ベンチプレスの肩の痛み :リフターズケア

2019年01月27日 | セルフケア

リフターズケア:ベンチプレスの肩の痛み~腱板炎・二頭筋長頭腱炎後の拘縮の解除とアスリートリハビリ~

ベンチプレスの肩の故障をテーマにセルフケアから機能訓練の動画をまとめました。

ベンチプレスでよく目にする肩の故障には腱板炎や腱板損傷、上腕二頭筋長頭腱炎などがあります。

そう書くと、ウエイトトレーニングは怪我が多い?とか、バーベルスポーツは身体に悪いのでは?と思われてしまうかもしれませんが、

決してそういうことではありません。

どんなスポーツでも競技者としてぎりぎりの練習を積む中で時として故障を負ってしまうことはあるもので、

ベンチプレスで負いやすい肩の故障として腱板炎や二頭筋長頭腱炎という故障はよく診られますよ、ということです。

くれぐれも誤解のないようお願いします。

さて、ベンチプレスの肩の痛み。

中には何度も再発を繰り返す例もあり、手首や肘の故障に並び難儀な故障の一つです。

ですが、それはきちんとしたリハビリの手順を踏まずに競技復帰してしまうが故の再発であって、やりようはあるんです。

ということで、ベンチプレスの肩の痛みをテーマにセルフケアからアスリハまでをまとめた動画を作りました。

ベンチプレスをこよなく愛する皆様、どうぞお役立てください!

※腱板炎・腱板損傷・上腕二頭筋長頭腱炎・三角筋下滑液包炎・肩関節周囲炎のリハビリでもありますので、

オーバーヘッドアスリートもデスクワーカーも肩を横から頭上に挙げる動き(外転動作)で痛むケースでは適応です。

炎症期には適さない方法ですが、夜間痛や安静時痛が落ち着いた辺りから、痛まずできる範囲を探りながら試してみてください。

迷ったら、ご相談をお待ちしています。

鍼・灸・手技療法 とよたま手技治療院 

 


新年早々ギックリ腰が増えてます

2019年01月21日 | 治療の話
このところ、やたらとギックリ腰の相談が寄せられてます。
時間の許す限りご依頼を受けさせていただきましたが、どうにも予約の枠がなくお受けできないケースが続きました。
せっかく頼っていただいたのにお応えできなくて申し訳ありません。

予約をお受けできた方の傾向として、
年末に下痢を伴う風邪を経験された方が多くいらっしゃいました。

下痢はギックリ腰の主要な原因となる大腰筋(腰椎前面に付着するインナーマッスル)の過緊張を誘発します。

何でかともうしますと、
下痢は大腸炎によって大腸の働きが落ちることで便内の水を吸収できなくなった結果の症状なのですが、
その腫れた大腸の隣に大腰筋があるからなんです。
腸の炎症の影響で過緊張を起こすんですね。

駆け込まれたみなさんはだいたいお腹の調子が落ち着いて日常に戻った辺りでギックリいっていました。
これは下痢が治まっていた(=大腸の炎症が落ち着いていた)のでしょうが大腰筋の過緊張が残ってしまっていたためと考えられます。
そうした下地があった上で急に動き出したので大腰筋の痙攣を起こしたのでしょうね。
しかも、このところ寒かった。
この寒さもお腹の風邪をされた方にとってタイミングが悪かった。

なぜか。

寒気は足下から襲います。
ふくら脛の深層には大腰筋と関連の強い後脛骨筋がありますから、寒気の影響で後脛骨筋が過緊張を起こすと大腰筋の緊張がさらに増長してしまうからなんです。
ですので年末年始の冷え込みも今回のギックリ腰増加の要因と考えられるわけなのです。

