あた子の柿畑日記

田舎での日々の生活と趣味のレザークラフトについて

不遇な柿の木

2022-11-15 00:00:24 | 野菜・果物・料理など
  前々から気になっていた柿
 
 
 全然摘果されてなくて実の重さで枝が折れているくらいです。



 
 くっつきあって実の形が崩れるんじゃないかと思うくらい。

 
 この形は富有柿なのかなあ。だとしたら早く取り入れなければ。ひとつ拾ってかじってみました。
 
 ぺっ
 
 渋柿でした。昔は細長くとがったのが渋柿、丸いのが甘柿と決まっていたものですが、最近はいろいろな品種が植えられて、見かけだけでは甘いか渋いかわからなくなっています。最近まで主流だった横乃柿だったのでしょうか。渋抜きをすると愛宕柿よりずっと甘く歯触りがやわらかく私は好きでした。ただこの柿は病気に弱いとかで今では巨大な太秋とか大天とかいう品種が多くなっています。
 
 その柿が、実のついたまま切り倒され、というよりめちゃくちゃに引き裂かれ、根こそぎ掘り起こされてしまいました。散歩で通りがかったとき作業をしていた人に聞いてみたら、去年から切ることは決まっていたそうなのです。この後この畑をどうするのかと聞いてみたけど、はっきりとは答えてくれませんでした。

 
 野菜畑とかに生まれ変わるのならいいのですけど・・・・
 
 昔は、このあたりで栽培されていた愛宕柿は大変人気があって関西方面に出荷されていました。ちょうど忘年会シーズンに収穫期を迎え、年末年始の宴会の席ではそのさっぱりとした甘さが人気だったのだそうです。 私は渋柿と言えば小ぶりの西条柿しか知らず、食べ方も干し柿か熟した柿をゼリーのように生で食べるしか知りませんでした。愛宕柿は西条柿の倍くらい大きく、初めて見た時はびっくりしました。
 しかし、今は昔ほど売れ行きは伸びず、知り合いの農家さんは、柿では子供を大学に行かせることもできない、とぼやいていました。しかも柿は重くて収穫は重労働です。昔植えられた木は背が高く、高い脚立に登るか高所収穫車を使って収穫します。その機械がまた高額で、農家さんも高齢化が進んでーそして次々と新しい品種に切り替えて柿も高級化してきました。また、ほかの作物を植える農家も増えています。
 それにつけ込むように某外国企業が土地を買いあさり、表向きはキーウィのプランテーションをつくるということで園地が整えられていますが、トラブルも発生しているとか。
 
 うちにも西村早生という柿がありました。ついこの間まで。
 ほったらかしで例のごとく蔓に覆われていましたのでなんとか取り除いたのですが、たった1個実が成っていました。それがこれ。
 




 でかい。

 上がうちの柿、下は買ってきた富有柿。 たった1個だとこんなにも大きくなるものか。
 いや、正確には3個でした。それは、すでに熟しすぎて下に落ちていました。
 

 残念、太秋柿のようにとてつもなく大きい熟し柿がそこに。これでは食べることはできません。ただ、もっと気を付けてお世話をすればよい実がなることはわかりました。来年こそは早めに蔓を切って大事にしよう、と思っていた矢先、夫が根こそぎ木をおがしてしまったのです。
 
 もう! 自分が植えた木なのに・・・・ 愛宕柿は2本残っているのですが、甘みが少ないので私にはちょっと物足りない。ただ、愛宕柿のほうが形が干し柿向きですね。
 たった3個の柿のうちまだ木になっていた柿はへたに焼酎をしみこませて、ジップつきの袋に入れてストローで空気を抜いて密封しました。それが上の写真です。約2週間後に食べてみます。さて、うまくいくかしら。
 
 そして一部柔らかくなりかけていたもう1個は、皮を剥いて薄く切り干してみました。
 

 
 干物用のネットも売ってはいますが、うちにはないので、網にのせ、それをざるの上に置いて、どこからも風が通るように軒下に置いておきました。
 
 良いお天気が続いたので4,5日もすれば表面が乾いて透き通ってきました。なかなかいい感じ。あんぽ柿みたい。
 
 表面は乾いたけど中がまだ柔らかさが残るうちに食べてみました。



 甘さが凝縮されてめちゃくちゃおいしい。 柔らかいけれど熟しガキのようにぐじゅっとしているのではない、ザクっとした歯ごたえも残っていて、これはいいんじゃないかと思いました。
 だけど、この柿の木はもうありません。本当に惜しいこと。畑の隅で邪魔にもならなかったのに。まだ恨めしく思っているわたしです。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする