再発予防から、より速く走るために上半身を鍛えよう!

2015年02月28日 | コンディショニングの話

初めに、下の図をご覧ください。

図版引用:トラベル&サイモンズ トリガーポイントフリップチャート/アナトミートレイン第2版 LIPPINCOTT WILLIAMS&WILKINS 

左の図は、四頭筋という腿の筋肉のうち、腿の外側についている外側広筋という筋肉に生じた

「トリガーポイント」という故障によってみられる「痛みの地図」です。

右の図は外側広筋とユニットとして一緒に働く筋肉たちが描かれています。

この図を見ると、外側広筋と大殿筋と広背筋はつながりあいがあることがわかるでしょう!?

もう一つ知っていてほしいのは、それらの筋が仙骨を中心にクロスするように対角線上に協調して働くということです。

つまり、右の広背筋は左の大殿筋と仲がいいということ。

 と、そこまでを頭の片隅に置きつつ…

今日の話は膝の外側の痛み(Trp1と2の範囲)のお話になります。

では、どうぞ!

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先日初来院のAさんは盲目のスプリンター。

左ひざに古傷を抱えています。

今回もまた、練習中に左ひざが痛くなったとご来院。

腸脛靭帯炎ではないかと心配されていましたが、

膝の痛みは外側広筋のトリガーポイントのようでした。

治療後Aさんの膝は無事に痛みなく動くようになりましたが、

それだけではまだ仕事としては未完成。

Aさんは競技者ですので、再発せずに今季を乗り切れるかが重要なんですね。

そうなると、何がゆえに左膝に無理がかかっているのか、

その要因を探り当て、対処の手を講じなくてはなりません。

そして、無事再発が抑えられてようやく仕事は完成形となるわけです。

膝の外側の故障が片側に度々現れるということですので、

何らかの理由があるはずです。

それを探るために、Aさんの所作を注意深く観察します。

Aさんの院内の移動を見るに、若干前傾して腰を引いた所作が目立ちます。

これはおそらく目が見えないことが原因でしょう。

ピンと来ない方は、暗い部屋の中を歩くことを想像してみてください。

どこに何があるのか手で探りながら歩くでしょう!?

そうした時、腰を引いて、前傾して歩く姿が浮かんできませんか!?

そうした所作は、おそらくAさんにとっては日常なんだと思います。

残念なことに股関節を曲げた姿勢では、大殿筋は十分に力を発揮できなくなります。

広背筋、大殿筋、外側広筋はユニットとして協力して働いているということですので、

大殿筋がお休みした分、広背筋や外側広筋はより大きな仕事をこなさなくてはならなくなります。

加えて、脚を踏み込んだ際には外側広筋は大殿筋とともにショックアブソーバーとしての働きを担うのですが、

大殿筋が働ききれないと、その分外側広筋が頑張らなくてはならなくなる。

総じて、外側広筋の負担は大きくなる。

あとは身体の癖として、どちらの脚をよりどころにするのかで負担が集まる側の脚が決まるのでしょう。

通常私たちはどちらか一方の脚をより強く支えに使います。

両脚均等には使っていないのですね(^^;)

これを調べるのは簡単で、直立したまま重心を左右の脚に移して見てください。

スッと乗りやすい側の脚がメインの支えに使われている脚です。

そうした検査からも、Aさんの場合は左の脚に負担が集まっていることがわかりました。

さて、ここまでの情報から再発予防の一手を考えなくてはなりません。

いろんな方法が考えられたんですが、

Aさん、アスリートですから、

競技力の向上にも積極的な一手になったほうが面白いな、と思ったんです。

そこで、選んだのがディップスです。

 

 

う~ん、だいぶ長くなってしまいましてね(^^;)

 

ディップスとはいえ、若干の工夫が凝らしておりまして、

その点も含めてまた今度、ということで…

今日はここまで!

=つづく=


思い出横丁

2015年02月25日 | よもやま話

一昨日は健康運動指導士同期のOさんと7年ぶりの再会。

新宿はションベン横丁(-_-;)

思い出横丁で一杯(^^;)

さて何食べる?

と暖簾を物色していると、

「すっぽん・カエル・ドジョウ・豚金玉…」の文字。

O「ここにしましょう!」

Oさん、大のゲテモノ好き。

『やっぱそう来たか…』

と覚悟を決めてピットイン。

私に気を使ってか、選んだつまみは…

めひかり、鮟肝、厚揚げ…と前半はわりと普通のラインナップ。

しかし、しれっと「ハツ刺し、ドジョウ」と続けます。

しかし、まだ遠慮しているのでしょうか!?

私「あれ?豚の金玉刺しはいかないの?」

と水を向けると、ニヤリと笑みを浮かべるOさん。

そして

O「共食いみたいで気が引けちゃうなぁ~( ̄▽ ̄)」

で、豚金刺しも追加(笑)

 

Oさんは元競輪競技のスペシャリスト。

病気で引退しましたが、それはもうトレーニングに関する経験も知識も豊富。

今何してる?

こんなことあったよね!

などと話すうち、私のトレーニングの話に。

O「腰が引けてんですよ!もっとこう…バーに股間当てに行くぐらいでないと!!」

私「やっぱそうだよね~(*´з`)負けちゃうんだよねぇ~!」

O「いんや!フォームでまだ挙がりますって!」

Oさん、何度も何度も動画をチェックしてくれる。

そりゃもう何度も何度も(笑)

しまいに、

O「今度一緒にやりましょう!」

私「是非!」

7年という時間なんてみじんも感じないひと時。

いい時間を過ごさせていただきました。

=おしまい=


肘が伸びない・力が入らない~骨折の後療~

2015年02月24日 | 治療の話

8つになるA君は、1年前に右上腕骨の骨折を経験しました。

以来、肘が伸びなくなったとのこと。

徐々に回復するだろうと期待していましたが、

あと35度がなかなか伸びてこない…(´・ω・`)

そんな折に、体育の時間でやった「手押し車」

右腕に力が入らず、意に反してホフク前進になってしまったそうで、

ご心配されたお母さんとご来院。

A君の肘を拝見してみると、肘を伸ばす力がだいぶ弱く、前腕も外に向いている外反肘という状態です。

これは骨折の影響か!?

と思ったんですが、骨折の痕をたどってみても曲がってついてしまった様子はありません。

周囲の筋肉の状態を調べると、上腕筋という筋肉の短縮が際立ちます。

個人的な見解ですが、この上腕筋という筋肉が短縮すると前腕が外反してしまうようなのです。

他にも肘の外側にある靭帯も縮みこんでいる様子。

情報をまとめると、A君の外反肘はギプス固定をしている間にできた拘縮の名残なのだと思われます。

治療としてはこれらの緊張を和らげ、正しい位置関係で関節をコントロールできるようにトレーニングを行います。

A君の肘はだいぶ治療への反応がよく、初回の介入で可動域も大きく広がり、力も入るようになり、

あとは自宅でのセルフケア&エクササイズでも対応できそうなところまでこぎ着けました。

エクササイズはA君の現状の体力に合わせて壁を使った「腕立て」をチョイス。

関節の拘縮とはいえ、通常は大きく動かしているうちに徐々にほどけてゆくものです。

それに、手押し車ができないほど三頭筋が弱っているわけですから、

その点に関しても、解決には筋力強化が重要です。

ただ一方で、関節の動きを狂わせる種々の固さが強く残っている状態での反復運動は

二次的な故障を起こしてしまうこともあるので注意が必要です。

そうしたことがないように、上腕筋のセルフケアを伝えたい。

でも、まだ8歳のA君に私が伝えたい手法は難しそうです。

なので、セルフケアに関してはお母さんにお伝えし、初回の治療を終えました。

上手くすれば次回でけりがつきそうです。

A君、そしてA君のお母さんの頑張りに期待したいと思います。

=おしまい=


アジアオープン結果!

2015年02月22日 | コンディショニングの話

西尾選手、アジアクローズド部門準決勝!

くうー(>_<)
決勝ラウンド、惜しかった!
でも、素晴らしいパフォーマンスでした!!!

そして、その後はワールドチャンプのダンスをチェック。

なるほど、チャンピオンのビクター選手

股関節のコントロール、とりわけバックステップの際の伸展域のコントロールは他の追随を許しません!

そしてパートナーのアナスタシアさん。
その広いバックステップのストライドにしっかりとついて行くだけでなく
コネクションをしっかりとキープ!!!

女性が大きく後ろに傾いた姿勢で、
男性はその支柱になりながら後退(女性は前進)するのはとても難しいことに思えます。

チャンピオンは、それを非常に高いクウォリティで、そして高いパフォーマンスとして実現していました!

そこだけを採っても納得の結果。

いい勉強ができました!

それはそうと、クローズド部門の決勝にあがった○○選手。

右の腸腰筋、ずいぶんと固そうでした。
ぎっくり腰にご注意を。


2015WDC アジアオープンダンス選手権大会

2015年02月22日 | コンディショニングの話



いま、武道館にいます。
西尾選手のサポートです。( ロ_ロ)ゞ

今日の西尾選手、いい感じ!

いましがたオプティクロスによる調整を終え、
可動域、安定性、切れ…
グッとあがっています!

