肉で
一般的に治療しにくい筋なんです。
場所はここ
絵のように、肩甲下筋は肩甲骨の前面に付着していて胸郭の間に挟まれていてなかなか触りずらいんです。
問題を起こしやすい部分は下の図のところ。
オレンジの点のところが圧痛点を作りやすいところです。
肩甲下筋のダメージがまだ新しい時(怪我をしているとき)や委縮して脆くなっているときは
肩甲下筋に力をかけた瞬間やストレッチされたときに肩の前面に痛みが出ます。
※これはピッチングを想像してみてください。
コッキングの際に上記のようなシチュエーションが発生します。
また、肩甲下筋の故障が慢性化すると下の絵のように肩裏や手首に鈍痛や痺れたような痛みが広がることもあります。
トリガーポイントによる関連痛の例です。
こうしたとき、肩の裏側が痛むからと言って肩の裏を一生懸命ほぐしても徒労に終わります。
下の絵のオレンジの点を左から①②③とさせていただいて、
②と③の点はセルフケアでもなんとか行けるところですが、
①にできた線維化はセルフケアでは難しいところ。
こうした部分は特に治療の手が必要となります。
①のポイントは周囲の筋が邪魔してなかなか手が届かないものですから
私はもっぱら鍼を使います。
最近はやりの「肩甲骨はがし」のような手法も軽度な症例であればできるのですが(私も使いますし)、
①にアプローチしなければいけないケースに限って周囲の筋(僧帽筋や菱形筋、そして忘れちゃいけない前鋸筋)
が硬すぎて十分にアプローチできずに終わってしまいがちになります。
その点、鍼は周囲の緊張おかまいなしに①にリーチできるので重宝しています。
鍼でなくては治療ができないとは言いませんが、この件に関しては使い勝手がいい道具なのです。
それでも数か月、場合によっては数年をかけて縮んだ組織を正常化するにはそれなりに時間がかかるものですが、
この肩甲下筋の故障に気が付いてからは難治例も迷うことなく治療を進められるようになりました。
(注:魔法のように一瞬で治るということではないですよ)
他にも難治例では一部の靭帯(肩甲上腕靭帯や烏口上腕靭帯)や腱の損傷(腱板や上腕二頭筋長頭腱の脱臼)と
それに続発する周辺組織との癒着が足を引っ張っていることがあります。
でも、ちゃんと問題が把握でき、計画的な介入ができれば治らないということはありません。
肩関節の故障をこじらせて上腕骨側の付着部の骨が解けてしまったなんて例も治療しましたが、
ちゃんとリハビリしたら競技に復帰できるようになりました。
治るには治る理由があり、治らないには治らない理由があるわけです。
あきらめずに行きたいものですね。
困ったときにはひとりで悩まずご相談ください。
待ってます。
最寄駅 西武池袋線【練馬駅】中央口 徒歩2分/都営大江戸線【練馬駅】A2出口 徒歩2分
住所 練馬区豊玉北5-18-10プリマヴェーラ701 Nerima-ku, Tokyo Toyotamakita 5-18-10 Primavera 701
TEL 03-3994-5048(HPからのご予約で初診料2000円をサービス)
休院日 月・木・祝日
3/11にパンデミック宣言が出ましたね。
よりによってこの日に宣言が出るなんて、皮肉な話です。
この日、ニュースで福島県の魚市場の様子が流れていました。
市場には座布団みたいなヒラメがたくさん並んでいます。
そのヒラメを検出限界が数ベクレルという感度の高い検査機器を使って調べると
「ND(不検出)」の文字が並びます。
ご存知の通り、国の基準はキロ当たり100ベクレル。
このヒラメ、仮に放射性物質が含まれていても基準をはるかに下回り、数ベクレルなのだといいます。
でも、
安全なのに値段は震災前の1/3なのだとか…
食べ盛りの高校生の食卓にはなかなかヒラメが並ぶことはないのですが(うちの場合だいたい鶏か豚)、
このニュースを見たらきっと多くの方が安心してくれるんじゃないでしょうか。
不安は混乱を引き起こしますが、安心は理性と秩序をもたらします。
もっと公的な力で地元の声を拾ってあげられたらいいのに。
そう思います。
返す刀で新型コロナ。
まずは検査をしてほしい。
症状の有無を別として、人の身体に触れる仕事をする以上、
すこしでも患者さんに安心して治療を受けていただきたい。
それには検査。
『感染者がいるかもしれない』という不安は、不必要な拒絶を生みます。
原発被災地の今を見ればはっきりしています。
消費者が納得できるレベルの検査をして、その結果を周囲が知れば誤解は解ける。
そこに力を注いであげられるかどうか。
これって大事なことだと思います。
携帯のニュースでは「ただしく怖がる」なんて言葉も出てきますが、
明確な根拠を指さなければ「正しく怖がる」ことなんてできません。
そして、その根拠を周知しなければ無用な拒絶もなくなりません。
検査をみんなに受けさせたら「いっぺんに人が押し寄せてきて医療崩壊してしまう」というけれど
それこそ政治の出番ではないでしょうか?
