頭痛・肩こりの評価とセルフケア・一例

2010年09月25日 | 治療の話
肩こりや頭痛は頚と腕を支える筋肉や

胸郭(あばら骨の籠)と頭部をつなげる筋肉の故障によって生じているケースが多々あります。

これらの筋肉の故障、痛めた部分だけの治療ではなかなか上手に回復してくれないのが困り者。

それはなぜかと申しますと…

文章にまとめるのが億劫なので、動画にまとめてみました。

是非一度、ご覧ください。

頭痛・肩こりの姿勢評価


肩こり・頭痛の介入法まで





図版引用:アナトミートレイン 第二版
上段は「ラテラルライン」の図です。胸郭をはさんだ側腹部と側頚部の関係にご注目ください。

下段は「ディープフロントライン」の図です。内転筋と腰方形筋、深部頚筋群とのつながりにご注目ください。



図版引用:トラベル&サイモンズ トリガーポイントマニュアル フリップチャート
上段は主に筋膜性の頭痛に関連するトリガーポイントの図です。
下段は主に肩こりに関連するトリガーポイントの図です。

来る10/11(月・祝)に、

「肩こり・頭痛」の徒手的臨床

と銘打って、徒手医療協会主催・東京医療福祉専門学校にてお話いたします。

私の知りえた知識と経験が、臨床の一助となることを願い

精一杯の講義をしてまいりたいと、そう思います。

2010/9/20「肩峰下インピンジメント・五十肩の徒手的臨床」

2010年09月24日 | マニュアルメディシンの話
9月20に東京医療福祉専門学校にて、

肩の故障(肩峰下インピンジメント症候群と五十肩)についてお話させていただきました。




当日は60名前後の参加があり、遣り甲斐満点の一日となりました。

マニュアルメディシンでは、整形外科的な疾患を

「機能障害」という切り口で読み解き、治療してゆきます。

治療に際し、「○○症」といった疾患名ではなく、

痛みを訴えるその「肩」が、肩の持つ正常な機能からどのように逸脱しているのか

が治療の焦点となります。

この日、「肩峰下インピンジメント症候群」と「五十肩」という

別々の疾患をテーマに挙げてお話した真意は、

肩の正常な機能の回復を評価と介入の主軸にすえれば

たとえ疾患名が異なっていても同じベースで評価と介入ができ、

疾患名が明確でなかったときでさえ迷わずに治療ができるということ

と、

たとえ同じ疾患であっても、その介入は必ずしも同じではなく

それゆえに疾患名だけを見ても解決法にはたどり着けないということ

を知っていただきたいといった点につきます。

5/23日にも大阪にて同様のテーマでお話をさせていただきました。

2回目ということもあってか、さらに内容に磨きがかけられたように思います。

来年も同様のテーマにてお話しする機会があると思いますので

さらに解かりやすく、よりよい講義となるよう工夫を続けてゆこうと思います。

<当日の模様>


○ランドマーク:骨指標についてお話しているところ


○前鋸筋のASTRの紹介。肩甲骨が胸郭から剥がれないとき、多くは前鋸筋の伸張性の低下が原因しています。そして、前鋸筋への介入で素直に変化が付かないときには、筋連結を持つ反対側の内転筋の緊張が二次的に前鋸筋の緊張を生んでいるケースがあります。


○上腕筋のセルフASTRの紹介。肘関節屈筋群の短縮から上肢のマルアライメントが固定され、その結果、「屈曲型インピンジメント」といった肩甲上腕関節の機能障害を来たしているケースが見られます。


○指伸筋のストリッピングの紹介。三角筋の短縮は「屈曲型インピンジメント」の要因となります。その三角筋と筋連結の強い指伸筋への介入で肩関節の外転運動がどれだけ変わるのか体験していただいている様子。


↓○肩甲後面に付く回旋筋群と筋転結を持つ上腕三頭筋及び尺骨骨膜、手関節尺側の側副靭帯へ、手関節および肘関節への関節モビリゼーションによってどれだけ肩関節の外旋筋に変化が生じるのか体験していただいているところ。↓

○棘下筋や小円筋の伸張性低下による可動制限(内旋の制限)を確認しています。


○手関節と肘関節へモビリゼーションをかけているところ。


○介入前(2つ前の写真)と見比べてみてください。

若獅子たち

2010年09月17日 | よもやま話
うちの若獅子たちは治療院を閉めた後も練習しています。

村椿先生はスラストテクニックの特訓を

大村先生は軟部組織のインビテーションテクニックの特訓を

黙々と繰り返しています。

二人に課題を提示し、おじさんは家路につくのでありました。

だって寝不足なんですもの…

後は若い二人にお任せして

明日の英気を貯えさせていただきます。

寿司握ってみました

2010年09月17日 | Weblog
●先日の休診日にのせ忘れてたブロックをアップしました。

↓以下、本文です↓

突然ですが、今日は家族サービスの日!

テーマは「手巻き」

遊びで湯引きにしたトロ鰹で

握り寿司に挑戦!

私がお寿司やさんになって

カウンター越しに注目を受け、握っていると

息子「僕も握る!」

とお客さんから職人に転向。

さて、どっちが私の握った寿司でしょうか(笑)

スイッチバックテクニック:大胸筋/広背筋

2010年09月13日 | マニュアルメディシンの話
昨日(9/12)は上肢の評価法と介入法に関するセミナーを開催いたしました。



お蔭様で満員御礼の続く本シリーズ

遠くは長崎・佐渡からご参加もあり、

驚きを感じつつも、ありがたく、感謝の気持ちで胸が一杯です。

改めまして、

ご参加いただきました諸先生方へ、深く御礼申し上げます。

おかげ様で、非常に有意義な時間を共に過ごさせていただきました。

また、キャンセル待ちでご参加いただけなかった先生方へ

来年も続けますので、次こそはぜひお会いしましょう。


↑手根骨間の関節のリリースを伝えているところ。


↑「オーバーフロー」という現象を説明しているところ。

当日紹介したものの中で、参加者よりご要望いただきました

私自身の工夫で創りました「スイッチバック」と名づけた技法を

動画にてご紹介します。

switch back technic:release of pectoralis major

↑大胸筋への応用例です。
上肢の屈筋全体のリリースとしても効果を発揮してくれるでしょう。

switch back technic:release of latissmus dorsi.

↑広背筋への応用例です。
上腕三頭筋・ローテータカフへの介入と合わせて行うと切れが増すのですが、
操作が複雑になりすぎるので、広背筋への手順に簡略化しています。

変形性膝関節症・足関節捻挫のセルフケア

2010年09月06日 | 治療の話
わたしの治療院では、強い炎症が痛みの原因となっている時には

安静やアイシングや「やって良いこと・悪いこと」といった生活指導をし

落ち着いたら、自宅でも治療を進められるよう「セルフケア」を提案します。

今回は変形性膝関節症や捻挫癖のある方へよく処方する方法をご紹介します。

Self care of knee&ankle`s disfunction[1/2]


Self care of knee&ankle`s disfunction[2/2]



エクササイズをやっていて痛みがあるようでしたらこの運動は控えてください。

そして、もしよろしければお気軽にご相談ください。


※効果の程は前回の日記をご参照ください。

伝えたいのです

2010年09月04日 | マニュアルメディシンの話
私は、自身の仕事を、

「苦痛を抱える人の人生の彩りを、再び豊に、人生を楽しめるようになるためのお手伝い」

なんだと、そう捉えています。

痛みのために人生を楽しめないなんてつまらないですからね。


仕事をしていて、一番嬉しいとき、充実するときは

眉間に縦ジワを深く刻み、苦悶の表情を浮かべていた患者さんが

「にっこり」と微笑んでくれたとき

「あぁ、楽になった」と喜んでくれたとき

です。

私は元来飽きっぽい性格なんです。

なので、生活の糧のためだけに仕事を続けることができません。

仕事自身が楽しくなきゃ、続かない。

幸い、今は飽きることなく毎日楽しく仕事に集中しています。

この仕事に出合えて本当によかった。



今月は講義が多い月です。

9/12(日)上肢の評価と介入IN練馬(キャンセル待ち受付)

9/20(月)肩峰下インピンジメント症候群・五十肩の徒手的臨床 IN東京(若干名受付中)

9/26(日)変形性膝関節症の徒手的臨床 IN大阪(受付中)