気持ちも乗っています!

西尾選手、今日はどんなドラマをみせてくれるのでしょうか!?

嫌がおにも期待が膨らむ2015年アジアオープン、

面白くなってきました!(゜▽゜*)

妬まれてるのでしょうか!?

2015年02月21日 | よもやま話

今朝、Myハニーが持たせてくれたお弁当。

抹茶味のホワイトチョコ入り蒸しパン

巨大なカップ焼きそば…

1000㎉…(@_@)

 

最近、体脂肪率11~13%のBMI22~23をキープしているんですが、

ハニーには

「ずるい!自分ばっかり!」

と非難されることもしばしば…

「じゃあ一緒に運動しよう!!(*´з`)」

といっても

「やだ!(; ・`д・´)」

と即答。

そしてまた

「自分ばっかりずるい!!!(-"-)」

と駄々をこねる。

私『ええぇ~~~(どうしたいの!?)(;´∀`)』

 と困ってはいたのですが、

ようやくわかりました。

そうか…

太らせたいのか…

 

ぼく、妬まれているのでしょうかね(^^;)

 

ま、それも愛情の裏返しということで

ペロリといただきましたけどね。( ̄▽ ̄)

美味しゅうございました!


天気の変動と関節の痛み

2015年02月21日 | 治療の話

その昔、まだ20代前半だった頃、

天気を予測することが出来ました。

どうやって?

実は、雨雲が近づいてくると節々が痛み手や脚がシビレたんですよ(^_^;)

よく、天気が悪くなると古傷が痛むなんて言いますよね。

あれです。

それも、かなりの感度で、どんなに天気がよくっても

『あ、今日は雨降るな(=身体が痛む)』

となれば雨は降る…

なんでこういった現象が起こるのでしょうか!?

諸説ありますが、私は気圧と関節痛の関係に一票。

ご存じない方もいると思いますが、関節を包んでいる関節包の中は、外気に比べると陰圧になっているんです。

つまり、関節する骨同士が吸盤みたいに引っ張り合っているんです。

しかし、気圧が低くなると外気との差が縮まってしまうでしょう!?

すると関節の引きあう力も弱まってしまいます。

するとぐらぐらとグラつきやすくなるんです。

故障した関節はそれでなくともグラついていますから、

気圧が低くなるとそのグラつき様も大きくなるわけです。

あ、もう一つ、前提として知っていてもらいたいことがありました。

靭帯が伸びてしまったり、軟骨がすり減ってしまった関節はグラつきやすくなるんです。

そう言ったグラつきはさらに関節を傷つけてしまいますので、身体は何とかグラつきを抑えようとするわけです。

どうやって?

周りの筋肉たちで押さえ込むんです。

すると本来だったらしなくていい仕事を筋肉に課すわけですから、過労に陥りやすい。

そもそもが傷ついた関節は周囲の筋による支えが弱い傾向にありますので、

少ない筋肉で余計な仕事をするものですから、筋肉由来の痛みも生じやすいんですね。

そこへきて気圧まで下がってしまったらどうなりましょうや?

そう、もっと働かなくてはならなくなるわけです。

そして、「もう限界!ギブ!!」となった筋肉からの悲鳴=痛みが生じると…

天気が崩れると古傷が痛む、その背後には

そう言ったメカニズムが考えられるんですね。

 

そうならないようにするにはどうしたらいいでしょう?

私の答えは、関節のコントロールを正常に近付ける工夫と、そうした働きを強化する、です。

具体的にやることといえば、私のyoutubeのページにあるような運動療法です。

私は左の膝に古傷を抱えているんですが、20代前半はしょっちゅう松葉杖のお世話になりました。

もうちょっと走っただけですぐに水がたまっちゃう。

しかし、この業界に入り、こうした手法を取り入れるようになってから、

昔のように水をためることはなくなりました。

故障の回復に伴って、天気予報も徐々に外れがちになってゆき

今では全く痛むことがない。

あれから18年。

週1回とはいえ、トレーニングも再開しました。

今のところ昔のように水がたまるとか、腫れあがるといったこともなく、

トレーニングを楽しむことができています。

 もちろんトレーナーの先生方の指導の腕もいい。

でも、運動療法による効果が今を実現しているのも間違いなく事実です。

私は故障で当時の仕事であり夢を手放してしまったわけですが、

今思うとちょっと物分りがよすぎたような気もします。

できることはあったんですよね~(>_<)

ということで、(←どういうこと?)頑張っている人がそういった悔しい思いをしないで済むよう、

練馬の地で日々頑張っているわけです。

う~ん、尻切れトンボ!!(^^;)

でも、おしまい。


日々を目一杯に愉しむ

2015年02月20日 | よもやま話

およそ一年前に書いたままアップし忘れていた記事です。

きっとこの頃、何かがあったんでしょうね(^_^;)

ともあれ、読んでみるとアップしないのも勿体ない感じがしたので、

お披露目させて頂きたいと思います。

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「妥協はないか?愉しいか?」

いきなりなんだ!?

とお思いのことでしょう!

ズバリ!私の座右の銘です。

というか、仕事に対する指針!?でしょうか。

 

基本的に一つ気に入った物があるとネチネチとのめり込むタイプなので、

仕事に関して妥協してしまうということはありません。

ですが、ついつい行き過ぎて、難行苦行の様相を呈してしまうことも…。

この座右の銘はそんな私に妻がくれた言葉なんです。

家内とは出会ってからもう20年の付き合いです。

20年間、色んな事がありました。

嬉しいことも悲しいことも、愉しいことも苦しいことも、共に過ごしてきたわけですが、

そんな妻から見た私の行動基準が「妥協はないか?愉しいか?」なんだそうです。

自称「粘着気質ではあるけども完璧主義者ではない」私ですが、

仕事にたいして「妥協はないか?」ばかりになりやすいようで、

ともすると「あれもしなきゃいけない」「これもしなきゃいけない」と

何かに急き立てられるように、汲々としだしてしまうことがありました。

いったい誰に急き立てられているんだ?と、自問しても判らない。

おかしなテンションになってしまうことが過去にあったんですね。

そんな時は「~するべき」という言葉も出てきやすくなりますね。

いや~、怖い。

「しなきゃいけない」とか「~するべき」は後ろ向きな思考が根っこにあるように思いませんか!?

 これらが出てきた時は要注意です。

そんなときってなんだかDRYな仕事になってしまうようで

結局後々自分に不満が募ってしまう。

基本、私は人間臭い物語だとか、珍味系の肴だとかを好みますので、

「しなきゃいけない」「~するべき」に頭が支配されて、誰かに強制されているかのような

おかしな思考に支配されているときは仕事に達成感や満足感が感じ切れないようです。

できれば常に「やり甲斐」に満たされていたい性質(たち)なので、

忙しくって緩くない日々が続いても「あれもしたい」「これもしたい」「もっとしたい」と前向きでいたいわけです。

その方がいい仕事ができるし満足感も達成感も手にできます。

そういった訳で私は好きな仕事しかできないんでしょうね。

 

そうはいっても、好きなことでも仕事として続けていれば必ずどこかでしんどい局面に出くわします。

で、当然それを超えるには大きな力が必要なわけです。

私は基本怠け者ですから、すきでもないことだったらきっと放り投げてしまうことでしょう。

反面、苦しい局面も好きなこととして愉しめている内ならば越えられます。

なので、前での言葉が大切なんです。

「妥協はないか?愉しいか?」

好きなことだから辛い局面も愉しめる。

愉しめるから超えられる。

 

この言葉はこれを書いているいまも我が家の冷蔵庫に貼ってあります。

自分から逃げてはいないか?といった事にむきになり過ぎて、

愉しくてしょうがなかったはずのことを愉しめなくなってしまったら人生損した気分になってしまう。

もし苦しくなって楽しめなくなったなら小休止。

ウズウズしだすまで休んだ方がきっともっといい仕事ができると思います。

 

このところ、頑張り過ぎてヘトヘトになってしまっている「お父さん」からのご依頼が続いています。

眠れない・明け方に眼が覚めてしまう・身体が泥のように思い…

交感神経の過労によるうつ状態が背後に見え隠れしているように思えてなりません。

 

ちょっと息をついてみませんか。

 

どん詰まりにぶち当たったら、もう一度仕切り直すためにも

ほっと一息、ついてみませんか。

 

疲れたら小休止。

疲れが取れたら、また日々を目一杯に愉しみながら進んで行けますから。

 

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いったい何があって書いた文章か、今となっては思い出せませんが、

奇しくも、最近の患者さんに当てはまりそうな内容(交感神経系の過労)でしたので、

公開させて頂きました。

上記の状態は身体の頑丈な人、体力がある人ほど陥りやすいものです。

自分を信じることは大切ですが、くれぐれも過信にならないようにご注意ください。


肩峰下滑液包炎

2015年02月18日 | 治療の話

右肩が痛くて腕が上げられなくなってしまったAさん。

1か月ほど前から肩が痛みだし、ここ数日でとうとう腕が上がらなくなったとのこと。

今現在、どの程度挙げられるのか見せていただくと、痛みのある右肩は水平をやや超える程度

110度ほどのところで止まってしまいます。

右肩を触察すると若干熱を持ち、いくぶん膨れています。

肩峰の下、三角筋を押すと上腕骨との間に水袋のような弾力を感じることから

三角筋の下にある肩峰下滑液包というところに水がたまっていることがわかります。

図版引用 「公益社団法人 日本整形外科学会HP」より

肩に限らず滑液包を腫らすと結構痛いんですよね(*_*;

『Aさんよく我慢したなぁ(*_*;』などと感心しつつ、 

確認のために、腕を90度ほどまで開いたところでもう一度押してみます。

すると今度は「あれ?そんなに痛まない(。´・ω・)?」とおっしゃるAさん。

このテスト、ダウバーンテストという「肩峰下滑液包炎」の検査なんです。

つまり、Aさんの肩の痛みは「肩峰下滑液包」の炎症だろうということでほぼ確定。

その他の客観的所見を確認し、治療開始です。

患部はまだ急性期にあるので、治療は患部の炎症を考慮して行います。

何をしたか、ざらっと書いてみます。

先ず滑液包の下にある棘上筋の痙攣を鎮め(PRT)、

上腕骨と肩甲骨を収まり悪くずらしている棘下筋や小円筋をストレッチ(筋膜リリース他)したところで

140度まで腕があげられるようになりました。

この変化から私は、Aさんの肩の炎症は思ったより軽いようだと考えました。

なぜか?

滑液包には知覚神経がみっちりつながっていますので、

本来ここがしっかり腫れるとめっぽう痛いわけです。

ちょっと逃がしどころを作った程度じゃそうそう痛みも引きませんし、可動域も広がりません。

なのにAさんのケースでは、逃がしどころを作ったら痛みの減少と可動域の回復がみられているわけです。

そこから、『炎症も水腫もあるけどまだ軽い』と考えたわけなんです。

仮にしっかりと出来上がっていた場合は奥の手として「鍼」を使います。

中に溜まった水を散らしてあげるんです。

すると腫れている滑液包もしぼむので、関節に挟まれても暖簾に腕押し。

グッと痛みが小さくなって、動きも取り戻せるようになるんです。

こうした処置って、どこの滑液包でも、関節を包む関節包でも共通で、

私にとって唯一鍼じゃなきゃ出来ない処置なんですが…

話が逸れてるな…(-_-;)

 

ま、それはそれとしてですね…(^^;)

Aさんの肩にみられる変化から、急性期ではあるけども、

傷は浅いなということがわかったということです。

ということで、その後に肩を取り巻く筋膜の緊張をもう少し取る意味で左の仙腸関節の緊張を緩め、

腕の運動の支点となる第2・3胸椎間の動きの悪さを解消すると、

Aさんの腕は170度まで上がるようになりました。

後はテーピングで肩のズレを補正して、

アイシングの方法とセルフケアエクササイズ(棘下筋・小円筋のテニスボールマッサージ)を

お伝えして初回の治療は終了です。

次回、状態が良ければ肩のインナーマッスルの強化に移る予定です。

 

Aさん、油断しないでセルフケア(アイシング・テニスボールマッサージ)頑張りましょうね!(´・ω・)

=終わり= 

 


オプティクロスの効果

2015年02月10日 | コンディショニングの話

最近、週に一度は何とかトレーニングをしています。

で、最近のマイブームが「クリーン&ジャーク」という種目。

上手くゆかない感じがたまらない(^^;)

今こうしていても「持ち上げたい衝動」に駆られているほどのマイブーム。
人様に見せるには下手すぎるのですが、特許を取ったツール「オプティクロス」の効果がはっきりと出ていたので、

ちょっとご紹介してみようかと…(/ω\)

現在、オプティクロスを使って障害を持ったアスリートの方々へのサポートを実施しています。

ご興味をお持ちいただいた方がいらっしゃいましたら、予約メニューにはありませんがどうぞお気軽にお声がけください。

ただ、ご相談はお問い合わせフォームからお願いいたします。

治療が立て込んでいることが多いので、お電話だとお話しできないことが圧倒的に多くて(*_*;

では、下の動画をご覧ください。見どころは私の「はしゃぎっぷり」です(*´з`)


東京障害者スポーツセンターにて

2015年02月09日 | コンディショニングの話

今日は日中、自身の筋トレに行きまして、

クリーン&ジャークの1RMを探り、

そこから、オプティクロス(昨年、特許とったやつです)でどこまで変わるのか調査をし、

0.6kg記録を更新し、それを計算ミスで1キロ強の更新と勘違いしたまま

有頂天のままダッシュで北区の障害者スポーツセンターへ!

(しかし、たかが0.6キロ。されど0.6キロ。壁のように立ちはだかっていた重量の壁がいとも簡単に超えられたのには感動を覚えました!!!)

そして、北村選手のトレーニングにみっちりお付き合いして今、

家路です。

疲労が貯まって不安そうな北村君でしたが、

オプティクロスで介入すると、途端にいい動きをするんです(^w^)

タイムもいい感じ!!

どうやらオプティクロスの効果は柔軟性を高め、

いわゆる「歪み」(この言葉はあまり好きじゃないのですが…(^_^;))を取り去るだけにとどまらず、

身体の動きを整え、筋力発揮を高める効果もあるようです。

それは恐らく神経系に起こった促通現象に加え、

運動パターン(正しく言うならリクルートメントパタン)の効率化

による効果であろうと考えております。

って、なにいってるかわからないですよね(^_^;)

要は筋と骨格の使い方が上手になったということです!

ともかく、自前の発明ではありますが、

その効果が今日の一日で確信に変わりましたよ!

ってことです(о´∀`о)

情報を整理して、早くお披露目したいのですが、

いかんせん時間が足らない(>_<)

頑張ろう!


驚いたことに、売れ続けています…

2015年02月09日 | よもやま話

私事ではありますが、昨年オリジナルの治療技術のDVDを刊行しまして…

「スイッチバックテクニック=「遠位体節同士のリンク」と「筋膜ユニット」への評価と治療=」というのですが、

ありがたいことに、もうじき初版が売り切れそうなんです。(*´ω`*)

正直ちょっと驚いています。

治療業界の教材を扱う業者さんから聞いた話。

正直~~~枚売れたらヒット!

~~~枚だとミリオンセラーです!!

という裏情報をいただいたのですが…

ヒットを飛ばすのは大学の先生方、メガヒットは海外の著名な先生といいますから、

無名の私がヒットを飛ばすなんてあるわけもなし…

位に思っていたわけです。

で、ふたを開けたら段ボールの底が見えてきた(@_@)

っつーことは、ヒットはしたということでいいのしょうか?(; ・`д・´)

出版業界では第二版をすることを重版出来(じゅうはんしゅったい)というそうですが…

重版出来出来ちゃうのかい?(;'∀')?

 

 

…(-_-;)

うん、冷静になろう!

ここで調子に乗ったら大量の在庫を抱えるなんてことにもなりかねない(*_*;

くわばらくわばら…

ともかく、山のような在庫を抱えるような事態にならなくてよかった(*´з`)

以上、「僕も意外にやりよるよ!?」というつぶやきでした(^_-)-☆


鬼となりました

2015年02月03日 | よもやま話

我が家では一足早く、2月2日に節分の豆まきをしました。

当然、鬼は私の役目。

「よしこい!」と私。

「鬼は~そとぉ!!!」と息子。

パラパラッ!

パラパラッ!!

あははは(^◇^)

パラパラッ!!

パラパラッ!!!   「あはは、もっとこいやぁ~~~~!!」(私)

うはははは!!!!( ̄▽ ̄)

パラ!

ピシッ! 「お!?」(私)

ピシシッ!! 「お?おお!?」

ぶはははは!!!!!!!!!(゜∇゜)

ビシッ!!

ビシシシッ!!!!   「のおおおおおおおおおおおおおお!!」(私)

←本気で痛がる40歳

容赦なく、異常なテンションで豆を投げ出す11歳(*_*;

それを笑いながらカメラに収める連れ添って早20年となる妻…

 

身も心も打ちひしがれたこらえ性のない40歳は…

「( ゜Д゜)こらーーーー!!

遠慮がないにもほどがあるわ!!!」

まさかの逆切れ(^^;)

この瞬間、まさに鬼と化したのでした…

と、いうことで攻守交替。

鬼になってもハイテンションではしゃぐ11歳。

写真ははしゃいだ隙に股間を撃ち抜かれて腰が引けたところ。

 

と、こんな感じで楽しく豆を撒いた後は、年の数だけ豆を拾って食べました。

40粒の豆は、けっこう腹にたまりましたとさ。

=おしまい=


薬指・小指の痺れ=ダブルクラッシュシンドローム/小胸筋症候群・肘部管症候群の併発=その2=

2015年02月02日 | 治療の話

さて、前回の続きです。

前回の調べでは

『尺骨神経が小胸筋の下と肘部管で締め付けられていて、どうやら傷ついていそうだ。』

というところまで分かったわけです。

治療自体は神経への締め付けを解いてあげることをするわけで、いたってシンプルな話です。

ですので、ここまでの調べを基盤に治療を組み立てても大丈夫なのですが、

それでははっきり説明できない症状がある、わけです。

というわけで今回のお話のテーマは

「朝起き抜けやつり革をつかんでいるときに出てくる五本指全部に広がるシビレ」です。

 

まず、尺骨神経だけの問題だった場合、痺れる指は薬指と小指です。

図版引用:iris-iris より引用

図の水色のエリアです。

しかし、「起き抜け」と「つり革」のシチュエーションではなぜか五本指全部がしびれているのです。

ということは、尺骨神経以外の末梢神経にも影響があったということになるんです。

傷のないはずに神経にも痺れが出てくるって、おかしな話じゃないですか!?

不思議でしょう!?

「朝」と「つり革」、そして「五本の指全体のシビレ」…

この3点のつながりとは!?

なんて考えてゆくと、ちょっとした推理小説みたいで面白い…

と感じるのは私だけでしょうか?(^^;)

ま、それはいいとして。

 

これら3つの点を結ぶ条件とはなにかと申しますれば、「血流障害」というものなのです。

腕に行く神経と血管は、小胸筋と胸郭の間を通り抜けてゆきます。

図版引用:公益社団法人 日本整形外科学会HPより

小胸筋が固く縮みこんだ状態で腕を上に挙げると、引き伸ばされた小胸筋は腕へと向かう神経や血管を圧迫します。

こうして圧迫を受けた血管は腕に十分な血液を送ることができません。

血流の不足は尺骨神経だけを狙い撃ちすることなく、腕に枝を伸ばす他の神経(正中神経や橈骨神経)にも等しく平等に影響を及ぼします。

いったいどんな影響を及ぼして、何が起こるとおもいますか?

そう、酸欠や低栄養によって手の神経が一過性の麻痺を起す、つまりシビレちゃうんですね。

こうした血流不足によるシビレは末端から始まります。

正座の時に起こる脚のシビレなんかもそうでしょう!?

腕の根元で血管がせき止められるもんですから、心臓から遠い指先から順に酸素や栄養の不足が起こるわけです。

なので、五本の指先がシビレたんですね。

 

と、ここまではAさんから伺った情報からの推論です。

そうした推論を確かなものとするために、

私たち治療家は理学検査というものをするんです。

Aさんにはライトテストという検査をさせていただきました。

Aさんは上の図の姿勢を取ると、やはり右手だけ脈を感じなくなります。

検査は陽性です。

 

ちなみに、この小胸筋症候群は別名「過外転症候群」と申しまして、

手を挙げた姿勢が続くことで腕に行く神経を傷つけたり血管を圧迫して起こると考えられているんです。

でも、そうだとしたらまだ釈然としない話が残りませんか?

そう!朝起き抜けのシビレです!!

Aさんからは朝起き抜けに万歳してたという話は聞いていません。

手を挙げていないのに、なんで私は「過外転症候群」に伴う「血流障害」をシビレの背景に考えたのでしょうか?

仕組みは簡単、いたってシンプルな話です。

 

心臓は死ぬまで休みなく鼓動を打ち続けますが、

寝ているときはゆったりとしたリズムに変わることで休んでいます。

この時、血圧も脈拍も低くなるんです。

当然、血液を送り出す力は弱くなる。

一方で、緊張した小胸筋は休むことなく血管を踏みつけているわけです。