大切なのは仕組み造りと明確なリードです。
検査だけをするならば健診センターなんかも使えますし、
人員と機材が確保できるなら、いま休校になっている学校の体育館なんかでも検査できるんじゃないでしょうか?
病院での検査は院内感染のリスクがありますから、
それを避ける意味でも新型コロナの検査自体を病院以外で行うのは一つの選択肢としてあっていいと思うのです。
また、おそらく検査を実施する際にはトリアージ(患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うこと)を
並行して行うことになると思うんです。
その上で、病院へ行くべき人、自宅で療養してもらう人を分けることになる。
既存の病院にすべてを行わせる前提ではなく、過剰な仕事分を賄う仕組みを作ることに労力を割いたらいいのに、と思います。
トリアージでは、不幸にもあとで判断が間違っていたと責められるようなケースも当然出てくると思うのだけど、
医師や病院関係者はそもそもそうした責任をきちんと背負って日々の治療にあたっています。
あとは国の長が秩序立った仕組み創りとその施策に対する責任を負う覚悟を持てるかどうか、
そこにかかっているように思います。
非常事態宣言が出るのでは?
といった不安がそこここから聞こえていますが、
やるならば実効性の望める内容で挑んでいただきたい。
明確な目標と成功の可能性が見えるならこっちも頑張れます。
でも、今までの経過を見る限りではそれは難しいのかもしれませんね…
遅いお昼に海鮮丼をかっ込んでいたところ、ふと時間が気になって携帯を見る。
14:45
とっさに手を合わせて黙とう…
携帯のニュースでは、被災者は今もなお苦しい状況が続いているとある。
もう9年たっているのに…
重苦しい空気を感じる。
「自粛自粛」のあの時と今の現状が妙にダブって感じられて、また一つ、深いため息。
ま、なんとかなる!
と、自分を勇気付け、再びハシを動かす9年目の3.11だった。
厚底ランニングシューズのヴェイパーフライ、流行ってますね。
踵の接地では厚い靴底が地面からの衝撃を緩和し、
靴底前方に向けた傾斜(ドロップ)はスムーズに爪先へと重心の移動を促し、
爪先が地面を捉えて蹴る瞬間にはカーボンプレートがしっかり反発してくれる。
靴底の形状をぱっと見ただけでも履けば自然とストライドも広がり、
ターンオーバー(脚の回転)もスムーズになるであろうことが容易に想像できます。
そこに行きついたナイキの情熱には感動すら覚えますね。
履くだけでこれだけ走るという動作を助けてくれるわけですから、高い人気も納得です。
うちの治療院にいらっしゃる市民ランナーの皆さんにも人気の高いヴェイパーフライではありますが、
反面、この靴に乗り換えてから脹脛やアキレス腱、ひざの故障を訴えるようになった方もいらっしゃいます。
「ヴェイパーフライはプロ向けの靴なのかなぁ?」
と聞かれたりもするのですが、私はヴェイパーフライが悪かったわけではないと考えています。
ヴェイパーフライに乗り換えて故障を負ったという患者さん方に見受けられる共通の機能的特徴から類推するに、
おそらくはこの靴を乗りこなすためにはクリアするべき条件があるとの考えに至っています。
さて、
ヴェイパーフライを乗りこなすための条件とは何でしょうか?
