あなた、変わりはないですかぁ~♪
日ごと、寒さがつのりぃますぅ~♪
いやいや、このところ寒くなってきましたね。
寒さは足元から襲ってきます。
そうなると増えてくるのが腰痛の相談です。
と、いうことで…
今日は「ぎっくり腰」について書こうかと思います。
この時期ふえる相談に「ぎっくり腰」があります。
この「ぎっくり腰」という病名、正式な名称ではないってご存知でしょうか?
その病態は様々で腰椎捻挫から起立筋の筋膜損傷、大腰筋の筋痙攣からヘルニアと多岐にわたります。
それらをひっくるめて急に腰痛が現れたようなケースを「ぎっくり腰」と呼ぶんですね。
ちなみに、この時期のぎっくり腰でおおいのが大腰筋の痙攣(スパズムと言います)による腰痛です。
↓オレンジに表示されている筋肉が「大腰筋」です
大腰筋由来の腰痛は立ち際に起こることがほとんどで、後ろに反ることで起立筋に沿った痛みが生じるのが特徴です。
↓真ん中の図のお臍の横の×印が大腰筋のトリガーポイントです。痛みは左の図の赤い部分に生じます。
しかし、この大腰筋、背骨の前についてるのに痛むのが背中側って、不思議に思いませんか?
でもですね、こうした痛み方ってそう珍しいことではないんです。
背骨の腹側の両サイド、背中の臓器寄りと言ったらよいでしょうか、
この筋肉の壁を「後腹壁」なんて呼ぶのですが、ここに接する筋や臓器のトラブルは背中に痛みが出るんです。
膵炎なんかも左の背中に痛みが出ますが、それは膵臓がこの後腹壁にへばり付いているからなんですね。
なものですから、後腹壁にへばり付いている大腰筋の痙攣も背面に現れるんです。
おっと、話を戻しましょう。
このタイプの腰痛はデスクワークで座りっぱなしの方によく見られる傾向があります。
なぜでしょうか?
体幹の支えには主に起立筋をはじめとした背筋群や大腰筋(腸腰筋)のような腹部深層筋、そして腹筋(群)が働くのですが、座った姿勢では腹筋が働いてくれません。(これ、筋電図で確かめた先生がいるんです)
すると、起立筋と大腰筋の負担がぐっと高くなるわけです。
さらに、筋肉は縮めたままでいると痙攣をおこしやすくなるものですから、
座った姿勢で縮みきった大腰筋は痙攣をおこしやすい状態に追い込まれます。
ここまでを見ても、デスクワークでは大腰筋由来の腰痛はおこりやすいのが容易に理解できると思います。
でも、デスクワークだけが原因であればこの時期に多くなるということの説明がつきません。
そこには「寒さ」の影響があるわけです。
「寒さ」との関連を説明するためにちょっと寄り道させていただきますね。
私たちの筋肉は隣り合った筋肉同士つながりを持っていて、それらは特定の働き毎に協調して働くグループに分類することができます。
筋肉同士のつながりを「筋連結」と言い、協調して働く筋肉たちを「筋膜ユニット」なんて呼んだりします。
その筋膜ユニットの一部に緊張が走るとその緊張はユニット全体に波及します。
つまり、一部の筋が緊張するとユニット全体が緊張を高めてしまうんですね。
それを踏まえて、「大腰筋由来の腰痛」と「寒さ」の関連を読み解いてゆきましょう。
大腰筋は下図のような筋肉(筋膜)たちと連続性を持っています。
この筋連結の中で大腰筋は後脛骨筋(下の図のオレンジ色の筋肉)からの影響を強く受けます。
ここでちょっと皆さんに伺いたいのですが、
エアコンで室内の空気を温めていたとしても、冷気は足元にたまりますので「足元が寒い」なんて経験、ありませんか?
足元が冷えることで大腰筋と関連の深い後脛骨筋が緊張を高めます。
すると、その緊張に呼応するように大腰筋も緊張を高めます。
しかも、デスクワークのシチュエーションでは大腰筋は縮んだ位置におかれていて、それでなくとも痙攣をおこしやすい状況です。
こうしたお膳立てが揃っているため、ちょっと立ち上がるとか、床のものを取って身体を起こすとか、
不意に大腰筋が引き伸ばされるようなシチュエーションで容易に痙攣をおこしてしまうというわけなのです。
ちなみにこの大腰筋、呼吸を司る横隔膜や斜角筋とも仲がいいんです。
なので、くしゃみ一つでギクッと行ってしまうこともあるんです。
私の聞いた中では「ひゃっくり」で「ぎっくり」なんて方もいらっしゃいました。
本人としては笑い事ではないでしょうが、それを聞いたときは流石にちょっと噴き出しちゃいました。(;^ω^)
さて、こうしたケースへの対処として、2つの対処を提案したいと思います。
1、足元を冷やさない
2、後脛骨筋のボールマッサージをこまめにする
2、の方法は下の動画をご参照ください。
伸展型腰痛・アキレス腱部の疼痛のセルフケア=後脛骨筋のテニスボールマッサージ
今年も早いものであと11日となりました。
師走を乗り切り良いコンディションでお正月を迎えるためにお役立ていただけましたら幸いです!