すると、Aさんの寝起きの右手は

ただでさえ「血管の圧迫」で血の通りが悪い上に、

寝ぼけた心臓が「血流量の低下」を起こしているというダブルパンチを食らうわけです。

加えて、寝ているときには心臓の拍動が穏やかになることの影響で生理的な浮腫というものも起こります。

寝起きって皆、むくんだ顔をしているでしょう!?

あれです。

全身がむくむと血管や神経の通り道になっている隙間も狭くなるんですね。

こうなるともうトリプルパンチです!

…これはぱちぱちパンチです(*_*;

 

そうした生理現象も相まって、朝起き抜けの「五本指のしびれ」が現れたわけです。

ちなみに、朝起き抜けのシビレは布団から出て顔を洗う頃には引くといいます。

その理由も休んでいる心臓にあります。

朝のねぼけた心臓も布団を這い出して歯を磨くころには目を覚まし、しっかりと血液を回しだします。

そうなると、多少の血管の圧迫があっても問題ないレベルで腕に血液を送れるようになるんです。

だから寝起きのシビレはしばらくすると消えるというわけなんですね。

一見不思議な現象ですが、身体の仕組みの基本を知ることで理解できるようになるんです。

 

さて、そうこうしてAさんの故障の背景を把握できたら「回復への道筋を二人三脚で歩き出そう!!」ということになるわけです。

Aさんの初回の治療では、患部の締め付けを除くことを主眼とし、

右前腕や右胸の筋肉に無駄に力がこもってしまう背景要因(崩れた姿勢と固定している種々の問題点)を摘むべく、

全体の関節機能を整えるための介入を行いました。

結果は上々。

一先ず無事にライトテストの陽性所見が現れないところまで持ってゆきました。

治療後、小胸筋や肘部管の圧痛と放散痛も大幅に軽減し、放散するエリアも狭くなりました。

そうした身体のリアクションから、神経自体のダメージはそう大きなものではなかった事もわかってほっと一安心。

症状を緩和させるためのセルフケアをお伝えして、この回の治療を終えました。

=終わり=


薬指・小指の痺れ=ダブルクラッシュシンドローム/小胸筋症候群・肘部管症候群の併発=(改)

2015年02月01日 | 治療の話

1月29日に書いた記事ですが、読み返してみたところ読み辛いところが多々ありましたので若干加筆させていただきました。

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右手のシビレのご相談にいらしたAさん。

デスクワークをしていたり、自転車に乗っていると小指と薬指に強くシビレを感じるそうです。

↑水色のエリアにご注目ください

 

さらに、朝起き抜けやつり革を握っているときなどは五本の指先全部がシビレてしまうともおっしゃる。

私事ですが、

シビレの相談の時には筋肉の故障による「偽物のシビレ」と神経の故障による「本物のシビレ」との見極めが大切なんです。

どうやって調べるのかと申しますと、

神経は、筋肉を動かす命令を伝えたり、感覚を脳に伝えたりしていますので、

本当のシビレかどうかの見極めは元気な側の手と故障している側の手を触り比べたり、

力の入り具合をみたり、脚気の検査のように腱反射をみることで判断するんです。

Aさんの左右の小指と薬指を触ってみると、

「右手の指は薄皮がかかったみたいだ」と仰います。

どうやら本物のシビレのようです。

シビレの範囲から、頸の故障ではないと思いましたが、

念のためスパーリングテストという方法で首も調べてみたところ、

やはり首の故障ではないようです。

痺れている範囲から考えられるのは尺骨神経の故障です。

こうした神経の故障は、神経の通り道での締め付けで起こります。

尺骨神経が締め付けられやすいのは、「小胸筋」と尺側手根屈筋の肘側の腱にあたる「肘部管」、

あと、掌にある「ギヨン管」という部分が有名です。

↓小胸筋の図

図版引用:ウィキペディアからの転載です。ごめんなさい…

って、何だろう?この気恥ずかしさは…(-_-;)

↓肘部管の図

図版引用:「All About 肘部管症候群の症状・原因・治療・リハビリ」

神経の傷ついている部分は敏感になっていますので、叩いたり圧迫したりすると他より強く痛んだり痺れが出たりしますので、

検査として尺骨神経に沿って過敏なところがないのかチェックします。

Aさんの場合は小胸筋と肘部管を圧迫するとジーンと痛みが出てくるとのこと。

どうやらこの部分で神経が締め付けられているようです。

余談ですが、締め付けられて神経に傷ができたとき、神経の走行に沿って痛みが広がる「放散痛」というものが生じます。

Aさんの場合でも、単に小胸筋と尺側手根屈筋の部分が痛いというだけでなく、

ジーンと指の方へと痺れが広がる感覚が確認されました。

と、いうことは、痺れの元の尺骨神経には大なり小なり傷ができていることがわかります。

このように一つの神経が複数の場所で苛められて症状を起こしたケースを「ダブルクラッシュ」といいます。

この「ダブルクラッシュ」の特徴は、一つづつでは大した症状にならない軽い故障も、

複数重なることで大きな症状になるところになります。

Aさんの尺骨神経を苦しめる尺側手根屈筋や小胸筋は、

パソコン作業で取られる姿勢や自転車のハンドルを握りしっかり固定する、

といったシチュエーションでは力が入りますから、そうした作業で症状が強く出てきたのも無理からぬことなんです。

治療としては、神経の締め付けを外すために小胸筋や尺側手根屈筋の緊張を解き、

十分な長さを取り戻すための手入れをしてゆきます。

そのこと自体に変わりはないのですが、ここまでの調べではまだはっきりしない症状があるんです。

それは「朝起き抜けやつり革をつかんでいるときに出てくる五本指全部に広がるシビレ」です。

あ、

もう結構な時間ですね。

明日は朝9時に有楽町、17時に北区障害者スポーツセンターへ行かねばならず…

早く寝なきゃなぁ…(*_*;

の前にはよ帰らねば(汗)

ということで、続きは後日!

では!

 


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