それは「股関節の可動性」と「骨盤前面の支持性」です。
ランニングフォームにも良性の変化をもたらすという素晴らしい効果を持つ(と思われる)ヴェイパーフライですが、
裏を返すとこの靴を履くと自然とストライドが広がってしまうわけです。
多くの一般成人がそうであるように、股関節の伸展方向への可動性(脚を後方へ送るときに必要な可動性)と
下肢の振り子運動の起点となる骨盤の安定に必要な下腹部の支えが足りないようなケースでは、
それらのキャパを超えてストライドを広げようとするとフォームに狂いを生じてしまいます。
股関節が後方へ伸びない分を腰椎で代償して反り腰で走ってしまうことで腰を痛めやすくなりますし、
そうした条件下での走動作では、走行時のクリアランスの低下から脛から下を回してしまったり(設楽選手もそうですね)
着地が強まり過ぎて脹脛からアキレス腱や膝を痛めやすくなってしまったりと多くの問題が引き起こされてしまいます。
逆をいえば股関節と体幹の問題がクリアできればこの靴の力を存分に引き出すことができるでしょう。
カギを握るのは以下の2点の強化です。
1、股関節の柔軟性強化
まずは股関節前面のストレッチで後方(伸展方向)への可動性を広げましょう。
1日30秒~90秒の軽いストレッチ(引き伸場される感覚はあるものの痛くはない範囲)を3週間続けてみてください。
関節の可動性を引きあげるには関節を支える組織の長さを育まなくてはなりません。
組織の長さの成長を促すには狙った組織に持続的なストレッチを習慣的に経験させる必要があります。
3週間の持続的ストレッチで筋の長さが細胞レベルで長くなったという実験結果がありますので、
まずは3週間を目安に以下の動画のストレッチを行うことから始めてみることをおススメします。
4分20秒あたりからストレッチの紹介となります。
【スクワットの股関節の詰まり~リフターズケア:股関節インピンジメントのセルフケア~】
2、体幹(骨盤前面)の支持性強化
体幹の強化というといわゆる腹筋運動を思い浮かべると思います。
でも、単純に腹筋をやっても徒労に終わりますのでご注意ください。
この場合、おなかの筋肉が働くシチュエーションが重要となります。
走動作に機能させるための体幹強化では、股関節の前後運動の際にも骨盤が固定されるような運動課題であることが重要です。
ここではとくに、股関節が後方へ引き伸ばされても骨盤を引き留めていられる体幹の強さを作ることが目的となりますので、
以下の動画の手法がおススメです。
【腰・膝・股関節の故障予防と回復のための運動処方 No.3 レッグスラスト】
プラスアルファ
股関節の内外側面から後面にかけての筋肉と体幹の連動性がきちんと保たれていることも
効率的なランニングフォームを保ち不用意な怪我から身を守るためには重要な要素となります。
そのためには以下の手法がおススメです。
【腰・膝・股関節の故障予防と回復のための運動処方 No.4 FT】
ヴェイパーフライにはランニングフォームの矯正効果があると思います。
でも、それに沿うことができない程の強い体癖があった場合は先の方々のように故障の憂き目にあうこともあるでしょう。
でも、健康のためには骨盤の動的支持性も股関節の伸展性も高くて困ることはありません。
先の2点はランナーでなくとも、ごく一般的に皆さん持っているもので、かつ健康のためには乗り越える価値のある障壁です。
ヴェイパーフライはその構造にたいして一時は使用禁止すら叫ばれたギアですが、
今後は各社開発競争が起こって今よりすごい靴が出てくるでしょう。
これからもあらゆる領域で技術の革新は起こると思います。
あまりに大きな変化があると驚きのあまり排斥されてしまうようなケースもあるでしょうが、
本質を見極めて、その上で要不要の判断がなされることを期待します。
僕の特許を取ったツールもそのうち日の目を見るといいなぁ(´-ω-`)
全国小中高校への政府からの休校要請で息子の学校も明後日から休校のようです。
教育の現場は突然のことでかなり混乱しているようす。
ニュースを見ると罹患者の年齢別の分布とその重症化率なんて話も出ています。
それを見る限り、子供たちよりも60代以降の既往症を持たれた方のリスクが際立っていますので、
リスクの高い世代へのアプローチに注力した方が良いように思いますが、
現実的にはそう簡単に仕事の手を止めるわけにもゆかず、悩ましい限りです。
さて、当院でも新型コロナ(SARS-COV-2)対策として、治療ごとに消毒・換気を徹底しています。
治療後にはイソジンでのうがいもご用意し、可能な限り頻回に手すり等の消毒も行っています。
今のところは問題もなく通常運行していますのでお困りの際にはご相談をお寄せください。
とよたま手技治療院 http://toyotama.net/yoyaku/