こうした理由の腰痛であれば下の動画の手法が役に立ちます。

"伸展型腰痛・アキレス腱部の疼痛のセルフケア=後脛骨筋のテニスボールマッサージ" を YouTube で見る


足の冷えにもオススメの方法ですので、ぜひお役立てくださいm(__)m

リフターズケア:ケンビキ~肩背部から首筋へと広がる痛み~

2019年01月13日 | スポーツ障害

「ケンビキ」なんて言われてもピンときませんよね。

調べてみると古くは肩背部から首筋に広がる痛みをケンビキと呼んだのだそうです。

←痛むエリア

ケンビキという言葉には肩こりなども含まれていたそうで、転じてその対処法であった按摩術のことをケンビキとよぶようになった、という話もあります。

按摩術=ケンビキ、というのも一般の方にはなじみがない言葉ではありますね。

按摩・マッサージ・指圧をお仕事とするには按摩マッサージ指圧師という国家資格を取る必要があるのですが、

その専門学校に行くと按摩術の別称にケンビキというものがあると教わります。

それぐらいマイナーで、現在ではトンと聞かなくなったケンビキという言葉ですが、なんとウエイトリフティングではいまだ現役で残っているんです。

いちどわずらうと肩背部から首筋に結構シビアな痛みが長く続くといわれ、ウエイトリフティング業界(!?)ではウエイトリフティング特有の故傷として恐れられています。

ケンビキになると(故障の程度にもよりますが)痛みのためにシャフト(バーベルの軸)を肩に乗せることができなくなります。

酷くなると息をするだけで刺すように痛みが広がるともいいます。

さて、このケンビキの原因は何なのでしょう?

ウエイトリフティング関連の資料には痛みの原因を第一・二肋骨や鎖骨の疲労骨折に由来する痛みだとあります。

ですがその一方で、実際に症状を持つ選手を調べてみたところ、骨になんら問題が見当たらないケースも多くあったという報告もあります。

結局のところ、原因がつかみきれない謎に包まれた故障とされているようです。

でも、私の見る限りではケンビキの正体は斜角筋の故障と考えて間違いないようです。

私の出会ったケースでは斜角筋のトリガーポイントであったり、肉離れ、付着する肋骨の骨膜部分の傷跡(瘢痕)であったり、

中には第1肋骨の骨膜炎であったという例がありました。

 

斜角筋は呼吸の補助筋で前・中・後と三つの筋束を持っています。

前・中が第一肋骨、後が第2肋骨に付着しています。

この配置から、クリーンのように肩から鎖骨にバーベルを乗せる動作では斜角筋に強い伸張ストレスが加わることになります。

クリーン&ジャーク(バーベルを肩に乗せて立つまでをクリーンといいます)

筋や腱は引き伸ばされながら耐えるようなシチュエーション(等尺性収縮や遠心性収縮)では通常の収縮(求心性収縮)よりも高いパフォーマンスを発揮します。

ですが、反面そうした収縮様式は筋腱の損傷を起こしやすいというデメリットも伴います。

クリーンのようにバーベルを鎖骨から肩でキャッチするようなシチュエーションが度重なれば、

ダンパーの働きを担う斜角筋はオーバーユースによる故障が起きても不思議はないのです。

斜角筋の付着部に微小損傷が繰り返されると骨膜炎や疲労骨折を生じます。

ケンビキについて疲労骨折まで進行したケースにはまだ出会っていませんが、骨膜炎が生じるような状態を放置すれば次に待っているのは疲労骨折です。

故傷のメカニズムとしては下腿に生じるシンスプリント※と同じです。

※シンスプリントというのはジャンプ動作の繰り返しから生じた脛の裏にある後脛骨筋という筋肉とその付着部(骨膜)に生じた故傷です。

ジャンプ動作(≒走動作)の繰り返しで後脛骨筋が何度も引き伸ばされ、骨膜から剥がれるように傷が累積して発症しますので、

ケンビキで見られる所見と照らし合わせるとシンスプリントと同じ手合いの故傷だといえるのです。


ちなみにケンビキのケースに置き換えてまとめると以下のような病期が考えられます。

1期:斜角筋筋膜の過労~微小損傷・トリガーポイント形成

2期:軽度~中等度の肉離れ

3期:付着部の骨膜炎へと発展

4期:疲労骨折、さらには骨折

経過としてはおそらくそんなところだと考えています。

ケンビキの原因が画像でとらえ切れない理由は、

同じケンビキであってもダメージの程度が明確な組織の損傷ではなく「機能障害」にとどまる時期が混在するためだと思われます。

このように、一見するととらえどころのない摩訶不思議な故障も、「機能」を基準に故障を読み解くという徒手医学のスタンスではそう困ることなく治療の方向性を見つけることができるのです。

なので、名も知れないような故障の相談も得意とするところ。

こうしたケースに出会うたび、徒手医学というものは実に優れた医療体系だ感心させられます。

さて話をケンビキに戻しましょう。

斜角筋の筋腹に瘢痕組織やトリガーポイントを作っているケースでは治しやすいのですが、難治例というのがあるんです。

それは肋骨上面の傷跡(瘢痕組織)が痛みの原因になっているケースです。

この部分、首をハンドルとしたストレッチやASTRも筋-腱や腱-骨膜の移行部にできた傷跡(瘢痕)はなかなか追いきれないんです。

いろいろ試してみた結果、骨膜表面に居座る瘢痕組織への対処には鍼治療が良いようです。

鍼を鎖骨の下に通して瘢痕組織にダイレクトにアプローチするのですが、なかなかに治療の切れがいい。

でも、この部分は肺の真上ですので、鍼でのアプローチには細心の注意が必要となります。

鍼での治療を検討されるのであれば信頼のおける先生にお願いすることをお勧めします。

イチゲンでいきなりお願いするにはリスクの高い相談だと…思います。

 