日曜日がつぶれ、患者様には大変ご迷惑をお掛けしております。

この場をお借りして、深くお詫び申し上げます。



なんでセミナーを頑張ってるのかっていいいますと、

諸先輩方から教えていただいた方法や私が見つけた方法で、

「知ってれば簡単に結果が出せる方法」

を、みんな(同業の諸先生方)で共有したいからなんです。

そうすれば私ひとりが頑張っただけでは「手伝えない」

より多くの患者さんに対しても「お手伝い」ができるじゃないですか。


臨床を通じて「切れ味がいい!」技法や理屈を見つけたら

「門外不出」とするのではなく、みんなで共有したとします。

そうしたら私の意見を受取ってくれた先生の役にも立てるかも知れません。

仕事も楽しくなきゃ続きません。

患者さんの笑顔を見て僕らは嬉しいわけです。

また頑張れるわけです。

受取ってくれた先生が、患者さんから「ご褒美」をもらえたら

嬉しいでしょうし、日々の臨床を頑張るための活力になるでしょう。


そんなわけで、「伝えたい」のです。

若輩者ではありますが、「これは!」と思ったものはドンドン伝えたい。



実際、こんな活動を3~4年も続けていると

当初の想いもようやく芽吹き始めてくるようで、

遠方にいらっしゃる接骨院の先生やトレーナーの先生方、

病院にお勤めの理学療法士の先生方から、

「(患者様に)今まで以上のよい結果をだせるようになりました。」

とありがたいメールを頂くことも増えてきました。

以前、自院での講義の際に

「変形性膝関節症」の講義にもご参加いただいた先生から

こんなお話をいただきました。

A先生「先生、あの方法(変形性膝関節症の治療法)

 たしかによく効くんですけど

 売上げが減ってしまいましたよ(笑)」

私『ゲッ!!』

「それはどうして?」

恐る恐る聞いてみると

A先生「みんなよくなっちゃって、

治療に通わなくて済むようになっちゃったんです(笑)」

私「じゃあ、しばらくしたら口コミで患者さん増えますよ。

うちもそうでした。」

と私。

A先生「うちの周りはあんまり人が住んでないんで、

治っちゃうと患者さんも減っちゃうんですよ。トホホ」

そうはいいながらも実に満足げなA先生。

実にあったかい笑顔でそう話してくれました。

↓「あの方法」



<ビフォー>


<アフター:治療回数は3~4回。この写真は上の写真の次の治療回に撮影しました。>


セミナーを始めた当初の「目標」が実現し始めたわけです。

ようやくこの活動が「意味」を持ち始めたわけです。

これは続けたい。



治療もしたい。

講義もしたい。

いい院長でいたい。

いい父ちゃんでいたい。

いい夫でいたい。

自分の人生、喜びも辛さも愉しめていたい。


欲張りなのは百も承知。

でも、

一度しかない人生ですので、少しぐらい欲張って

楽しく積み重ねてゆきたいと、そう思います。

One for all , All for one

2010年09月03日 | 治療の話
治療の際、ごくたまに「私の痛いところは○○ですよ。」

と、患者さんに念を押されることがあります。

変形性膝関節症の痛みに反対側の腕を治療したり、

頚の痛みに腰を診たり、痛い所ではなくて

痛い所に無理をさせているところから手を入れているわけなのですが

そんな時、『あ、先生勘違いしてる!?』なんて心配される方のいらっしゃるようです。

ふつうは痛い所を治療しますものね。

ビックリされて当然ですよね。

しかし、身体というものは全体がお互いに協調し、影響し、干渉しあって機能しています。

全体が正しく機能するためには各部位が正しく機能する必要があり、

各部位が正しく機能するためには全体とのバランスが取れている必要があるのです。

まさに「One for all , All for one 」


そういった背景から、治療の現場では痛めた所だけを診ていては

埒が明かないことの方が、むしろ多いのです。

患部と全体との関係を把握せずに治療を始めることは

私にとっては「木を見て森を見ず」と申しましょうか…

「論より証拠」

M先をモデルに撮った映像を貼り付けます。

是非ご覧になってください。

Sac:LonR-HVLA / T5:FSRl-Switch back / Lib1l:upper displacement of costovertebral joint-Switch back


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