さて、前編では「低気圧と神経痛」の関係性について触れました。
後編では「高気圧と筋スパズム」の関係性について触れたいと思います。
ただし、ここで語られるのはあくまでも私の臨床を通じて行き着いた推論、
つまり仮説であることを踏まえたうえでお読みください。
まず前提条件として、僕らの関節の中は体外の気圧よりも低く保たれているという事実。
そうすることで、関節する骨同士は吸盤のように引き合う力が働いて、安定することができるんですね。
ヒトの身体ってホントよくできてます。
でも、気圧が低くなると関節内の圧力との差がなくなってきますから関節の安定性も低くなってしまいます。
これも通常の関節だったら問題ないのですが、機能障害を持つようなガタついた関節にとっては一大事。
気圧の低下に伴って関節の不安定性が強まった分、周辺の筋肉の緊張を高めることで関節する骨同士を引き寄せ、安定性を保とうとします。
この時、関節の安定化に関与する関節周囲筋(スタビライザーやインナーマッスルと表現されたりもします)の内包する筋紡錘は感度を高め敏感になります。
そうなると伸張反射がより感度良く現れるため、関節が不用意にグラつくことを抑えるのに役立つわけです。
ヒトの身体ってホントよくできてます。
しかし、そんな状態が続いたあとで低気圧が過ぎ去って気圧が高くなるとどうなるでしょうね⁉
関節内外の気圧の差を取り戻し、関節する骨同士を引き合う力を取り戻しますから関節は安定します。
良かったね!めでたしめでたし!!
ではないんです。
この時、陰圧によって安定性を取り戻した関節の距離は近くなっています。
すると、関節周囲の安定化筋もより短い状態でバランスすることになります。
筋肉は短縮域で(弛緩させた位置関係で)働かせると、筋紡錘の感度が過剰に高まって痙攣をおこしやすくなるんです。
低気圧から高気圧に転じることで、雨模様の間に感度を高めた筋紡錘に輪をかけて感度を高める条件がそろいます。
そんな状態で急に姿勢を変えたりすると、
引き伸ばされた筋膜に内包される筋紡錘は過激に反応し痙攣をおこすことになります。
それが腰に生じれば「ぎっくり腰(急性腰痛)」、首に起これば「寝違え(急性斜頚)」の出来上がりです。
さあ、何が言いたいのかわかりましたでしょうか⁉
そう!台風が去ったあと、ぎっくり腰や寝違えに気を付けましょう!!ということです。
なってしまったら…
ご来院、お待ち申し上げます。(;^ω^)