ケンビキの治療では前述の斜角筋に生じた瘢痕組織の解放のほかに、

胸郭に付着している腰方形筋・外腹斜筋・腹直筋の緊張緩和や骨盤底筋の緊張緩和も重要です。

とっても、重要です。

どういうことかと申しますと、

腰方形筋・外腹斜筋・腹直筋は胸郭を介して、骨盤底筋は体幹深層筋膜上をたどって

それぞれ斜角筋と綱引きをしているんです。

「ラテラルライン とよたま日記」の画像検索結果

図版引用:アナトミートレイン 第二版

しかも、それらの筋群はどれも斜角筋よりもボリュームが大きく、配置されている位置も斜角筋よりも有利な位置にあるんです(重力を味方につけた位置関係にあるということ)。

それらの筋が縮んでいると斜角筋の緊張も高くならざるを得ません。

なので、斜角筋を回復に導くには関連するそれら背景要因としての緊張を見落とすわけにはいきません。

例えば、私が見たケースで骨盤底筋の筋膜リリースで斜角筋の緊張がなくなった、というケースがありました。

まさか骨盤底筋の極一部の繊維の緊張が遠く離れた斜角筋に大きな影響を及ぼそうとは…大いに驚いた例でした。

ちなみに、骨盤底筋を含む前述の筋たちの緊張が強いということは体幹の支持機能に低下があるということになります。

ですので、体幹筋と股関節周囲筋の協調性を高めるための運動処方が体幹深層筋の機能異常の対処として必要となります。

それに関してはコチラの動画をご覧ください。

「骨盤の歪み」「側弯症」の運動療法~簡易チェックと修正エクササイズ~

なんでもそうですが、「黙って横になればピタリと治る!」ということはないのです。(;_:)

ケンビキといってしまうとウエイトリフティングをされる方以外は関係ないと勘違いされてしまいそうですが、

「1期:斜角筋筋膜の過労~微小損傷・トリガーポイント形成」などは実はデスクワーカーにもよくある相談です。

特に華奢で繊細な方にはケンビキと同様のエリアの痛みの相談はままみられる相談です。

少ない筋量で長時間のデスクワークをするというのは身体にとってはなかなかにハードなタスクとなります。

特に座った姿勢では腹筋群が脊柱の支えに使われにくいため、股関節周囲筋や深層筋、起立筋群が過労に陥りやすいので注意が必要です。

疲労困憊してしまった当初は疲労へのケアも大切です。

でも、骨格を重力に負けることなく支える力、「抗重力機能」を向上させるという解決策もあることを忘れずに。

そのためには、ウエイトリフティングやパワーリフティング、お勧めです!

以上、大分寄り道しましたが、「ケンビキ」についてのお話でした。


頚椎症の治療に役立つウエイトリフティングの補助種目~運動療法~

2019年01月11日 | セミナー/講習会

こんにちは

今回も運動が治療に直結しますというお話です。

ヘルニア・変形性脊椎症・脊柱管狭窄症などなど頸椎や腰椎の故障による神経痛、辛いですよね。

私も頸椎ヘルニアと腰椎ヘルニア(あと半月板損傷と肩関節の関節唇損傷)でこの業界に落ちてきた口なので、

その辛さはよくよく知るところです。

これら脊柱の故障の原因は体幹部の支えが上手く働かなくなった結果です。

椎間板ヘルニアしかり、脊柱管狭窄症しかり。

脊柱が不安定なまま日常生活やスポーツを繰り返すことで発症します。

こうした「不安定性」に対する治療では「支える」という働きを取り戻すことが肝要です。

背骨の支えが正常に機能するためにはそれに見合った「筋力」と「神経によるコントロール(コーディネーション)」を育てる必要がありますが

それができるのは、鍼治療でもなく手技療法でもなく、運動療法なのです。

揉んだり鍼を打ったら萎えてペラペラになった筋肉がモリモリになることはありません。

筋量を増やしたり出力を高めたりといった目的を果たせるのは運動です。

揉んだり鍼を打ったり…というのは緊張や硬さのせいでそもそも動かせないという障壁を破るための手法で、

正常な機能を取り戻すための最初の一歩。

日常に戻るにはもう一歩が必要です。

その「もう一歩」が「運動療法」となるのです。

これに、ウエイトリフティングの補助種目が脊柱の障害の治療に役立つといったら驚かれる方も多いかもしれません。

でも、事実なんです。

下の動画をご覧ください。

以前、大阪で治療の講義をさせていただいたときに、

頚椎症の運動療法としてウエイトリフティングの補助種目のオーバーヘッドスクワットを紹介したときの動画です。

脊柱の安定化に必要な腹圧、頸椎の負担を解除するための胸郭の可動性とそのコントロール、重力に適応した四肢と体幹の連動運動、

それらを身体に覚え込ませるのにオーバーヘッドスクワットをチョイスしたのですが結果やいかに!?

【1分で改善】頚椎症のアクティブケアエクササイズ~オーバーヘッドスクワット // 徒手医療協会

 

運動を治療として活かす「運動療法」、その仕組みを理解し体感するために、ウエイトリフティングの体験会を開催します。

小難しいことではなく、まずは「運動でカラダは変わる」ということを体験していただきたいと思います。

一緒に運動と治療についてカラダとアタマで学びましょう!

参加資格は運動指導者(トレーナー/コーチ)・医療従事者・その学生としています。

ソシアルダンスやバレエの先生なんかも来てくれたらいい情報をご提供できますよ。(^^)

詳細は非営利型一般社団法人徒手医療協会HPをご覧ください。(HPはコチラ・お申し込みはコチラ

開催日は1/20。

参加費は500円。

定員は10名としていますが、まだ空きがございます。

ご参加、お待ち申し上げます!


トレーナー・治療家と学生のためのウエイトリフティング体験会

2019年01月08日 | セミナー/講習会

運動を

治療として活かす「運動療法」。

その仕組みを理解し体感するために、ウエイトリフティングの体験会を開催することにしました。

運動療法の理解にウエイトリフティングっていうと、すごく突飛な話に思えるかもしれませんが、

故障からの回復や障害予防に欠かせない効率的な身体操作を理解するのに

非常に

それはもう非っ常~に有意義なトレーニング法(競技でもあります)なのです。

私自身ウエイトリフティングを通じて治療におけるヒントを数多くいただいています。

この企画を通じて、私の運動療法のエッセンスを参加された先生方と共有できたらうれしい限りです。

対象者は医療従事者や運動指導者(トレーナーやコーチ)の先生方とその学生さんです。

開催日は1/20。

そう、すごく急な話…

20日の予定が空いてしまったため、どうしようかぼんやりと考えていたところふっと思いついたのがこの企画。

いつもセミナーにご参加いただいて、当会の活動を応援してくれている先生方への新春サービス企画ですので参加費は500円。

この企画を思い立ったのが年明けだったので、募集もつい2日前に始めたばかり。

すでに数名お申し込みがあったようです。

ありがたいことです。

このブログはご同業の方も多くご覧になってるようなので、一般の方向けのイベントではないのですが、

ここでもご紹介させていただきました。

一般の方向けには追々(息子の受験が終わったら)ウエイトリフティングの同好会でも開こうかとたくらんでおりますので、

もしご興味をお持ちの方は今しばらくお待ちください!

 


2019年もよろしくお願いいたします

2019年01月02日 | お知らせ

昨年の12/31からず~っとお料理しっぱなしのお正月を終え、

いよいよ2019年の診療スタートです。

今年も皆様のお役に立てますよう、一意専心、誠心誠意、治療に努めてまいります。

本年もとよたま手技治療院をどうぞよろしくお願いいたします。m(__)m

 

↓おまけ:大晦日から正月のお料理

↑私の担当は左下の鴨南蛮 とんかつは嫁さん作

↑お雑煮を担当しました 他は嫁さん作

↑握り寿司に挑戦しました

マグロは奮発してホンマグロ。

紅白ということで寒ブリをセットで購入。

あと多幸ということでタコ。

軍艦はマグロとブリの漬けです。

柵の切れ端を漬けにしました。

以前握った時にはシャリが大きかったり固かったり…でしたが、

今回はまあまあフンワリ握れるようになっててちょっと嬉しい。

しかし、包丁が切れなくてネタがいまいち…

研いでは見たんですが、どうにも上手くゆかないのはひょっとして腕の問題なのでしょうか?

せっかくいいネタ仕入れたのに、ぶ厚くなったり端がガサガサになってしまったり…

なかなか難しいものですね。(-_-;)

次回はやはり柳葉包丁を仕入れて再挑戦したいですね。 

 


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